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【医師監修】自律神経の交感神経と副交感神経は相対的な働きがある!健康維持でバランスを整えるために

2024/08/16

自律神経には交感神経と副交感神経の二つがあり、バランスを保ちながら私たちの健康を支えています。簡単に言えば、活動しているときに優位になるのは交感神経、リラックスするときに優位になるのは副交感神経です。
生活習慣の乱れやストレスなど、自律神経バランスが乱れる原因は人によってさまざま。交感神経と副交感神経がからだにどういった作用をしているのか、改めて確認してみると、改善したいポイントがみえてきます。日常生活でできるセルフケアを今日から一つでもとり入れて、整った毎日を送りましょう。

 

自律神経とは?神経にはどんな種類があるの

普段よく耳にする自律神経。そもそも神経には、どんな種類や役割があるのでしょうか。まずは下記の表を見ていきましょう。

<神経の種類>

中枢(ちゅうすう)神経と末梢(まっしょう)神経

私たちのからだの神経は、大きく分けると「中枢神経」と「末梢神経」の二つで構成されています。中枢神経は、脳と脊髄からできており、末梢神経から伝達された情報を判断し、指令を出す神経。末梢神経は、中枢神経とからだ全体をつなぎ、情報の伝達をおこなう神経です。また、末梢神経は「運動神経」と「自律神経」と「知覚神経」に分かれ、体内に張りめぐらされているネットワークで常に情報の受け渡しをしながら、生命活動をサポートしています。

運動神経と自律神経

末梢神経のうち運動神経は、脳からの指令を受けてからだを動かします。一方、自律神経は呼吸や血液循環・消化などに関わり、無意識にはたらく神経です。二つは意思により動かせるかどうかの違いがあります。

交感神経と副交感神経

自律神経は交感神経と副交感神経に分けられ、交感神経は活動・緊張させるはたらきがあり、副交感神経は休息・リラックスさせるはたらきがあります。
また、私たちには、どちらか一方の神経だけがはたらく臓器と、二つの神経が協力しながらはたらく臓器があるのです。

 

交感神経と副交感神経の違いと覚え方

交感神経と副交感神経は、相対するはたらきがあります。それぞれ見ていきましょう。

交感神経と副交感神経は、どちらかを覚えておけば、もう一方のはたらきも理解できるでしょう。
たとえば、会議でプレゼンテーションをする場面をイメージしてみてください。緊張で心臓がドキドキし、汗が出たり、口が渇いたりしますよね。緊張が高まる場面では、交感神経が優位になります。では、会社から帰って緊張がほぐれると、どうでしょう。心もからだもリラックスして、心拍数や呼吸が落ち着きます。リラックスしているときは、副交感神経が優位になるのです。

 

「自律神経バランスが乱れた状態」とはどういう状態?

よく聞く「自律神経バランスが乱れた状態」とは、どういった状態を指すのでしょうか。原因や症状についても解説します。

交感神経と副交感神経のバランスが悪い

自律神経は、活動するときに優位になる交感神経と、休息・リラックスしているときに優位になる副交感神経が、状況に合わせてはたらきます。しかし、不規則な生活が続いたりストレスをためこんだりすると、二つの神経のバランスが乱れてからだに不調をもたらすのです。
また、二つの神経の活動性は、1日の中で理想的なリズムがあります。交感神経は、日中活動するときに優位になり、夜間にかけてはたらきが低下。副交感神経は、日中は休んでいますが、夜間にかけてはたらきます。生活リズムの乱れは、交感神経と副交感神経のバランスを乱す原因となり、さらなる生活リズムの乱れを引き起こす場合があるのです。

自律神経が乱れる原因

自律神経が乱れる原因は、おもに生活習慣の乱れ・心とからだのストレス・病気による影響があります。一つずつ見ていきましょう。

生活習慣の乱れ

生活習慣や生活リズムの乱れは、自律神経に影響を及ぼし、血流を悪くします。パソコンやスマートフォン、近年は生成AIの登場で便利な世の中になりました。便利になった反面、昼夜問わず活動できるようになり、今まで以上に生活習慣が乱れやすい状況といえます。不調を感じる場合、まずは生活習慣・生活リズムを見直しましょう。

心とからだのストレス

心とからだにストレスがかかると、交感神経が優位になります。交感神経が優位な状態が続くと、副交感神経のはたらきが低下し、活動と休息のスイッチをうまく切り替えられなくなり、不調があらわれるのです。
疲労や睡眠不足、ホルモンバランスの乱れ、気象の変動も原因となります。ストレスはためすぎず、解消を心がけましょう。

病気による影響

病気により自律神経が乱れるケースもあります。女性ホルモン・甲状腺ホルモンが乱れる病気や、脳神経系の病気などです。規則正しい生活を送り、ストレス解消を心がけても改善しない場合は、病院の受診をおすすめします。

自律神経が乱れるとあらわれる症状

自律神経の乱れであらわれる症状は、実にさまざまです。

  • ・ 疲労、だるさ
  • ・ しびれやむくみ
  • ・ 頭痛
  • ・ めまい
  • ・ 食欲不振
  • ・ 便秘や下痢
  • ・ 肩こりや腰痛
  • ・ イライラや不安感
  • ・ 不眠

他にも、複数の症状が重なったり、日によって違う症状があらわれたりする場合があります。

 

