胃もたれのおもな原因
胃もたれは、「胃の消化力」や「胃から腸へ食べ物を送り出す力」の衰えにより、摂取した食べ物が胃の中に滞留して生じる不快感です。胃腸機能の低下は、アイスやジュースといった冷たい食品を摂りがちな夏や、暴飲暴食しがちな年末年始に多くみられます。
胃の消化に適した温度は37度前後のため、冷たい食べ物や飲み物ばかり摂取していると、胃腸が冷えて働きが悪くなるのです。また、食べ過ぎは消化に追われて胃が疲弊してしまいます。
お酒を飲み過ぎると、代謝しきれなかったアルコールが翌朝まで体内に残ります。胃にあるアルコールは胃粘膜にダメージを与え、消化液に影響をおよぼすので、二日酔いや胃もたれの症状が現れるのです。
胃もたれのおもな原因
- ・お酒の飲み過ぎ
- ・冷たい食べ物や飲み物の摂り過ぎ
- ・加齢
- ・寝不足
- ・運動不足
- ・タバコ
- ・ストレス
- ・自律神経の機能低下 など
胃もたれを軽減する食事のポイント
胃もたれ軽減のために食事で大切なのは、胃に負担をかけない食べ方です。意外とできていない項目なので、しっかり意識していきましょう。
よく噛んで食べる
よく噛むと、食べ物が小さくなるのに加え、消化酵素を含む唾液と混ざり合うため、胃の消化を助けます。満腹中枢も刺激し、食べ過ぎ防止にも効果的です。
腹八分目を心がける
満腹まで食べてしまうと、消化する内容物が増えて、胃に負担がかかります。少し物足りないくらいで食事を辞めるのがポイントです。
食後30分はゆったり過ごす
食べた直後に動くのは消化によくないので、食後30分はリラックスしてゆったりと過ごしましょう。
胃もたれしたときにおすすめの食べ物
胃もたれをしているときは、胃に負担をかけない食べ物の摂取を心がけましょう。負担を軽減しながら、栄養補給もできる食べ物を紹介します。また、胃もたれしたときに飲みたいドリンクもあるので、食べ物と合わせてチェックしてみてください。
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消化のよい食べ物
胃もたれをしているときは、胃に負担をかけないようにしましょう。消化のよい食べ物は下記のとおりです。
消化のよい食べ物
- ・柔らかく煮込んだ料理(お粥・煮込みうどん・にゅう麺)
- ・脂質の少ない食べ物(カレイ・鶏ささみ)
- ・卵料理
- ・豆腐
- ・納豆
- ・ほうれん草
- ・バナナ
- ・りんご
- ・じゃがいも など
胃の荒れた胃粘膜の修復をサポートする食べ物
キャベツやレタスに含まれるビタミンU(MMSC:メチルメチオニンスルホニウムクロリド)は、キャベジンとも呼ばれる成分で、荒れて弱った胃の粘膜の修復をサポートする働きがあります。
消化酵素を含む食べ物
消化酵素を多く含む食べ物は、消化を助けて胃もたれを防ぐ働きがあります。消化酵素は熱に弱いため、生で食べるのがおすすめです。消化酵素が豊富な食べ物を紹介します。
胃もたれしたときに避けたい食べ物
胃がもたれているときは、胃に負担をかける食事を避けましょう。消化の悪い食べ物はもちろんですが、香りの強い野菜やカフェインにも注意が必要です。
消化の悪い食べ物
脂質が多かったり、噛み応えのある食べ物は、消化に時間がかかり胃に負担をかけるので、胃もたれしているときは控えましょう。
消化の悪い食べ物
- ・玄米
- ・脂質の多い食べ物(ベーコン・バラ肉・揚げ物)
- ・ごぼう
- ・たけのこ
- ・きのこ
- ・こんにゃく・しらたき
- ・パイナップル
- ・ドライフルーツ など
香辛料
料理を辛くしたり、香り付けをして味にメリハリを付けたいときに重宝しますが、胃を刺激するため、胃もたれしているときは控えましょう。
避けたい香辛料
- ・カレー粉
- ・コショウ
- ・唐辛子(一味・七味)
- ・ペッパーソース
