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【医師監修】エアコンが原因の喉の痛みやイガイガの効果的な対策は?原因と対策をおさえ早めに適切なケアを

風邪薬・解熱鎮痛剤COLD MEDICINE
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2024/10/04

エアコンが原因で喉が痛いときは、市販薬や水分補給でケアするのが効果的です。主な原因は喉の乾燥ですが、喉の粘膜が乾燥してイガイガした状態が続くと喉の免疫機能が低下して感染症のリスクも高まるため適切な対策を早めに実践しましょう。
とくに、夏と冬はエアコンの使用が増えるため、症状に悩まされがちです。不快な症状の改善方法や予防対策をよく理解し、快適に過ごしましょう。

  • 成田

    監修医師成田 亜希子

    2011年医師免許取得。初期臨床研修を経て総合診療医として幅広い分野の治療に携わる。
    臨床医として勤務しながら、行政機関での勤務経験もあり地域の健康課題にアプローチした健康寿命延伸、感染症対策などの医療行政にも携わってきた。 国立保健医療科学院、結核研究所での研鑽も積む。 現在、医療法人ウェルパートナー主任医師。

 

エアコンで喉がイガイガ痛くなる原因

エアコンで喉が痛くなる主な原因は空気の乾燥ですが、冷房の当たりすぎやエアコン内部の汚れにより、喉が痛むケースもあります。
喉の痛みを緩和するには適切な対処が大切であるため、原因をしっかりチェックしてみましょう。

室内の空気が乾燥する

エアコンを使うと室内の空気が乾燥し、喉の粘膜も乾燥してイガイガ感や痛みを引き起こしやすくなります。
冷房の場合、空気中の水分を取り込み、発生した結露を室外機から排出します。エアコンから放出される冷風は水分量が減っているため、室内の湿度が下がるのです。暖房の場合は、空気を暖めると室温が上昇し、相対的に湿度が低下します。
部屋の湿度は40~70%が望ましいとされていますが、エアコンを使うと40%を下回るケースも少なくありません。乾燥した空気を吸い込むと、喉の粘膜が乾燥して痛みや不快さを感じやすくなってしまうのです。

参照:「事務所衛生基準規則」/厚生労働省

口呼吸でより喉が乾燥する

口呼吸をすると、エアコンにより乾燥した空気が直接気管に入ってくるため、さらに口内や喉が乾燥しやすくなります。とくに、就寝時は無意識のうちに口呼吸をしている人が多いでしょう。一晩口呼吸を続けると、寝起きに喉の痛みを感じやすくなってしまうのです。
また、口内や喉の乾燥でウイルスや細菌が付着しやすくなり、風邪をひく可能性も高まります。

冷房病(クーラー病)になる

冷房病(クーラー病)は、冷風の当たりすぎによる体の冷えや、室内外の激しい温度差によって起こる不調の1つです。冷房病の症状には、喉の痛み・頭痛・肩こり・倦怠感・手足のむくみ・発熱などがあります。
また、自律神経バランスの乱れによって唾液分泌量が少なくなり、口内や喉が乾燥しやすくなることも。唾液が減少すると喉の乾燥を悪化させるため喉の不調を引き起こします。

エアコン内部のカビやホコリを吸い込む

エアコン内部に溜まったカビやホコリを吸い込むと、喉が痛む原因になります。冷房やドライを稼働させると、エアコン内部の湿度が上昇し、カビや雑菌が繁殖しやすくなるのです。エアコンは空気中のホコリも吸い込むため、掃除をしないとカビやホコリが蓄積されていきます。カビやホコリは、エアコンから放出される風によって部屋中に拡散されるので知らないうちに汚れた空気を吸い込んでしまう可能性があります。
また、カビが原因で咳や倦怠感を伴う「夏型過敏性肺炎」を発症する可能性もあるので、注意が必要です。

 

エアコンで喉が痛くなったら、すぐにおこないたい対処法

【医師監修】エアコンが原因の喉の痛みやイガイガの効果的な対策は?

エアコンで喉が痛くなったら、早めの対処が肝心です。うがい薬、風邪薬の使用、こまめな水分補給で、症状の緩和が期待できます。
また、喉の痛みによい食べ物を、積極的に摂取するのも効果的です。

うがい薬や風邪薬を使用する

エアコンによる喉の痛みを早めに対策するなら、市販薬の使用が有効です。
軽度の痛みには、殺菌作用があり、炎症を抑える有効成分を配合したうがい薬がおすすめ。喉スプレー・トローチ・のど飴も、喉の痛みを軽減する効果が期待できます。
痛みが強い場合は、トラネキサム酸やイブプロフェンを配合した風邪薬が効果的です。症状に合わせて市販薬を選び、喉の痛みを長期化させないようにしましょう。

