セラピストライター白井未奈子
サービス業を10年経験するなかで、リラクゼーション業務に出会い「人を癒す」ことに目覚める。
フリーランスに転向して以降は、ボディートリートメントとフェイシャルエステの知識を活かし、美容・健康系の記事執筆を中心に担当。今は手ではなく、文章で読者にくつろぎとすこやかさを届けることを目指している。
虫刺されは、「冷やす・かかない」が基本の対処法です。温めると血行がよくなり、かゆみが増してしまうケースも。かくと水ぶくれになってしまうおそれもあります。かき壊しが心配な子どもは、冷たいおしぼりやタオルに包んだ保冷剤を使って冷やしたり、市販薬でかゆみを鎮めたりしてあげましょう。虫除けグッズや服装の工夫で、前もって予防しておくのも一案です。屋内・屋外で警戒すべき虫の種類と症状、しびれや腫れが引かないときの心得もチェックしておきましょう。
虫刺されの対処法の基本は、冷やす・かかないです。虫に刺されてかゆいと感じても、かきむしって刺された場所を刺激してはいけません。強くかいてしまうと、悪化して通常より治りが遅かったり、色素沈着が起こり跡になってしまいます。場合によっては、かいてできた傷口から、感染症になる恐れもあるのです。
すみやかに水で洗い流して清潔に保ち、冷たいおしぼりやタオルに包んだ保冷剤で冷やしましょう。我慢できないほどのかゆみには、抗炎症効果のある市販薬の使用もおすすめです。
かくのを我慢するのがむずかしい子どもの虫刺されは、親御さんがかゆみを対処してあげましょう。基本的には大人と同じ方法で、冷やしたり市販薬の活用で問題ありません。ただし、子どもの使用が制限されている市販薬もあります。かき壊してしまった場所への使用も好ましくないため、使用上の注意や用法用量をよく読んで使用しましょう。また、遊んで肌についた汗や汚れを拭って、清潔に保ってあげるのも大切です。
虫刺されはかゆみや腫れだけでなく、ときに水ぶくれも引き起こします。水ぶくれも基本の対処法と同様に、かかずに刺された場所を傷つけないのが大切です。もし破ってしまったら、傷口から細菌が感染して、化膿したり熱をもったりする場合があります。さらに、痛みが出る可能性もあるため、虫刺されでできた水ぶくれは破らないよう注意しましょう。
虫刺されの箇所を温めると、よりかゆくなる場合があるため考え物です。虫の種類や症状によっては、ホットタオルなどで温めると有効な説もあります。しかし、刺された周辺にある毛細血管が拡張し、さらなるかゆみを引き起こすと考えられます。刺された直後は、熱いお風呂やシャワーも避ける方が賢明でしょう。
ツラい虫刺されの症状を引き起こさないためには、日頃の対策がカギとなります。近寄らない・寄せ付けないを基本として、できる予防策をチェックしてみましょう。
屋外でのレジャーといった外で活動するときは、できるだけ肌を露出しないのが大切です。虫刺されの原因となる蚊やブヨは、とくに露出している部分を狙ってきます。虫が多い山や森に行くとき、畑仕事をするときはより気をつけましょう。長袖長ズボンに帽子をかぶり、首元にはタオルやストールを巻くと安心です。
極力肌の露出を控えたうえで、虫除けスプレーといった忌避剤を塗っておきましょう。UV対策をするなら、虫よけスプレーは日焼け止めの上から塗ると、本来の効果を得られるでしょう。キャンプのテントや室内には、蚊取り線香を置いたり、殺虫剤をまいておくのも一手です。ただし、子どもがいる空間では使用できるかチェックし、火を使わないタイプを選ぶといった配慮もしましょう。
虫刺されのリスクをとことん減らしたいなら、虫がいそうな場所に近づかないのも手です。山や森のほか、草木の多い公園や庭も虫の多い場所。とはいえ完全に近づかないのはむずかしいため、せめて虫を刺激する香水やヘアミストといった香りものをつけていかない選択肢もあります。
屋内での虫刺されを防ぎたいなら、屋外から持ち込まないのが大切です。ダニの一種であるイエダニやノミは、ネズミやペットに寄生してついてきます。愛犬の散歩から帰ったら、玄関先でブラッシングをしてノミを払い落とす習慣をつけてみましょう。天井裏などにネズミが生息しているなら、まずはネズミの駆除からはじめてみてください。
虫刺されを引き起こす虫は、じつにたくさん存在しています。大きく分けて、「刺す・かむ・血を吸う・触れる」の4パターンです。日常生活と屋外レジャーの2つのシーンに分け、リスクのある虫の種類と症状を確認してみましょう。
室内での虫刺されといえば、ダニ・ノミ・ムカデが代表的です。それぞれの特徴と症状を詳しくチェックしていきましょう。
ダニは室内・屋外ともに発生し、屋内で発生するのがイエダニとツメダニです。屋外のダニと比べてサイズは小さく、いずれも肉眼で確認するのがやっとの体長1mmほど。イエダニは布団や畳に潜み、ツメダニはネズミや鳥に寄生しています。 それぞれの症状は以下のとおり。
ペットに寄生しがちなノミは、複数箇所をまとめて刺すのが特徴で、体長は2~3mmほどです。かまれているときは気付かず、通常1~2日ほど経って症状が現れます。ノミ刺されの症状は、強いかゆみと湿疹、水ぶくれなど。かきむしってしまうと、大きく腫れるときもあります。
エアコンのホースや通気口、排水溝といった場所をたどって侵入してくるのがムカデです。刺されると、まず強い痛みを感じるでしょう。のちに刺された箇所に炎症がおきて腫れ、かゆみや赤み、しびれに発展するケースもあります。場合によってはアナフィラキシーショックが起こるときもあるため、要注意な害虫です。
続いて、ハイキングやキャンプといった屋外レジャーで気をつけたい、蚊・ブユ・毛虫の特徴と症状を確認していきましょう。
屋外での虫刺されの原因といえば、蚊です。ご存知のとおり、血を吸われた箇所が赤く腫れ、かゆみを伴うのが特徴。蚊とひと口にいっても数十種類にのぼり、主に水のある場所で繁殖します。通常であれば症状は1週間ほどあればおさまりますが、かいてしまうと傷ができて水ぶくれに発展するケースもあるため、注意が必要です。
キャンプ場といった、山間部に多く生息するのがブユ(ブヨ・ブト)です。かゆみと腫れが出るのは蚊と同じですが、時間が経つにつれて、症状の度合いが強くなるのが異なる点。体長1~5mmほどで、身体つきはコバエに近いです。場合によっては、赤いブツブツやしこりができるケースもあるため要注意です。
毛虫による虫刺されは、主に夏から秋にかけて警戒が必要です。季節によって、発生する木の種類も、毛虫の種類も異なります。種類によってかゆみ・腫れ・発疹・水ぶくれなど、みられる症状もさまざまです。毛に触れただけで症状が出るケースもあります。毛が付着したままかくと、症状は広がる傾向にあるので、かかずに治す基本の対処法を守りましょう。
虫刺されはだいたい数時間、長くかかっても1週間程度で治るといわれています。個人差もありますが、あまりに治らないようなら皮膚科の受診を検討してみてください。「眠れないほどのツラさ」「日を追うごとにひどくなる」といったときはなおさらです。もしかすると、虫刺され以外の原因が隠れているかもしれません。市販薬では間に合わない、大きな腫れ・しびれ・痛み・広範囲にわたる水ぶくれも同様です。自己判断せず、医療機関に相談しましょう。
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