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【医師監修】夏風邪の原因や症状を知り元気に夏を過ごそう!水分&栄養補給と安静が治し方の基本

消毒・殺菌
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2024/08/16

夏風邪のおもな原因は、夏の高温多湿な環境を好むウイルスです。多彩な症状がみられ、子どもを中心に流行します。免疫機能が低下していたり、感染予防対策が不十分だと、大人もかかる可能性があるため注意しましょう。普段からこまめな手洗いや消毒を心がけてください。夏風邪を早めに治したいなら、適切な水分補給や栄養補給、安静が大切です。つらい症状があるなら、市販の解熱鎮痛薬または風邪薬を使用するのもひとつの方法でしょう。

 

夏風邪とは

夏風邪は、その名のとおり夏にかかる風邪を指します。冬風邪とはどんな違いがあるのか、原因や症状をみていきましょう。

夏風邪と冬風邪の違い

夏風邪と冬風邪は、原因となるウイルスの種類に違いがあります。200種類以上あるウイルスの中で夏風邪を引き起こしやすいのは、エンテロウイルス・コクサッキーウイルス・アデノウイルスで、高温多湿の環境を好む性質があるのです。一方冬風邪は、低温で乾燥した環境を好むインフルエンザウイルスやライノウイルスなどが原因となります。インフルエンザは冬風邪と症状が大きく異なりますが、広義では風邪の一種です。

夏風邪の原因

夏風邪のおもな原因はウイルスですが、エアコンの使用や夏バテといった、夏ならではの環境や体調の変化も影響します。季節を問わずウイルス対策や室内の環境調整をおこない、体調管理に努めるのが大事です。

ウイルス

夏風邪のウイルスは高温多湿の環境を好み、感染力が強いのが特徴です。子どもの感染割合が高く、代表的な夏風邪である「手足口病」「ヘルパンギーナ」「咽頭結膜熱(プール熱)」の原因となります。2021年以降は、以前は秋から冬に流行していた「RSウイルス感染症」も、夏にピークがみられるようになりました。
夏風邪を引き起こす代表的なウイルスは、おもに以下のウイルスです。

<夏風邪を引き起こす代表的なウイルス>


  • ・ エンテロウイルス
  • ・ コクサッキーウイルス
  • ・ アデノウイルス

参照:エンテロウイルス感染症/東京都感染症情報センター
咽頭結膜熱について/厚生労働省
RSウイルス感染症/厚生労働省

エアコン使用の影響

直接的な原因ではありませんが、エアコンの使用も影響するとされています。エアコンの効いた屋内と屋外との温度差が体に負担をかけるため自律神経バランスの乱れを引き起こすからです。自律神経バランスの乱れは免疫機能にも影響を与える場合があるため、設定温度を適切に調整し免疫機能を維持できるよう気をつけましょう。屋内にいるときは、エアコンで冷やし過ぎないようにする必要もあります。

夏バテ

夏バテも、夏風邪を引き起こす原因の一つです。夏は屋内外の温度差による体への負担に加え、暑さによる睡眠不足や食欲不振により疲れやすくなっています。冷たい物を飲み過ぎて、血流が低下することで胃腸の消化機能が低下するケースも。結果的に免疫力が低下し、ウイルスに感染しやすくなるのです。

夏風邪の症状

夏風邪では、発熱やのどの痛み、咳などといった風邪の症状がみられます。ウイルスにより嘔吐や下痢、口の中や手足の発疹がみられるケースも。なかには重症化する人もいるため、注意しなければなりません。

 

大人も注意!子どもがかかりやすい3大夏風邪

子どもは3大夏風邪にかかる可能性があります。3大夏風邪とは「手足口病」「ヘルパンギーナ」「咽頭結膜熱(プール熱)」です。大人がかかるときもあります。それぞれの特徴を以下の表にまとめました。

<手足口病・ヘルパンギーナ・咽頭結膜熱(プール熱)の特徴>


参照:手足口病/厚生労働省
参照:ヘルパンギーナ/厚生労働省
参照:咽頭結膜熱について/厚生労働省
参照:咽頭結膜熱とは/NIID 国立感染症研究所
 

今からおこなおう!家庭での夏風邪の予防対策

基本的には、普段の風邪予防対策と同様です。さらに、夏は免疫力が低下しやすい要因が多いため、栄養バランスのよい食事や十分な休息を意識するとよいでしょう。

こまめな手洗いをおこなう

感染予防でもっとも大切なのは、手洗いです。調理の前後や食事の前、外出からの帰宅時、オムツ替えのあとは必ずおこないましょう。夏風邪にかかっている人をお世話したあとも、忘れないようにしてください。

室温は28℃を目安に

室温は28℃を目安にして、エアコンを調整しましょう。設定温度を下げ過ぎると、体の負担になり、自律神経バランスの乱れから夏風邪にかかりやすくなります。とくに、お子さんや高齢の方がいるご家庭では配慮してください。夏風邪にかかっている人がいるときは、こまめな換気も重要です。一時間に数分の換気を2回するのが有効とされています。

