セラピストライター白井未奈子
サービス業を10年経験するなかで、リラクゼーション業務に出会い「人を癒す」ことに目覚める。
フリーランスに転向して以降は、ボディートリートメントとフェイシャルエステの知識を活かし、美容・健康系の記事執筆を中心に担当。今は手ではなく、文章で読者にくつろぎとすこやかさを届けることを目指している。
暑さ指数とは、「気温・湿度・輻射熱」の3つから計算される体感的な暑さの指標です。WBGTとも呼ばれ、屋外・屋外でそれぞれ計算式があります。現在の暑さがどれだけ危険か多角的に知れるため、夏のセルフケアや予防に役立てられるのがポイントです。厚生労働省のサイトなど、簡易的に計算できるサイトも複数あります。日頃からできる予防策と万が一のときの対処法とともに、ぜひチェックしておきましょう。
暑さ指数とは、気温・湿度・輻射熱から導き出される温度の指標です。アメリカで提案され、WBGT(Wet Bulb Globe Temperature=湿球黒球温度)とも呼ばれています。単位は温度と同じ「℃」ですが、気温とは別物です。 温度との違いは、多角的であるかどうか。湿度などと組み合わせ、人間がより肌で感じる暑さを表現しています。気温と湿度、輻射熱から割り出される暑さ指数は、夏のセルフケアの目安として有効です。多角的にみて、どれだけ危険な暑さで、どれだけの対策をすべきかを知る手がかりとなるでしょう。
暑さ指数を計算するときは、乾球温度(気温)・湿球温度(湿度)・黒球温度(輻射熱)の3要素を用い、温度計で計測します。それぞれの計測方法は、以下のとおりです。
通常の温度計で、湿球温度と黒球温度を計測する環境をつくるのはなかなか大変です。暑さ指数を測れる専門の機器もあるので、あわせてチェックしてみましょう。
暑さ指数の基本の割合は、1(乾球温度(気温)):7(湿球温度(湿度)):2(黒球温度(輻射熱))*1です。これらを踏まえたうえで、屋外と屋内それぞれの計算式に当てはめてみましょう。
暑さ指数=1(乾球温度(気温)):7(湿球温度(湿度)):2(黒球温度(輻射熱))
0.7×湿球温度(湿度)+0.2×黒球温度(輻射熱)+0.1×乾球温度(気温)
0.7×湿球温度(湿度)+0.3×黒球温度(輻射熱)*2
*1参照「暑さ指数(WBGT)について学ぼう/熱中症予防情報サイト(環境省)」暑さ指数が28を越える日は、厳重警戒区分となり、熱中症に注意しなければなりません。そもそも1954年のアメリカで、熱中症予防の目的として提案されたのが暑さ指数です。環境省のサイトでも、28以上になると熱中症患者の数が格段に増える*1と発表されています。ちなみに2023年の東京では、6月で28を上回りました*2。
熱中症を引き起こすリスクは、気温だけでなく、湿度や輻射熱に紐づく日差しにも関係しています。最高気温と暑さ指数の両方をチェックしておけば、暑い時期のセルフケアや予防をより強化できるでしょう。
「暑さ指数を知るための計算式はわかったけれど、自分で1から計算するのは手間」と感じる方もいるでしょう。なるべく手間をかけずに計算できるサイトを3つご紹介します。
デジタル時計でおなじみのカシオのサイトなら、湿球温度・黒球温度・乾球温度それぞれの値を入力するだけで、屋外と屋内の暑さ指数が一気にわかります。入力値は保存・呼び出しができるので、日々の値を記録できるのも便利です。
厚生労働省のサイトには、乾球温度(気温)と相対湿度から暑さ指数を導き出せるグラフが載っています。危険・厳重警戒・警戒が色分けされているので、危険性を一目で知れるのがうれしいポイント。ただし、室内用なので室外の計算には適していません。
環境省の熱中症予防情報サイトでは、全国11か所の暑さ指数を調べられます。現在のみならず、予測もされているので、お出かけの目安にできるのが便利です。実際の数値とは異なる場合があるものの、計測・計算しなくてよいのは大きなメリットでしょう。
熱中症予防の一環として取り入れられる暑さ指数は、生活のさまざまな場面で活用できます。日常生活に加え、暑さが命取りとなる運動時・職場での指針として有効です。シーンごとの活用方法をチェックしておきましょう。
日常生活で激しい作業をするときは、警戒レベルにあたる暑さ指数25以上で十分に休息をとるようにしてください。28を越える中での外出時は炎天下を避け、室内にいるときも室温の上昇に警戒するのが大切です。31以上になると外出をなるべく控え、とくに高齢者は涼しい室内で生活するようにしましょう。
28以上なら、体温が上昇しやすい激しい運動は避け、10~20分おきに水分と塩分補給を行いましょう。暑さに弱い方は、運動の中止もしくは軽減をおすすめします。31を越えると、子どもは原則運動を中止するのが賢明です。また、暑さの影響を受けやすい運動時は、25以上でも十分に休憩を挟むよう心がけましょう。
職場における暑さ指数は、労働環境を整える目安となります。屋外および屋内で基準値を超える場合は、こまめな水分・塩分補給に加え、涼しい休憩場所を設ける・作業時間の短縮・通気性のよい服装にするなど、労働空間の暑さ指数によるさまざまな体調リスクの低減に努めましょう。
全体参照「暑さ指数とは?/熱中症予防情報サイト(環境省)」暑い時期にできるセルフケアは、暑さ指数のチェックと活用だけではありません。日頃からできる予防策がたくさんあります。
気温や湿度自体は変えられませんが、リスクから身を守るための行動がカギです。暑さ指数が警戒レベル以上でなくても、習慣化しておきましょう。
暑さ指数が28を越えておらず、備えを万全にしているつもりでも、暑い時期は体調が変化しやすいでしょう。暑さ指数は、あくまで暑さの感じ方の目安です。めまい・ほてり・だるさ・吐き気を感じたら、素早いセルフケアが求められます。身体を冷やすときは、わきの下や足の付け根、両側の首筋はじめ、太い血管がとおっている箇所に狙いを定めると効果的です。自分ではどうしようもない状態なら、救急車を呼ぶといった適切な対処を心がけましょう。
各ブランドの商品一覧をご確認いただけます。