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【管理栄養士執筆】美髪は食べ物から。おすすめ栄養素の効率的な摂り方は?避けたい食生活や生活習慣も紹介

へアケアHAIRCARE
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2024/04/17

美しい髪を育むには、ヘアケアに加えて、髪の健康を後押しする栄養素が含まれた食べ物を積極的に摂るのも重要です。最近、抜け毛や白髪・ツヤのなさを気にしている方は、食事を見つめ直してみましょう。
また、食べ物や栄養素に気をつけていても、誤った食生活や生活習慣を改めなければ、効果は半減してしまいます。管理栄養士の目線で、おすすめの栄養素を効率的に摂る方法もお伝えしていくので、ぜひ参考にしてみてください。

 

毛髪が育つ「仕組み」と「抜け毛」について

「毛髪」とは頭の地肌から出ている部分を指し、地肌の中にある部分は「毛根」と呼ばれます。「毛髪」の正体は、毛根の一番奥にある「毛母細胞(毛髪の元)」が「毛乳頭」の指示により分裂・増殖し、さらに分化・角化したものです。
毛髪が育つには、毛髪の成長に必要な栄養素が、毛根に供給される必要があります。
毛根から生えた毛髪は約4~6年のヘアサイクルで抜け落ちるのが一般的です。毛髪1本1本のヘアサイクルはそれぞれ異なるため、毎日50~100本ほどの抜け毛が発生します。
細く短い抜け毛がある場合は、本来の成長期を全うする前に抜けているため、薄毛になる可能性が高いです。

 

美髪は、食べ物で栄養を摂取するだけでは不十分!血液循環も大事

元となる栄養がなくては毛髪を合成できないため、栄養摂取は大切です。しかし、十分に栄養素を摂取したとしても、毛根に栄養素が届かなければ毛髪は育ちません。そのため、栄養素を運ぶ血液の流れが悪ければ、健康的な毛髪は合成されないのです。

 

美髪のために見直すべき「食生活」と「生活習慣」とは?

食生活や生活習慣は、毛髪の健康に直結します。ツヤや白髪・毛量を気にしている方は、食事や生活の見直しをしてみましょう。

美髪のために見直すべき4つの「食生活」

以下の食事は、毛髪の健康を害する原因になります。健やかな毛髪のために少しずつ改善していきましょう。

過度な食事制限

ダイエットで食事を過度に少なくしている場合は、毛髪をつくるための栄養素が不十分になり、薄毛や抜け毛の原因になります。また、「血液」をつくる栄養素も足りなくなり血行不良を招くため、過度な食事制限は厳禁です。適切な栄養補給をしましょう。

脂っこい食事

お肉や揚げ物といった脂っこい食事は、皮脂の過剰分泌を招きやすく、頭皮がベタつく原因になります。また、脂質の摂り過ぎは血液中の悪玉(LDL)コレステロールを増やしてドロドロにするため、血液の流れを悪化させるのです。
すると、毛根に栄養が行き届かなくなり毛髪の成長に悪影響を与えるため、脂っこい食事は控えましょう。とくに注意したいのは、お肉の脂(飽和脂肪酸)です。
一方で、オリーブオイルや魚に含まれる油(不飽和脂肪酸)は、血液中の悪玉(LDL)コレステロールを減らす働きがあるため、積極的に摂りましょう。

糖分の多い食事

糖分の多い食事は、高血糖を招き血液中の中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールを増やしてドロドロにします。血液の流れを悪化させて、毛根に栄養が行き届かなくなるため、毛髪の成長を阻害するのです。
甘い清涼飲料水やまんじゅう・アイスクリームといったデザートを控えたり、糖質オフの食べ物を選びましょう。

お酒の飲み過ぎ

適度なお酒は気分転換に有効ですが、飲み過ぎは毛髪に悪影響を与えます。お酒に含まれるアルコールは身体には有害物質です。無毒化するために多くの栄養素が消費・排出されたり、栄養素の吸収が阻害されたりして栄養不足を招きます。
すると、十分な栄養素を毛根に供給できなくなり毛髪の成長を妨げてしまうのです。毛髪の健康のためにも、お酒は適量を守りましょう。

美髪のために見直すべき4つの「生活習慣」

以下の生活習慣は、毛髪の健康を害する原因になります。健やかな毛髪のために少しずつ改善していきましょう。

いつも気を張りつめている(ストレスフル)

いつも気を張りつめていては、神経の緊張状態が続きストレスが蓄積してしまいます。ストレスは薄毛の一因であるため、健やかな毛髪のためにはストレス発散が有効です。
休日には、趣味を楽しんだり、時には気を緩めてダラダラと過ごすのもよいでしょう。自分の身体に耳を傾けて、上手にストレスを発散しましょう。

運動不足

運動不足は血行不良を招き、毛根への栄養供給を妨げます。健康な毛髪を育むには、運動により血行をよくするのが効果的です。
血行を促すには、激しい運動よりもストレッチやヨガ・ウォーキングといったゆるやかな有酸素運動が向いています。自分の生活スタイルに合わせて習慣的に運動しましょう。

寝不足

寝不足は、毛髪の成長を妨げるため厳禁です。健康的な毛髪を育むには、質のよい睡眠が欠かせません。深い眠りにつくと成長ホルモンの分泌が盛んになります。
布団に横になるだけでも血液が循環しやすくなるため、なるべく早寝を心がけましょう。頭皮の血行を促すには、寝る前に頭のマッサージを行うのも効果的です。