栄養バランスのよい食事を心がける

夏風邪を予防するには、普段から栄養バランスのよい食事をとるのが重要です。夏は食欲が低下し、あっさりした食べ物に偏りがち。すると栄養バランスが崩れ、疲れが生じやすくなります。主食・主菜・副菜がそろった食事を心がけましょう。
おすすめの食べ物は、ビタミンB1やビタミンCを含む食べ物です。ビタミンB1は疲労回復に効果的で、ビタミンCは抵抗機能を高めるのに役立ちます。

<風邪予防におすすめの食べ物>


  • ・ ビタミンB1が豊富な食べ物:うなぎ・豚肉(ヒレ・ロース・もも)・ごま・のり
  • ・ ビタミンCが豊富な食べ物:ブロッコリー・ピーマン・キウイフルーツ・いちご・オレンジ

参照:食品データベース/文部科学省

十分な睡眠をとる

十分な睡眠をとり、体を休めましょう。睡眠は疲労を回復させ、ウイルスに対する抵抗力を高めるのに効果的です。

タオルや食器の共有はしない

タオルや食器の共有はせずに、別々の物を使用しましょう。お子さんがいるご家庭では、おもちゃにも注意してください。

 

夏風邪の治し方

夏風邪を早めに治すには、適切な水分補給・栄養補給・安静が基本となります。症状がつらい場合は、市販の風邪薬または解熱鎮痛薬が効果的です。一つずつみていきましょう。

十分な水分補給をおこなう

発熱や食欲不振、下痢といった症状がみられるときは、脱水に注意が必要です。こまめに水分を補給しましょう。塩分を含むスポーツドリンクや経口補水液もおすすめです。

適切な栄養補給をおこなう

栄養価が高く、消化のよい食事をとりましょう。うどんやおかゆがおすすめです。ショウガやネギは体を温め、食欲を増進させる作用があるので、メニューに取り入れてみるとよいでしょう。
とはいえ、のどの痛みや口内炎で、食べるのがつらいときもあります。そのようなときには過度に栄養バランスを意識せずに刺激が少なく、のどごしのよい食べ物をとるようにしてください。ゼリー飲料やプリン、アイスクリームの力を借りるのもよいですね。

安静にする

風邪をひいているときは、体力・免疫機能が低下しています。体がウイルスと戦えるようにするためには、休息が大切です。無理しないようにしましょう。

発汗時は着替える

発熱で汗をたくさんかいたときは、こまめに着替えが大切です。下着が濡れたままだと、体が冷えてしまいます。発熱時は、吸水性のある綿素材の下着を選ぶとよいでしょう。

市販薬を服用する

夏風邪は、普通の風邪と同様に特効薬がありません。発熱やのどの痛み、咳といった風邪の症状に対し、市販の解熱鎮痛薬や風邪薬が効果を発揮します。症状に合わせて選びましょう。お子さんに使用する際は、かかりつけ医や薬剤師に相談して子ども用の薬を選び使用してください。

 

夏風邪は受診すべき?医療機関を受診する目安

夏風邪は、多くの場合自然に治ります。ただし、重症化したり、風邪以外の病気になる可能性もあり、注意が必要です。基礎疾患がある人や妊娠中の方は、早めに相談するとよいでしょう。以下の場合にあてはまるなら、医療機関を受診してください。状況によっては、入院治療が必要になるケースもあります。

<医療機関を受診する目安>


  • ・ 発症してから2~3日以降に発熱がひどくなり、吐き気や頭痛がある
  • ・ 水分や食事がとれない
  • ・ ぐったりしている
  • ・ 呼吸が速く、顔色が悪い
  • ・ 風邪薬を5~6回服用しても症状がよくならない
 
夏風邪は家族ぐるみで予防しよう

夏風邪は子どもに多くみられますが、大人も発症する可能性があるため注意が必要です。感染予防は「うつらない」「うつさない」が大切なため、家族ぐるみで対策をとりましょう。生活習慣を整え、免疫力が低下しないようにするのも重要です。
夏風邪の症状は、新型コロナウイルス感染症と似ています。人によってあらわれ方も違うため、見分けるのが難しいかもしれません。まずは、周囲の感染状況を確認してみましょう。医療機関を受診するときは、あらかじめ連絡してから受診してください。

 
監修医師からのアドバイス

夏は高温多湿の環境を好むウイルスによる風邪が流行します。集団生活をする子どもを中心に流行しますが、家庭内で大人がかかるケースも珍しくありません。さらに、大人がかかると子どもより重症化する場合もあるため注意が必要です。

夏風邪を乗り切るには今回ご紹介した対策を心がけましょう。
症状が強くない場合は市販薬を使用しながら自宅で様子を見れる場合もあります。
夏風邪の症状の現れ方は多岐に渡りますので、それぞれ辛い症状に合ったお薬を選んでください。
ただし、下痢や腹痛がある夏風邪は下痢止めを服用すると症状が悪化したり、治りが遅くなったりする場合があります。安易な服用は避けましょう。

しかし、市販薬を使用しても2~3日ほど改善しない場合は医療機関への受診を検討して下さい。

  • 成田

    監修医師成田 亜希子

    2011年医師免許取得。初期臨床研修を経て総合診療医として幅広い分野の治療に携わる。
    臨床医として勤務しながら、行政機関での勤務経験もあり地域の健康課題にアプローチした健康寿命延伸、感染症対策などの医療行政にも携わってきた。 国立保健医療科学院、結核研究所での研鑽も積む。 現在、医療法人ウェルパートナー主任医師。