自律神経を整えるセルフケア

自律神経を整えるセルフケアの方法を、1日の流れに沿って紹介します。

朝のセルフケア

朝は、副交感神経から交感神経にスイッチが切り替わるタイミングです。毎日一定の時間に起床し、食事をとりましょう。

起きたら朝日を浴びる

朝起きたら、1時間以内に太陽の光を浴びるようにしてください。副交感神経から交感神経への切り替えをスムーズにするためです。太陽の光は、体内時計のリセットにも重要なはたらきがあります。
体内時計とは、生物に備わった周期のリズムです。人間の体内時計は24時間よりも少し長いため、太陽の光を浴びて毎日リセットする必要があります。毎朝規則正しい時間に起きて朝日を浴びると、睡眠の質が向上し、朝スッキリ目覚められるようになるでしょう。

朝食をとる

朝食は欠かさずとりましょう。副交感神経から交感神経へ切り替えがスムーズになって、日中活動的に動けるようになります。

昼のセルフケア

自律神経バランスを整えるには、血流をよくするケアをとり入れましょう。

ウォーキングや軽い運動をおこなう

運動をすると交感神経が優位になり、血管が収縮します。運動後筋肉が緩むと、血管が拡張して血流がよくなり、交感神経と副交感神経のバランスを保ちやすくなります。運動後の爽快感は、心とからだによい影響を与え、ストレス解消にも効果的です。

食事はできるだけ同じ時間に食べる

食事は、できるだけ同じ時間に食べるようにしてください。ご飯やパンといった主食、肉や魚・卵などのタンパク質、野菜やきのこなど副菜をバランスよく食べましょう。
下記の食品は、ストレス対策に役立つ栄養素です。全体のバランスを見ながら、食事にとり入れてください。

  • ・ パントテン酸:牛レバー・豚レバー・鶏レバー・うなぎ・納豆
  • ・ ビタミンC:ピーマン・ブロッコリー・いちご
  • ・ トリプトファン:牛乳・チーズ
  • ・ カルシウム:小魚・大豆

ストレスを感じたら深呼吸をおこなう

深呼吸をすると副交感神経の活動が高まり、リラックスできます。吸うと吐くを「1:2」の割合でおこなうのがポイントです。寝る前や仕事の後などにおこなってみましょう。

  • ・ 呼吸を吐ききり、鼻から3秒かけて息を吸う
  • ・ 口から6秒かけてゆっくり息を吐く

夜のセルフケア

夜は副交感神経が優位になるケアがおすすめです。

入浴やサウナでからだをあたためる

入浴やサウナでからだをあたためましょう。血管が拡張し、血流がよくなります。入浴後のクールダウンで副交感神経が優位になり、心身はリラックスします。お風呂は38~40℃のお湯に20分程度入るようにしてください。サウナは10分程度を目安にするとよいでしょう。前後に水分を十分に補給し、無理しすぎないのが大事です。
ただし、就寝直前の入浴は交感神経が優位になったまま眠りにつくようになるためスムーズな入眠が困難になる場合があります。入浴やサウナは就寝の1~2時間ほど前までに済ませるようにしましょう。

寝る前はパソコンやスマートフォンを見ない

パソコンやスマートフォンのブルーライトは、交感神経を優位にします。寝る1~2時間前には、スイッチをオフにしましょう。

ストレッチやアロマなどを習慣化する

ストレッチやアロマも自律神経を整えるのにおすすめです。気持ちがよい程度の強さでおこなうと、副交感神経のはたらきを高め、リラックスにつながります。心地よいと感じる香りを選ぶのが大事です。

 
自律神経は交感神経と副交感神経のバランスが大事

交感神経と副交感神経は、「闘争か逃走」をイメージすると覚えやすいといわれています。人間は危機的な状況になると、身を守るために交感神経のはたらきが強まり、逆にリラックスした状態では副交感神経のはたらきが強まります。二つの神経が丁度よくはたらいていれば、「自律神経バランスが整っている」といえるでしょう。

人間は、生きている限り何かしらのストレスや悩みを抱えます。規則正しい生活でからだを整え、自分なりに対処するのが大事です。緊張とリラックスをうまくコントロールしていきましょう。

 
監修医師からのアドバイス

私たちの身体のさまざまな機能は、交感神経と副交感神経から成る自律神経のバランスによって整えられています。
しかし、自律神経は今回ご紹介したように些細な原因でバランスが乱れやすく体調不良を引き起こす場合があるため注意が必要です。

自律神経バランスが乱れる主な原因はストレス、生活習慣の乱れ、身体的・精神的な病気のほか、生まれながらの生活も関係しています。
次のような性格の方は自律神経バランスが乱れやすいと考えられています。
・真面目で責任感が強い
・内向的
・繊細で物事を気にしやすい
・常にセカセカと動くクセがある
・心配性
・日頃の対人関係にストレスを感じやすい
思い当たる面がある方は、特に日頃から自律神経バランスを整える生活習慣を心がけましょう。

  • 成田

    監修医師成田 亜希子

    2011年医師免許取得。初期臨床研修を経て総合診療医として幅広い分野の治療に携わる。
    臨床医として勤務しながら、行政機関での勤務経験もあり地域の健康課題にアプローチした健康寿命延伸、感染症対策などの医療行政にも携わってきた。 国立保健医療科学院、結核研究所での研鑽も積む。 現在、医療法人ウェルパートナー主任医師。