間違ったヘアケア

ヘアケアの仕方を誤ると、薄毛や抜け毛の原因になるので要注意です。
例えば、乾燥肌の方が毎日シャンプーをすると必要な皮脂まで取り除かれて、さらなる乾燥を招きます。
また、シャンプーだけで済ませるのもおすすめできません。シャンプーのみで済ませると静電気を帯びやすく、ホコリを引き寄せたり、ペタッとなる原因になります。トリートメントやコンディショナーを必ず使用しましょう。
さらに、「熱で髪を傷めるから」と洗髪後に自然乾燥をするのは、頭皮にはよくありません。頭皮を濡れたままにすると常在菌が増殖して、皮脂の過剰分泌を招くリスクがあります。洗髪後は、タオルドライをして、地肌からしっかりとドライヤーで乾かしましょう。
毛髪は、一度傷めてしまうと自然に元に戻らないため、普段から髪を傷めないようケアしていく必要があります。とくに毛先が傷みやすいので、丁寧なケアをしましょう。

 

美髪のために摂りたい栄養素と食べ物

美髪は食べ物から。

美しく健康的な毛髪のために欠かせない栄養素を3つご紹介します。栄養素を多く含む食べ物も紹介するので、ツヤや白髪・毛量を気にしている方は、積極的に食事に取り入れてみてください。

タンパク質

タンパク質は、毛髪の主成分です。不足すると毛髪が成長しないため、しっかり補給しましょう。動物性食品は高脂質な食品が多いので、植物性食品からも摂取するのが理想的です。

<タンパク質が豊富な食べ物>

削り節(カツオ・鮭・サバ)・シラス干し・大豆製品(乾燥おから・きな粉)・鶏肉(ササミ・むね肉)など

ビタミンB6

ビタミンB6は、摂取したタンパク質を効率的に体内で利用するために必要な栄養素です。食事で摂取したタンパク質は、いったん小さく分解されてアミノ酸の形になり、毛髪や身体組織の形成に必要なタンパク質に再合成されて使われます。
ビタミンB6は、アミノ酸への分解と再合成の両方の過程で働くので、美髪をつくるうえで欠かせません。

<ビタミンB6が豊富な食べ物>

にんにく・マグロ・ドライトマト・豚ヒレ肉・カツオ・ごま・焼きのり など

鉄分

毛髪に栄養素を届けるには、栄養素を運ぶ血液をしっかりと毛根まで届ける必要があります。しかし、血液の原料となる鉄分が不足しては、血行不良を招き毛根に栄養を届けられないため毛髪が育ちません。
月経のある女性は、とくに鉄分が不足しやすいので、意識的に補給しましょう。

<鉄分が豊富な食べ物>

青のり・ひじき(乾燥)・あさりの水煮・ピュアココアパウダー・レバー(豚・牛・鶏) など

 

美髪におすすめの栄養素の効率的な摂り方とは?

毛根へ効率的に栄養を届けるには、栄養素の種類だけでなく食べ方も重要です。おすすめの食べ方をご紹介します。

タンパク質源は、消化酵素の多い食べ物と合わせる

毛髪のためにタンパク質を摂取しても、体内で消化・吸収されなければ意味はありません。タンパク質の消化を促すには、タンパク質を分解する酵素が多い食べ物を組み合わせて摂るのがおすすめです。
タンパク質分解酵素は、パイナップル・グリーンキウイ・イチジク・マイタケ・麹・生姜に多く含まれています。
パイナップル入りの酢豚・麹漬けのお肉や魚・生姜焼き・デザートとして、グリーンキウイを組み合わせるのも有効です。

「鉄分×ビタミンC」の組み合わせを意識する

身体への吸収率が低い鉄分は、吸収をサポートするビタミンCを組み合わせるのがおすすめです。例えば、鉄分の多い食事にレモンを付け合わせに添えるとよいでしょう。
また、植物性食品よりも動物性食品のほうが鉄分の吸収率に優れているので、鉄分不足を感じている場合は、動物性食品を積極的に摂るとよいでしょう。

よく噛んで食べる

毛髪のために栄養バランスを考えた食事を摂取しても、体内で消化・吸収されなければ努力が水の泡になります。
消化を促すには、よく噛んで物理的に消化しやすい状態にするのも大切です。また、よく噛むと唾液が分泌されて消化をサポートするメリットもあります。
早食いのクセがある人は、「食べ物が口の中にあるときは水分を摂らない」「一口食べたら、箸を置く」「食べ物の形がなくなるまで噛む」「作業をしながら食べない」といった点を心がけてみましょう。

 
美髪は「食事」「生活習慣」「適切なヘアケア」から

適度な毛量とツヤがある美髪を手に入れるには、「食事」「生活習慣」「適切なヘアケア」が大切です。食事面では、おすすめの栄養素をしっかりと毛根まで届けるために、食べ方にも気をつけていくとよいでしょう。
しかし、いっぺんに毛髪によい習慣をすべて取り入れようとすると、ストレスとなり長続きしません。美髪のためには、よい習慣を継続していくことが大切なので、無理なくできることから始めていきましょう。

  • 高村 恵美

    管理栄養士ライター高村恵美

    12年間管理栄養士として病院などに勤務。家族にいつでも"おかえり"が言えるようライターへ転身後は、忙しいひと・働くひとに寄り添うレシピの提供や、健康コラムを数多く執筆。
    自分も同じ立場だからこそ「仕事と家庭の両立に悩む女性を応援したい」気持ちが高まり、悩めるママに向けたコラム執筆も行っている。