美容×健康ライター中村里歩
元美容師で「超」がつく美容・健康マニア。試した美容法・健康法は数知れず…。経験を活かし、美意識の高い女性や、健康に悩む男性に寄り添う記事を執筆するべく活動中。
モットーは「明るく前向きに」「日進月歩」。AIに負けない、読者への愛がたくさん詰まった記事を執筆するため日々勉強中。
虫刺されの跡が黒くなるのは、肌が傷ついた組織を修復する過程で発生するメラニン色素が原因です。通常、メラニン色素は次第に排出されますが、炎症がひどいと色素沈着を起こすケースがあります。
肌に黒ずみを残さないために大切なのは、虫刺されの後の対処法。かいたり叩いたりせず、早い段階で冷やしたり虫刺され薬を塗ったりするのが正解です。正しい対処法を知り、炎症を抑えましょう。
虫に刺された後、かゆみはなくなったのに黒っぽいシミができて治らない…と悩んだ経験はありませんか?虫刺されの跡が黒く残ってしまうのは、メラニン色素が沈着する「炎症後色素沈着」が起きているからです。
なぜこのような現象が起きてしまうのか、虫に刺されるとかゆみが生じるメカニズムから紐解いてみましょう。
虫に刺されると肌にかゆみが生じるのは、虫が持つ毒成分・唾液成分が体内に入って起こる「アレルギー反応」です。毒成分・唾液成分が抗原となり、体内の抗体と反応して、かゆみや皮膚炎を引き起こします。症状の出方は、人によってさまざまです。アレルギー体質の方は症状が強く出やすいといわれています。
虫に刺されて炎症が悪化したり、腫れが続いたりすると、黒いシミのような跡ができる場合があります。虫刺されによって傷ついた組織を修復しようとして、「メラニン色素」が生成されるためです。自然治癒の過程でメラニン色素が沈着する現象を、「炎症後色素沈着」といいます。通常、炎症後色素沈着は次第に消えていくものです。しかし、色素沈着が進んだり、皮膚の炎症がひどかったりすると、メラニンが排出されずにシミとして残る場合があります。
メラニン色素は、肌のターンオーバーによって自然に排出されます。しかし、年齢とともにターンオーバーの周期は遅くなり、メラニン色素が抜けづらい状態に。
排出が追いつかないと、メラニン色素は肌内部に蓄積しやすくなります。そのため、大人は子どもよりも色素沈着を起こしやすく、シミができやすいのです。
虫刺されの跡を残さないようにするには、いかに早急に適切な対処ができるかにかかっています。具体的にどのような点に注意したらよいのか、詳しく見ていきましょう。
虫に刺された後に最もしてはいけないのは、かきむしったり叩いたりする行為です。患部に刺激を与えると、さらにかゆみが増す悪循環に陥ります。患部が傷ついて炎症が長引いたり、細菌感染を起こしたりする可能性も。
とくに、子どもはかゆみを我慢できず、ついかきむしってしまいがちです。爪を短く整え、虫刺され用のパッチを貼るなどして、患部を傷つけないようにしましょう。
かいてはいけないとわかっていても、かゆみを我慢するのは辛いですよね。かゆみがひどいときは、患部を冷やしてみましょう。
できるだけ早い段階で冷やすと、より効果的です。虫に刺されたと気付いたら、濡れタオルで冷やしてみてください。かゆみや炎症を抑えられるだけでなく、腫れを軽減する効果も期待できます。
また、患部が汚れている場合は、汚れを落として清潔にするのも忘れずに。患部に雑菌が入ると化膿してしまい、色素沈着のリスクが高まるため注意しましょう。
かゆみがひどくなる前に、虫刺され薬を使用しましょう。かゆみだけなら、抗ヒスタミン成分や鎮痒成分を配合した薬が適しています。
一方、かゆみが強く、患部の腫れや赤みがある場合は、ステロイド成分を配合したものが効果的です。ステロイド成分には副作用があるため、使用上の注意をよく読んでから使いましょう。
炎症が起きている患部は、紫外線にあたらないように注意しましょう。紫外線にあたるとメラノサイトが活発になり、色素沈着が濃くなってしまいます。
日焼け止めを使用するのはもちろん、患部が隠れる衣服の着用や、日傘をさして紫外線を防ぎましょう。
体が温まると、かゆみを感じやすくなります。不用意に体を温める行為は避けましょう。
熱い湯舟に浸かったり熱いシャワーを浴びたりするのは、避けた方が無難です。また、激しい運動や飲酒も控えた方がよいでしょう。
虫刺されによるトラブルを防ぐには、そもそも虫を近づけないようにするのが一番です。虫刺されを防ぐ、3つのポイントを押さえておきましょう。
虫除けを使用して、虫を寄せ付けないようにしましょう。付けるときは、ムラがないように注意してください。長時間屋外で過ごすときは、こまめな塗り直しも忘れずに。手を汚さずに付けられるミストやロールオンタイプの虫除けを使うと、塗り直しに便利です。
また、虫除けの付けすぎには注意が必要です。製品の使用方法をよく確認して使用しましょう。
肌の露出を減らすのも大切です。とくに、虫の多い水辺や山・公園などへ行くときは、長袖長ズボンを着用し、サンダルではなくスニーカーを履くと安心です。
香りに引き寄せられる虫もいるため、虫がいそうな場所へ行くときは、香り付き制汗剤や整髪料は使用しない方がよいでしょう。
自宅では、虫を発生させないように注意しましょう。たとえば、蚊の幼虫は少しの水たまりでも繁殖します。植木鉢の受け皿や、庭やベランダの鉢植えに水が溜まっていないか、こまめに確認してみてください。
置き型タイプの虫除けと、噴射式の殺虫剤を併用するのも効果的です。こまめな掃除やゴミ捨てを心がけ、虫を寄せ付けない環境をつくりましょう。
虫はいつどこに潜んでいるかわかりません。予防をしっかりしたのに虫に刺された…という場合もあるでしょう。虫刺されが悪化してしまったときの対処法をお伝えします。
患部が化膿した場合は、抗生剤での治療が必要かもしれません。皮膚科を受診して、外用薬や内服薬を処方してもらうとよいでしょう。子どもの場合は、小児科での相談を。
また、化膿はしていないけれど症状が強い・長引く、もしくは症状が悪化しているときも、病院の受診をおすすめします。
虫刺され跡の黒ずみが薄くなるまでには、数か月、もしくは年単位での時間がかかるといわれています。焦らずに、様子をみていきましょう。睡眠や食事といった生活習慣を見直すのも大切です。
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