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自律神経を落ち着かせる飲み物と摂りたい栄養素6つ。コンビニでもすぐ買える食材を管理栄養士が紹介

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2024/06/26

イライラしやすかったり、頭痛・不眠といった不調が続いたり…。不安定な自律神経が、飲み物で落ち着かせられると、毎日に取り入れやすく心強いですよね。 含まれていると理想的な栄養素や、避けたい飲料の特徴を知り、健康管理に役立てましょう。管理栄養士おすすめの、コンビニで買える4つの飲料も紹介します。コーヒーや緑茶といったカフェイン入り飲料は、飲み方やタイミングに注意が必要です。自分に合ったお気に入りの飲み物を見つけましょう。

 

自律神経を落ち着かせるためには、水分補給が欠かせない

私たちの身体は、水分が不足すると血流が悪くなり、脳への酸素や栄養の供給をスムーズに行えなくなります。脳へのエネルギー供給を安定化させるには、血圧や心拍数を上昇させなければならず、そのために自律神経が活性化するのです。つまり、自律神経を落ち着かせるには、水分補給が欠かせません。 また、飲み物を楽しむ時間は、マインドフルネスにもつながります。お茶を飲むと心がホッと落ち着くのは、リラックスして気分が和むためです。 脳は、過去の後悔や未来の不安について思考していると、ストレスを感じます。ゆったりと飲み物を飲んで、「今」を感じる行為は、脳のストレスを軽減する効果があるのです。

 

自律神経を落ち着かせるために飲み物に含まれていると理想的な栄養素

自律神経を落ち着かせるために積極的に摂りたい栄養とは?自律神経をサポートする栄養素を紹介します。

カルシウム

カルシウムは、神経系の働きの調整やホルモンの分泌、情緒の安定に深く関わります。 日本人は不足がちなので、積極的に摂りたい栄養素です。

ビタミンB群

ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12といったビタミンB群は、互いに協力し合って働き、エネルギーの代謝に関わります。

GABA(ギャバ)

GABAは、「だるい」「イライラ」「眠れない」といった自律神経のバランスの乱れを整える働きがあります。

トリプトファン

アミノ酸の一種であるトリプトファンは、自律神経を落ち着かせるのをサポートします。自律神経のバランスと睡眠は密接な関係があり、夜ぐっすり眠るためにはメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が欠かせません。メラトニンの分泌に必要なセロトニン(幸せホルモン)を作るためには、トリプトファンが必要なのです。

テアニン

テアニンは、お茶の旨み成分の一つで、ストレス軽減・睡眠・リラックス作用・自律神経のバランスを整える働きがあります。

アルギニン

アルギニンは、アミノ酸の一種で、身体に元気がないときにエネルギーの合成や貯蔵を促します。

 

自律神経を落ち着かせる飲み物の特徴

自律神経を落ち着かせたいときは、次の2点を意識して飲み物を選びましょう。

温かい飲み物

温かい飲み物で身体の内側から温めると、血管が拡張して血流がよくなり、脳へのエネルギー供給がスムーズに行われます。 自律神経は体温調節に関与しているため、自律神経を落ち着かせるには、温かい飲み物が役立つのです。

ノンカフェイン

カフェインには、興奮作用・覚醒作用があり、自律神経を活性化する働きがあります。自律神経を落ち着かせたいときは、ノンカフェインの飲み物を選びましょう。

 

自律神経を落ち着かせたいときにコンビニですぐ買えるおすすめの飲み物

何かと忙しい人でも手軽にコンビニで買える、飲み物を4つ紹介します。

ハーブティー

香りがよいハーブティーは、心をリラックスさせて自律神経を落ち着かせる働きが期待できます。寝る前に飲むと、良眠をサポートしてくれるでしょう。

野菜ジュース

野菜ジュースの種類によりますが、一般的な野菜ジュース100ml中には56㎎のGABAが含まれています。1日に26.4~70㎎のGABAを摂取すると、精神を安定させる働きが期待できるとされているのです。コンビニで販売されている野菜ジュースは200mlの商品が多いので、1本飲めば十分にGABAを補給できるでしょう。

参照:「ギャバ(GABA)の効能と有効摂取量に関する文献的考察」/美味技術研究会誌 No.15:32-37,2010

豆乳

豆乳の原料である大豆には、自律神経を落ち着かせる働きがあるトリプトファンが豊富に含まれています。甘みなどを添加した調整タイプや、バナナ味やココア味といった味のバラエティがあるので、お好みの商品を選ぶとよいでしょう。

