セラピストライター白井未奈子
サービス業を10年経験するなかで、リラクゼーション業務に出会い「人を癒す」ことに目覚める。
フリーランスに転向して以降は、ボディートリートメントとフェイシャルエステの知識を活かし、美容・健康系の記事執筆を中心に担当。今は手ではなく、文章で読者にくつろぎとすこやかさを届けることを目指している。
犬が体調不良を引き起こす原因は、台風や寒暖差、ストレスなど、非常に多いのです。しかし犬は言葉が話せないため、異変に気付きにくいのです。飼い主が愛犬からのSOSをどれだけ早く察知できるか、が大切になってきます。
よくみてみると、しぐさや行動の端々にサインがちらほらと。嘔吐や震えはもちろん、いつも以上にくっついてくるなら思うところがあるのかもしれません。小さな家族の声にならない不安に、どうか耳を傾けてあげてください。
突然やってくる、愛犬の体調不良。体調不良の原因には犬だから、人間だからといった線引きはあまりありません。人間同様、いえ人間以上に、日常のちょっとしたきっかけで、たちまち体調を崩してしまうのです。
愛犬の体調不良に責任を感じている飼い主さんのために、体調の変化をまねく原因を3つまとめました。原因がわかったうえで先回りすると、体調不良の元を取り除けるかもしれません。
犬も人間と同じように、気温や気圧の変化で体調不良におちいる場合があります。
今までの愛犬の様子を振り返ってみてください。寒暖差が激しい秋から冬、もしくは冬から春に移り変わるタイミングや、台風シーズンに体調を崩しやすくありませんか?
もちろん、暑すぎる夏や寒すぎる冬も、犬にとっては体調不良の原因となります。また、毛足の長さに関わらず、体感は人間より1枚多く洋服を着ているのと同じ。涼しく快適な室温と思っていても、愛犬は暑いと感じているかもしれません。
また、年を重ねた老犬や持病のある犬にとって、寒すぎる環境は健康をおびやかす大きな要因に。身体に負担がかかるのを避けるため、防寒対策は万全にしてあげましょう。
引っ越しや転勤、家族構成の変化など、環境の変化は愛犬のストレスにも直結します。
新しい環境に身を置くタイミングは飼い主さんにも余裕がなく、愛犬の変化を見逃してしまいがち。
愛犬は「ここはどこ?知らない…」「いつもと違うにおいがする」と思いながら、ストレスを溜め込んでいるかもしれません。
ペットホテルへ預けるときも同じです。「迎えに行くと元気がなくなっている」犬も少なくありません。いつもと違う環境にさらしてしまうと、ストレスからの回復に時間がかかる犬もいるでしょう。
手術やワクチン接種後にみられる体調不良なら、物理的な痛みが原因かもしれません。
人間だって、手術をして間もないうちは元気がなくて当然。日帰りにせよ泊まりにせよ、不安によるストレスや疲労は付きまとうでしょう。
痛みやストレスは徐々に和らぐため、時間が解決してくれるはず。ただし、帰宅後に嘔吐や腫れが見られる場合は、動物病院に相談しましょう。
愛犬の年齢が体調に関係するケースもあります。わたしたち人間が、小さい頃もしくは年を重ねるごとに、不安を感じるところが増えてくるのと同じです。
とくに身体機能が未発達な子犬は、怪我をしやすかったり嘔吐・下痢しやすかったり、体調不良になるリスクが大きいのです。環境の変化によるストレスも感じやすく、自分が暮らす家に慣れるのにも、大きな負荷がかかってしまうでしょう。
反対に、シニア期にさしかかる老犬も、体調不良をおこしやすくなります。犬は人間の何倍も早いスピードで年をとるといわれているのを忘れてはいけません。活動量が減って、休んだり寝たりする時間が増えると、体調の変化に気付きにくいため、より気にかけてあげてください。
犬の体調不良がわかりにくい理由は、ただ喋れないだけではないのをご存じですか?