こまめな水分補給を心がける

エアコンによる喉の痛みは、口内の乾燥が主な原因です。痛みを和らげるために、水やお茶で水分補給をおこない、口内や喉に潤いを与えましょう。
水分を摂取する際は、一度に大量に飲むのではなく、こまめな補給を心がけてください。また、炭酸飲料・アルコール・カフェインが含まれた飲み物は、喉に刺激を与える可能性があるので避けておきましょう。

喉の痛みによい食べ物を摂る

不快なイガイガを和らげるには、喉の痛みによい食べ物を摂取しましょう。普段の食事に、はちみつ・しょうが・ネギ・大根・ゆずなどをプラスするのがおすすめです。
極端に熱い・冷たい・辛い食べ物や飲み物は、喉の炎症部分に刺激を与えるため、避けたほうが賢明です。また、硬い食べ物は、飲み込むときに痛みを感じやすくなります。軟らかい食べ物を選んだり、いつも以上によく噛んで食べたりすると、喉への負担を軽減できるでしょう。

 

喉の痛み予防に効果的な、夏と冬の季節に合わせた対策

エアコンによる喉の痛みを対策したいなら、季節を問わずエアコンの掃除をおこない、鼻呼吸を意識するのが大切です。また、夏は冷房病の予防に努め、冬は加湿器・濡れタオルで適切な湿度を保ちましょう。
具体的な対策方法をお伝えするので、ぜひ実践してみてください。

夏・冬:エアコン内部を掃除する

喉の痛みを予防するには、エアコン内部の定期的な掃除が欠かせません。エアコンは部屋の空気を吸い込むため、内部にカビやホコリが蓄積しやすくなります。2週間ほど稼働させるだけでも、エアコン内部にはホコリが溜まってしまうのです。快適に過ごすために、エアコンを定期的に掃除し、清潔な状態を保ちましょう。

夏・冬:口呼吸ではなく鼻呼吸を意識する

エアコンによる喉の痛みを防ぐには、口呼吸ではなく鼻呼吸を心がけましょう。口呼吸では、口内や喉が乾燥しやすいため、喉の痛みにつながりやすくなります。
呼吸は無意識におこなっているので、改善は容易ではありませんが、意識的に鼻呼吸をおこなえば、徐々に習慣化できるでしょう。
とくに、就寝中は呼吸を意識するのが困難のため、口呼吸防止テープを使用してみてください。マスクを着用するのも、口内や喉の乾燥を防ぐ方法として効果的です。

夏:冷房病(クーラー病)の予防を心がける

冷房病は室内外の温度差が原因で発症するため、できるだけ温度差を小さくする工夫が必要です。
冷房の設定温度は低くし過ぎないように注意しましょう。猛暑日などは室内で快適さを感じる温度にすると室外との温度差が激しくなりますが、そのような日はできるだけ外出を控える、涼しい時間帯に外出するといった工夫も大切です。さらに、夏だからといって冷たい食べ物・飲み物を摂り過ぎないようにしましょう。温かい飲み物や、運動・入浴で体温を上昇させると、冷房病を予防できます。

冬:加湿器や濡れタオルで部屋の湿度を上げる

部屋が乾燥すると喉の痛みにつながるため、加湿器や濡れタオルで部屋の湿度を上げましょう。室内湿度は40~70%が望ましいとされており、40%を下回ると空気の乾燥を実感しはじめる方が多くなります。
エアコンを使用するときは、部屋の湿度を適切に維持するよう心がけましょう。

 
喉の痛みがよくならないときは医療機関に受診を

対策をおこなったり、市販薬を試してもなかなか喉の痛みが改善しないときは、医療機関を受診しましょう。長引く痛みは乾燥が原因ではなく、アレルギーといった別の病気が潜んでいる可能性もあります。
症状によっては適切な治療が必要になる場合もあるため、自己判断しないようにしてください。痛みが1週間以上続くようであれば、早めに医師の診察を受け、専門家のアドバイスを仰ぎましょう。

 
監修医師からのアドバイス

エアコンは空気の乾燥、冷房病、内部のカビやホコリなどさまざまな原因で喉の不調を引き起こします。
特に空気の乾燥が原因のケースが多いですが、空気の乾燥は喉の粘膜の乾燥を引き起こします。喉の粘膜には線毛と呼ばれる細かい毛がたくさん生えていて、体の外から入り込んできた病原体やホコリなどの異物をキャッチして体外へ排出する働きがあります。しかし、喉の粘膜が乾燥すると線毛の働きが弱まり、異物を取り込みやすくなることに。
結果として感染症にかかりやすくなります。

エアコンを使用中に喉の不調を感じたときは適切な対策が必要です。今回ご紹介した原因や対策方法を参考に、セルフケアをしてみてください。
特に朝になると喉の不調を感じる方は、夜間に口呼吸になって喉の乾燥が悪化している可能性があります。加湿器などで湿度を調整する、マスクをして喉を保湿するなどの対策がおすすめです。