- ・山椒
- ・わさび
- ・からし など
香りの強い野菜
薬味や香味野菜を使用した料理は食欲がそそられますが、胃を刺激するため食べ過ぎには注意が必要です。胃もたれしているときは下記の薬味や香味野菜を控えましょう。
香りの強い野菜
- ・しょうが
- ・にんにく
- ・ニラ
- ・ネギ
- ・玉ねぎ など
酸味の強い食べ物
酸味が強い食べ物は、胃を刺激してしまいます。手軽な柑橘類はデザートで食べたり料理のアクセントとしても使用しますが、胃もたれをしているときは控えましょう。
カフェインを含んだ食べ物
カフェインは胃酸の分泌を促し、消化を助けますが、空腹時に摂取すると胃に負担をかけます。胃もたれしている場合やカフェインの感受性が高い方は、気を付けるようにしましょう。
カフェインを含んだ食べ物
- ・チョコレート(ハイカカオなほど、カフェイン量も多い)
- ・ココアパウダーを使用した菓子類 など
冷たい食べ物
とくに暑い夏は冷たい食べ物をもとめがちですが、胃を冷やして刺激してしまいます。胃もたれしているときは、下記の食べ物を控えましょう。
冷たい食べ物
- ・アイス
- ・かき氷
- ・冷たい麺類
- ・冷製スープ など
胃もたれしたときにおすすめのコンビニ食品
食べ過ぎ・飲み過ぎの翌日や、暑さで胃もたれ気味なときは、コンビニで気軽に手に入る食品で乗り切りましょう。
主食
レトルトのお粥や煮込みうどんがよいでしょう。柔らかく煮込んだ食品は、消化によいため、胃の負担を軽減できます。おにぎりやパンを食べたい場合は、よく噛んで食べましょう。
おかず
柔らかいおでんのはんぺん、豆腐や卵豆腐、柔らかく煮込んだおでんの大根などを選びましょう。脂質の少ないサラダチキンやゆで卵も、消化によい食品です。卵を食べるなら、生よりも加熱した方が、タンパク質の消化速度は上がります。
デザート
口当たりの滑らかな食べ物がよいでしょう。バナナ・ゼリー・ヨーグルトがおすすめです。生クリームや油脂をたっぷり使用したケーキやシュークリームといった洋菓子は、脂質が多く胃に負担をかけるので、控えましょう。
胃もたれを軽減する生活面での対処法
胃もたれを軽減するには、自律神経を整える工夫が大切です。生活習慣によって、大きく影響を受けるので、気を付けるべきポイントをおさえましょう。
十分な睡眠をとる
日中は身体を活動的にする「交感神経」が優位な状態ですが、睡眠中は身体をリラックスさせる「副交感神経」が優位になります。自律神経を整えるには、両者のバランスが重要です。睡眠は、細胞の修復や心身の疲れを癒す重要な時間なので、早めの就寝を心がけましょう。
適度な運動習慣をつくる
体を動かすと心臓の動きが活発になり、血液の巡りがよくなるため、神経伝達物質が活性化されます。気分転換やストレス解消にもなるので、ヨガ・ウォーキング・散歩といった、取り組みやすい運動をしましょう。
禁煙する
タバコは、身体を活動的にする交感神経を優位にします。休憩中の喫煙は、心身のリラックスにならないのです。自律神経のバランスを整えるためにも、禁煙するのが望ましいでしょう。
気分転換やストレス発散をする
ストレスが溜まると自律神経のバランスは不安定になるので、溜め込まない工夫が大切です。自分が楽しいと思える趣味や旅行といった気分転換をして、ストレス発散をしましょう。
「胃にやさしい食事」はダイエットにも効果的
胃もたれがあると、食卓を囲む時間を心から楽しめなくなったり、不調で元気が出なかったりして、生活の質が低下してしまいます。消化機能の衰えを感じている場合は、普段の食品選びや食べ方に気を付けて、「胃にやさしい食事」を心がけましょう。ダイエットや健康づくりにも役立つので、快適な毎日へとつながります。
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