管理栄養士ライター広田千尋
病院、保育園、保健センターなどで13年間勤務。生活習慣病の方への栄養相談や、高齢者への栄養サポート、また赤ちゃんや子どもの食事相談など、幅広い年代の栄養サポートに携わる。現在は経験を活かし、フリーランスとして活動中。わかりやすく実践しやすいコラム執筆や、身近な材料で簡単に作れるレシピ作成を得意としている。
むくみが気になるなら、ケアにおすすめのお茶や飲み物を選びましょう。とくに女性は、月経・更年期・妊娠中といった、ホルモンバランスの変化による「むくみやすさ」が気になる方も多いはず。むくみの原因はさまざまですが、塩分の摂りすぎが気になるならカリウムを、体内の水分量が気になるなら利尿作用のあるカフェインを選びましょう。コンビニで手に入る飲み物なら気軽に対策できます。むくみの原因もあわせて知り、すっきりとした毎日を目指しましょう。
一般的にむくみとは、皮下組織に水分が溜まった状態を指します。なんらかの原因で血管の中に溜まった水分が、血管の外に漏れ出てしまうのです。水分が溜まる理由としては、塩分の摂りすぎや冷えなどが挙げられます。
他にも、栄養不足やストレス、中には病気が原因の可能性もあるため、注意が必要でしょう。
塩分(ナトリウム)を摂りすぎると、むくみの原因に。塩分をたくさん摂ると体液の塩分濃度が高まるため、体液を薄めようとして水分を溜め込んでしまいます。結果、血管外に水分があふれてしまい、むくみを作ってしまうのです。増えた水分を外に出したいため、利尿作用が期待できる飲み物を取り入れるとよいでしょう。
運動不足によって血液の循環が滞りやすくなると、むくみを起こしやすい状況を作ります。
また、運動不足により筋肉量が少ない場合も要注意。とくにふくらはぎの筋肉には「筋ポンプ作用」といわれる役割があります。血液を心臓に押し戻す働きがあり、ふくらはぎの筋肉が少ないと、足に水分が溜めこんでしまうのです。
また、座りっぱなしや立ちっぱなしの同じ姿勢が続くのも、ふくらはぎの筋肉を使わないため、むくみの原因となります。
体が冷えてしまうと血の巡りが悪くなり、水分を溜め込んでしまいます。さらに、むくみがあると冷えにつながるため、悪循環を招きかねません。
しっかり体を温め、適度な運動や規則正しい生活を心がけるようにしましょう。
女性は、ホルモン分泌の変化により、むくみが起きる場合も。たとえば、月経前に増加するホルモンであるプロゲステロンは、水分を溜め込む性質があります。 また、更年期には女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減るため、ホルモンバランスが乱れ、むくみにつながってしまうのです。
むくみをケアしたいなら、原因にあわせた対策が必要です。おすすめの栄養素を紹介しますので、日常にうまく摂り入れてみましょう。
体内の水分量のバランスは、ナトリウム(塩分)とカリウムによってコントロールされています。塩分を摂りすぎてしまうと、ナトリウムとカリウムのバランスが崩れて、むくみにつながってしまうのです。塩分多めの食生活の場合は、塩分を控えるようにし、カリウムを取り入れてみましょう。
コーヒーやお茶に含まれるカフェインは、利尿作用が期待できます。溜まってしまった水分はむくみにつながるため、外に出すのが大切です。水分が溜まっていると感じたら、取り入れてみるとよいでしょう。
飲み物やお茶は、あくまで「補助的」ではありますが、むくみケアには大切です。対策に役立つ飲み物を紹介します。
トマトジュースは100gあたり260mgのカリウムを含みます。手軽にカリウムを取り入れたい時に、ぴったりな飲み物です。
冷えが気になるときは、マグカップに移して電子レンジで温めて飲むのもよいでしょう。スープや煮物といった、料理に活用するのもおすすめです。
コーヒーは、紅茶や緑茶といったお茶に比べ、カフェインを多く含みます。飲みすぎは注意ですが、カフェインを効率的に摂りたいときによいでしょう。
茶葉から作られるお茶は、カフェインを含みます。玉露といった、カリウムを含むお茶を選べば、よりむくみケアが期待できます。紅茶・緑茶・ほうじ茶・烏龍茶といった、日常に取り入れやすいアイテムを選びましょう。
とうもろこし茶(コーン茶)・ドクダミ茶・杜仲茶(トチュウチャ)・あずき茶・ルイボスティーは、ノンカフェインのお茶です。むくみケアには、水分補給も大切。カフェインは摂りたくないけど、水以外の水分を摂りたい方におすすめです。
参照:「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」/文部科学省むくみケアに役立つ飲み物の中で、コンビニで手軽に手に入りやすいドリンクをまとめて紹介します。
カフェインを含む場合は、飲みすぎに注意が必要です。味や飲みやすさなど、好みにあわせて取り入れやすいアイテムを選んでみましょう。
反対に、むくみ対策に避けたい飲み物がいくつかあります。摂りすぎている方は、減らすようにしましょう。
冷たい飲み物をたくさん取ってしまうと、体を冷やしてしまいます。むくみケアには冷えへの対策も欠かせないため、可能なかぎり常温や温かい飲み物を摂るようにしましょう。
お酒の飲みすぎもむくみの原因を作ります。お酒をたくさん飲むと、体に水分を溜め込んでしまったり、味の濃いおつまみが欲しくなるため、塩分を摂りすぎてしまう恐れも。
適量飲酒を心がけるとともに、むくみたくない前日はお酒を避けるようにしましょう。
小腹が空いたときや仕事の合間には、コーンスープやインスタント味噌汁といった、塩分を含む飲み物を摂ってしまいがちです。注意しないと塩分の摂りすぎにつながり、むくみの原因を作ってしまいます。
たとえばコーンスープ1杯では、塩分量が1.0~2.0gほどです。1日の塩分摂取量の目標が「成人男性7.5g未満・成人女性6.5g未満」のため、1杯でかなりの量を摂ってしまう計算となります。塩分を含むドリンクを、水分補給の飲み物として摂らないように注意しましょう。
妊娠中は血液量が増加したり、血液の流れが滞りやすくなったりするため、むくみが気になる方も多いのではないでしょうか。妊娠中にむくみケアとして飲み物を取り入れる際は、下記の点に気をつけましょう。
妊娠中の飲み物は、ノンカフェインの麦茶やとうもろこし茶などを選ぶと安心でしょう。
水分が溜まるとむくみにつながりますが、しっかり水分を取って血流をよくするのも大切です。また、ストレスを抱えないよう、バランスのよい食事・規則正しい生活・適度な運動といった基本は取り入れて、根本からむくみを対策しましょう。
飲み物を補助的に活用しながら、すっきりとした毎日を目指してください。
なかなかむくみがケアされない場合や、気になる症状があるときは、病気が隠れている恐れがあるため、医療機関を受診するようにしましょう。
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