周囲から身を守るために知られまいとする犬の本能と、構ってほしくないといった気持ちが関係しているからといわれています。
一方で、心を開いた犬は、体調不良の際に特定のしぐさをみせるともいわれています。しかし、決してわかりやすいサインばかりではないので、日頃から愛犬の様子をよく観察しましょう。
愛犬の体調不良が疑われる際は、まず目をチェックしてみてください。健康な犬であれば目に輝きがあるはず。しかし、どこかうつろでぼんやりしているなら要注意です。
歩くのがままならなかったり、すぐに座ってしまったりするのも体調不良のサインかも。身体のどこかに不調や痛みを抱えている可能性が高いでしょう。
もし散歩の途中でいきなり歩きにくそうになったら、まずは足元をケガしていないか調べましょう。ガラスを踏んだなど、肉球が傷ついているおそれがあります。
普段と比べて愛犬の活動量が少なく、じっとしている時間が多い場合もサインのひとつ。
おかしいなと思ったら、おもちゃやおやつをチラつかせてみてください。いつもより反応が薄ければ、愛犬みずから異変を感じとっていて、なにか不安に思っているかもしれません。
ごはんを食べなくなるのも体調不良のサインと考えられます。いつもはごはんを待ち構えている愛犬が、見向きもしなかったりそっぽを向いてしまったり…。食べさせると嘔吐してしまう場合も、体調不良を疑ってみてください。
犬が体調不良のときに現れる主なサインに、「小刻みに震える」ケースがあります。
震える愛犬の姿に「寒いのかな?」と勘違いしてしまうかもしれません。しかし、実は痛みに耐えかねて震えているケースもあるのです。
しばらく経ってもおさまらない、体調不良が疑われるなら、大事に至る前に、すぐ動物病院の受診を。
体調不良を感じている犬は、いつも以上に甘えたりくっついてきたりするサインを出すケースもあります。愛犬が元々甘えん坊なら、区別がつきにくいかもしれません。しかし、どうにも離れずくっついてくる場合には、痛みや違和感があるのかもしれないと疑いましょう。
犬が飼い主さんにくっついてくるしぐさは、小さな子どもがお母さんにくっついてくるのと同じく、不安な気持ちを表している場合が多いのです。
仕事で遅くなる日が続いたら、ストレスをためないように早く帰宅できる日を作るなど、愛犬が安心して過ごしやすい環境を整えましょう。
体調不良のサインやしぐさがみられた場合も、飼い主はうろたえてはいけません。
すぐに動物病院に連れていくのが第一ですが、しばらく様子見でよいパターンもあります。
例えば、長めの散歩をしたり、ドッグランで走り回ったあとの元気のなさは、疲れによる可能性も高いです。愛犬の元気がない時には、直前の行動をよく思い出して、動物病院を受診するかどうかの物差しにしましょう。いつもは健康かつ成犬の場合で「疲れが出ているのかも?」と思うなら、1~2日のうちは様子を見て。
ただし、子犬・シニア犬・持病がある犬の場合は、すぐに動物病院にかかったほうが良いでしょう。年齢や原因を考慮しつつ、適切なタイミングで受診を。
愛犬の健康を維持するには、信頼関係を築いておくのが第一です。
愛犬に「飼い主にならサインをみせられる」「体調不良だって気付かれてもいい!」と思ってもらえるよう、日頃からコミュニケーションを密にとっておきましょう。おもちゃで遊ぶ、散歩につれていく、撫でてあげる…毎日のコミュニケーションの積み重ねです。
愛犬が示す小さなサインに気付けるよう、普段から様子を細かくチェックする習慣をつけるのもとっても大切。愛犬にとって気にかけてもらえる状況がなによりの特効薬です。
日々、飼い主から「あなたのこと、気にかけているよ」と伝える行動が、愛犬の安心感と健康維持につながっていくのです。
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