玉露入りの緑茶

リラックス作用のあるテアニンを含んでいる緑茶は、自律神経を落ち着かせる働きが期待できます。テアニンはとくに玉露に多く含まれているので、玉露入りの緑茶を選ぶとよいでしょう。 ただし、緑茶には興奮作用のあるカフェインも含まれているので、飲み過ぎには注意が必要です。

 

自律神経を落ち着かせたいなら、カフェイン入りの飲み物の摂り方に注意

カフェインを含むコーヒーも、緑茶と同様に注意が必要です。コーヒーは頭をスッキリさせたり、心地よい香りで気分転換やリラクゼーションを促しますが、摂り過ぎると自律神経が過剰に活性化して落ち着かなくなるリスクがあります。適切な目安量と飲むタイミングに注意しましょう。

カフェイン入りの飲み物の目安量は?

日本では1日に摂取するカフェインの上限量は定められていませんが、米国食品医薬品局(FDA)では、健康な大人の場合400mgまでが望ましいと定めています。 150mlのコップを使用した場合、コーヒーなら4~5杯ほど、玉露は1~2杯ほど、煎茶は13杯ほどが目安量です。 しかし、カフェインに対する感受性は個人差が大きいため、自分に合う量を見つけましょう。

参照:農林水産省「カフェインの過剰摂取について」

カフェイン入りの飲み物を飲むタイミングは?

カフェインは、摂取してから20~30分後に作用し始めます。そのため、やる気を出したいときには、事前に飲んでおくとよいでしょう。 また、夜の睡眠を妨げないように、コーヒーを楽しむ時間は「15時まで」がよいとされています。

 

自律神経を落ち着かせるために控えたい飲み物

飲み過ぎると自律神経を活性化する、控えた方がよい飲み物を紹介します。

冷たい飲み物

冷たい飲み物で胃腸が冷えると、胃壁の毛細血管が収縮して、脳へのエネルギー供給がスムーズに行われません。すると、脳がエネルギー供給を安定化させるために、血圧や心拍数を上げようと自律神経を活性化するため、冷たい飲み物は控えた方がよいでしょう。

甘い飲み物

人はイライラすると、甘い飲み物を欲する性質があります。糖分(ブドウ糖)を摂取するとセロトニン(幸せホルモン)の分泌が促進され、一時的にストレスが軽減するためです。 しかし、甘い飲み物を飲むと血糖値が急上昇し、その後の急降下を招きます。血糖値の乱高下は自律神経を不安定にし、イライラの原因に。 また、「砂糖=太る」といった健康によくないイメージを持っている人は、罪悪感から情動的なストレスが増大します。自律神経が不安定になりやすいので、甘い飲み物は控えめにする方がよいでしょう。

アルコール飲料

アルコールは、「自律神経を落ち着かせる働き」と「活性化させる働き」の両方を併せ持ちます。 アルコール飲料を飲むと、心がリラックスしたり、高揚感が高まって楽しい気持ちになったります。しかし、飲み過ぎると過剰に自律神経が活性化して、心臓がドキドキしたり、頭痛を引き起こす場合も。お酒は、適量を守って楽しみましょう。

  • <お酒の適量の目安>
  • ・ビール ロング缶1本(500ml)
  • ・日本酒 1合(180ml)
  • ・ウイスキー ダブル1杯(60ml)
  • ・焼酎 0.5合(90ml)
  • ・ワイン 2杯(240ml)

参照:「【飲酒】 お酒と上手に付き合おう」/全国健康保険協会

「酔いの心地良さ」は、経験的に脳が記憶しているため、ノンアルコールのお酒でも同様のリラックス効果が得られるとの報告があります。リラックスしたいときは、ノンアルコール飲料を活用しながら、お酒とうまく付き合いましょう。

 
日ごろの健康への土台作りで不調を吹き飛ばそう

不調が続いて自律神経の乱れを感じるときは、メンタルが不安定になり、自己嫌悪に陥る場合もあります。自律神経は自分でコントロールできないのが、厄介です。 しかし、生活のコントロールをして、健康の土台を整える心がけはできるでしょう。自律神経に影響を与えるのは飲み物や食事だけでなく、環境の変化・生活習慣・運動習慣も関係します。規則正しい生活を送り、快適な環境を整え、気分転換をしながら不調を吹き飛ばしましょう。

  • 高村 恵美

    管理栄養士ライター高村恵美

    12年間管理栄養士として病院などに勤務。家族にいつでも"おかえり"が言えるようライターへ転身後は、忙しいひと・働くひとに寄り添うレシピの提供や、健康コラムを数多く執筆。
    自分も同じ立場だからこそ「仕事と家庭の両立に悩む女性を応援したい」気持ちが高まり、悩めるママに向けたコラム執筆も行っている。