美容×健康ライター中村里歩
元美容師で「超」がつく美容・健康マニア。試した美容法・健康法は数知れず…。経験を活かし、美意識の高い女性や、健康に悩む男性に寄り添う記事を執筆するべく活動中。
モットーは「明るく前向きに」「日進月歩」。AIに負けない、読者への愛がたくさん詰まった記事を執筆するため日々勉強中。
髪のボリュームが減ったように感じるのは、抜け毛が増えたり、髪質の変化によってハリやコシがなくなったりするためです。加齢のせいだと思いがちですが、いつものヘアケアや食生活・ストレスが関係しているのかもしれません。
髪のボリュームを取り戻したいなら、まずは原因を知り生活習慣から見直してみましょう。そのうえで、育毛剤・発毛剤・ボリュームアップシャンプーを使用してみてくださいね。
髪のボリュームが減ったように感じるのは、単純に「抜け毛が増えたから」だけが理由ではありません。髪質の変化によって、ハリやコシがなくなったり、栄養が不足して髪が細くなったりするためです。
なぜこのような変化が起きてしまうのか、詳しく原因を見ていきましょう。
髪のボリュームが減ってしまう大きな原因として挙げられるのは、加齢です。加齢による頭皮・髪質の変化には、男女差があります。
たとえば、女性に大きな影響を与えるのは「女性ホルモン」です。女性ホルモンは、髪の健康を維持し、ハリやコシのある髪をつくる働きがあります。しかし、年齢とともに分泌量が減少。太い髪が育ちにくくなり、細くやわらかい髪へと変化するのです。
一方、男性の場合は、20代と比べてもほとんど男性ホルモンの量に変化はありません。ところが、加齢によって毛細血管が細くなると、頭皮に栄養がうまく運ばれず、髪が細くなったり成長スピードが遅くなったりします。髪質には変化が見られず、髪の量も減っていないにもかかわらず、皮脂の分泌量は多いまま。すると、髪がべたつきやすく、ペタッとしてしまうのです。
紫外線やカラーリング・パーマといった外的刺激による頭皮へのダメージも、髪の成長を妨げる原因の一つです。
たとえば、頭皮が紫外線を浴び続けると、乾燥してうまく栄養が運ばれません。また、乾燥が進むとかえって皮脂が分泌されるため、頭皮トラブルにつながります。
同様に、カラーリングやパーマを繰り返しおこなうと、頭皮の乾燥や毛穴のつまりを招く可能性が高まるでしょう。
いつものヘアケアが、頭皮に負担をかけている可能性があります。たとえば、以下の方法でヘアケアをしていませんか?
洗浄力が強すぎたり、肌に合わなかったりするシャンプーを使用すると、乾燥やかゆみ・赤みなどの頭皮トラブルを生じる場合があります。また、トリートメントを根元につけすぎると、油分が頭皮について皮脂バランスが崩れる可能性も。
よかれと思っておこなっているケアが、頭皮環境を悪化させているかもしれません。
偏った食事や栄養不足、睡眠不足などの生活習慣の乱れにより、ヘアサイクルが短期化してしまうケースがあります。十分な栄養が頭皮に行き届かなかったり、髪を成長させるための成長ホルモンが十分に分泌されなかったりするためです。
ヘアサイクルが短くなると、髪が十分に成長する前に抜けてしまいます。すると、髪のハリやコシがなくなり、ボリュームが減少してしまうのです。
ストレスが溜まると、髪の成長期が短くなるといわれています。「コルチゾール」とよばれるホルモンの働きの影響です。コルチゾールは、もともと抗ストレス作用や抗炎症作用のある優秀なホルモンですが、ストレスを抱え込むと過剰に分泌されて、体に悪影響を与えるようになります。成長期が短くなると、髪は十分に成長できないので、太さや硬さを失い、ボリュームがなくなってしまいます。
通常、髪は1日で100本ほど抜けるといわれています。春や秋、季節の変わり目によっては200本以上抜ける場合もあるため、抜け毛が多少多くても心配する必要はありません。
しかし、髪全体のボリュームが減ってきたり、局所的な抜け毛が目立ったりする場合は、脱毛症により毛量が減少している可能性があります。
髪のボリュームが減っているときに考えられる脱毛症は、以下の通りです。
抜け毛に異常を感じたときや不安な方は、皮膚科、もしくは脱毛治療専門のクリニックを受診すると安心です。
少し時間はかかるかもしれませんが、生活環境を見直せば髪の健康は取り戻せます。まずは、日常生活で意識したいポイントを見てみましょう。
髪の成長に欠かせない栄養素といえば、タンパク質やミネラル(亜鉛)、ビタミン(B群やC)が代表的です。具体的には、以下の食材が挙げられます。
ただし、肉やカキ・大豆製品ばかりを食べていればよいのかといえば、そうではありません。摂取した栄養は、すぐに頭部へ運ばれるわけではなく、生きるために必要な器官から優先的に運ばれるため、頭皮や髪へは行き届きにくいのです。
髪にしっかり栄養を届けるには、身体に必要な栄養素をしっかりと補っている状態をベースにして、プラスでタンパク質やミネラル・ビタミンを積極的に摂取するよう意識しましょう。
健やかな髪を育てるために、睡眠を意識しましょう。とはいえ、毎日22時にお布団とはいきませんよね。早く寝るのが難しい方は、睡眠の質にこだわってみてください。
成長ホルモンは、入眠後3時間までに多く分泌されるとわかってきています。そのため、せめて最初の3時間はぐっすり眠れるように意識するのが大切です。
「スマホを見ない」「夜食は食べない」「運動をする」といった、さまざまな睡眠の質を高める方法がありますが、実行するのはなかなか難しい方もいるでしょう。難易度が高い場合は、寝具を変えたり寝室の湿度や温度にこだわったりして、身の回りの環境を整えるところから始めてみてはいかがでしょうか。
ストレスとの上手な付き合い方を見つけましょう。生活していれば何かしらのストレスがつきまとうものなので、大事なのは、ストレスを感じたときにどう対処するかです。
「長時間お風呂に入る」「ひたすら寝る」「散歩する」など、自分のなかでのストレスとの付き合い方を考えましょう。
生活環境と一緒に見直したいのが、ヘアケアです。髪のボリュームアップのために何ができるか、考えてみましょう。
髪の成長や発毛を促すために、育毛剤や発毛剤を使うのは、検討してみる価値があります。育毛剤は髪の成長をサポートし、発毛剤は髪を生やしたり成長を促したりする効果があります。
育毛剤はドラッグストアで購入できますが、発毛剤はクリニックで処方してもらうか、薬剤師のいる薬局でしか購入できないので、注意しましょう。
髪にハリやコシを与える「ボリュームアップタイプ」のシャンプーを選ぶのもよいでしょう。根元からふんわりと立ち上がるため、ボリュームのあるヘアスタイリングに近づけてくれます。
ボリュームアップタイプのシャンプーには、おもに以下の成分が配合されています。
また、よりふんわり仕上げるなら、シリコンなしのシャンプーを選ぶのも一つの手です。とはいえ、シャンプーに髪を育てる効果はないため、育毛剤・発毛剤との併用や、生活習慣を見直しながら使用しましょう。
頭皮の負担を減らすために、刺激になりやすい「合成香料」「合成着色料」「アルコール系」「防腐剤」などの成分は、なるべく避けましょう。
また、ボリュームが減っているときは、重めのトリートメントやヘアオイルを使用するのも避けた方が無難です。トリートメントは、ノンシリコンタイプで油分よりも水分の配合量が多いものを、ヘアオイルであれば、ミルクタイプかサラッとした質感のオイルを選びましょう。
スタイリングを工夫すると、ふんわりと仕上がります。ドライヤーをあてるときは、必ず根元から立ち上げるようにして、印象を左右するトップの部分は、毛流れと逆方向にドライヤーをあてるつもりで乾かします。
上級テクニックとして、ロールブラシを使用する方法も紹介しましょう。ボリュームを出したいトップの髪を一束もったら、毛流れと反対方向へ引っ張ります。髪の裏側にブラシをかけたら、ドライヤーの熱をあてながら毛流れの方向に引っ張りましょう。ドライヤーの熱が冷めるまで、3秒ほど待ってからブラシを外すのがポイントです。
スプレーで固めてしまうと、落とすときに髪と頭皮に負担がかかるため、ミストタイプのスタイリング剤を使うのがおすすめです。
髪のボリュームをすぐに出したい方は、ヘアスタイルを変えてボリュームを出すのも一つの手段です。美容院で、「髪のボリュームが減っている」と悩みを伝えてみましょう。悩みをカバーできる髪型を提案してくれるはずです。
具体的には、ショートカットにしたり、レイヤーを入れて立体感のある仕上がりにしたりする方法があります。パーマをかけるとふんわりとした動きのある髪型に仕上がりますが、ダメージには十分注意しましょう。自宅で理想のスタイリングができるように、簡単に整えられるスタイルにしてもらうのもよいですね。
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