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【動画あり】寝る前の短時間ヨガで自律神経を整える。ベストな呼吸法・タイミングで体を回復させよう

2024/08/02

寝る前に行うヨガは、副交感神経を活性化させ、睡眠の質を改善します。体内リズムを取り戻し、自律神経が整いやすくなるのです。筋肉もほぐれやすくなり、肩こり・腰痛を楽にする効果も期待できるでしょう。ヨガに適した環境や呼吸法、行うタイミングを知っておくと、しっかりと体をリラックスさせて疲労回復を促してくれます。体力に自信がなくても簡単にできるポーズを、動画を見ながら行い、1日の疲れを癒やしませんか?

 

寝る前にヨガを行うメリット

寝る前のヨガは、睡眠の質を改善し自律神経を整える効果があります。さらに、筋肉のほぐれから姿勢がよくなり、肩こり・腰痛予防も期待できるでしょう。疲労感がとれない人に、とてもおすすめのエクササイズです。

睡眠の質改善

就寝前の体は、睡眠モードになろうと体温を低下させ、眠気を導くのです。眠る前にヨガを行うと、体温は一時的に上昇しますが、睡眠前には適切な体温まで低下します。結果的に、何もしないときよりも体温の減少幅が大きくなり、眠気が大きくなると考えられているのです。

参照:Effects of the timing of exercise on the night sleep

自律神経を整える

心臓の動きや呼吸といった生命活動を司る自律神経には、体を覚醒させる「交感神経」とリラックスさせる「副交感神経」の2種類があり、状況に応じて2つを切り替えてコントロールされています。しかし、ストレスなどから切り替えがうまくいかず、交感神経ばかりが働き緊張状態が続くと、体の機能が正常に動作しなくなるのです。
睡眠前にヨガを行うと、交感神経の活動が低下し副交感神経が優位になり、眠気が大きくなり体がリラックスします。結果として、自律神経が整っていくのです。

肩こり・腰痛改善

筋肉の硬化と姿勢の悪化が、肩こり・腰痛の原因です。筋緊張による血流悪化が起こると、筋細胞の酸素が不足しダメージを受けます。さらに、筋肉が硬くなると姿勢が変化し、関節への負担が増加するため、肩こり・腰痛につながるのです。
ヨガは関節を大きく動かすポーズが多いため、筋肉が広く伸縮し、こわばった筋をほぐしてくれるでしょう。

 

寝る前に行うヨガの効果を高めるポイント

大切なのは、環境作りと呼吸法です。筋肉が伸びやすくなるお風呂上がりに、睡眠前に適した照明で行うと、しっかりと体をほぐせるでしょう。呼吸は、口からしっかりと吐き切るように行うと、体をリラックスさせられます。

お風呂上がりに行う

お風呂上がりは体が温まり、筋肉が伸びやすい状態。体が冷えた状態よりも筋肉がほぐれやすくなるのです。40℃前後のぬるま湯に、10~20分程度湯船につかると、ヨガに適した体の状態になるでしょう。

電球色・少し暗めの照明で行う

オフィスのような白く明るい照明を浴びると、体は覚醒状態に導かれ眠りにくくなります。逆にオレンジ色で少し暗い照明は、メラトニンの分泌を阻害しません。体が睡眠に適した状態になりやすいでしょう。部屋の照明が調整できない場合は、少し暗めの間接照明を利用してみてください。

参照:Action spectrum for melatonin regulation in humans: evidence for a novel circadian photoreceptor
参照:Exposure to room light before bedtime suppresses melatonin onset and shortens melatonin duration in humans

息をしっかり吐いて行う

呼吸は、自律神経の働きに影響を与えます。息を吸うと交感神経が活性化し横隔膜が収縮、息を吐くと副交感神経が優位に働くため、横隔膜がゆるみリラックスしやすくなるのです。筋肉はリラックスした方がより伸びやすくなるため、息を吸う時間よりも長めに吐く呼吸を意識して行いましょう。  

参照:Increased exhalation to inhalation ratio during breathing enhances high-frequency heart rate variability in healthy adults
 

寝る前にヨガをする際の注意点

【動画あり】寝る前の短時間ヨガで自律神経を整える。

寝る前のヨガは、リラックスして行うよう心がけましょう。とくに、心拍数の急上昇を感じる負担の大きいポーズや、やり過ぎには要注意です。

食事後は少し時間をおいて行う

夕食直後は、消化・吸収のために胃腸へ血液が集まります。しかし、ヨガを行うと血液は筋肉へ移動してしまうのです。消化不良を防ぐために食後30分~1時間程度の時間を空けてからヨガを行いましょう。

キツいと感じるポーズを行わない

副交感神経を活性化させ、体を休めるのが寝る前に行うヨガの目的です。交感神経が活性化しないよう、高強度のポーズは行わないのがベスト。心拍数の上昇を感じるポーズは避けるといいでしょう。

正しいフォームで行う

自律神経を整えて質の高い睡眠をとるには、筋肉を正しく伸ばす必要があります。しかし、間違ったフォームで行うと、筋肉は効果的に伸ばされず、関節を痛めてしまうかもしれません。正しいフォームの説明をしっかりと確認してから、無理のない範囲で行いましょう。

 

寝る前に短時間で行えるおすすめヨガポーズ

寝る前には椅子やソファに座りながら、リラックスして行えるポーズがおすすめです。くつろいで行うと、筋肉をしっかりとほぐせるでしょう。

脚組のポーズ

1回の動画運動量の目安(※体重60kgの人の場合)
活動強度:2.3METs / 運動時間:1分(動画33秒から) / 消費カロリー:2.41kcal

椅子に座って脚を組み、体をねじって体の側方を伸ばすヨガのポーズです。仕事で固まったお尻・腰回りの筋肉をほぐし、腰痛の改善と体全体のリラックスを狙えます。

やり方

  • ① 椅子に座り、左脚を右脚の上に組みます
  • ② 背筋を伸ばして、顔と胸を左側に向けて体をひねります
  • ③ ひねったまま体幹を少し前傾させ、胸の前で両手を合わせます
  • ④ 右ひじを左ひざの外側に当てながら押して、さらに体を左側にひねります
  • ⑤ 30秒程度キープしたら、反対側も同様に行います

ポイント

  • ・ 体を前傾させた際に、背中が丸まらないように注意しましょう
  • ・ 呼吸は口からしっかりと吐いて、鼻から軽く吸います
  • ・ 体をひねるときに息を吐きましょう
  • ・ 肩がすくまないように、耳と肩の距離をとるように行います

浅い脚組のポーズ

1回の動画運動量の目安(※体重60kgの人の場合)
活動強度:2.3METs / 運動時間:1分(動画3分6秒から) / 消費カロリー:2.41kcal

脚組のポーズよりもやや浅く組み、ひざをゆっくりと上下に動かし、お尻のインナーマッスルを伸ばしていくポーズです。日常生活ではあまりやらない、太ももの骨を内・外と回転させる動きを行って、股関節をほぐしてくれます。

やり方

  • ① 椅子に座り、左外くるぶしを右ふとももの付け根近くにおきます
  • ② 右手は左足の土踏まず周辺におき、左手は左ひざの外側を持ちます
  • ③ 右手で左足を押さえながら、左手で左ひざをゆっくりと上に持ち上げます
  • ④ 上がるところまで上げたら、ゆっくりと下げます
  • ⑤ 10回繰り返したら反対側も同様に行います

ポイント

  • ・ ひざを持ち上げるときに口から息を吐いて、降ろすときに鼻から吸います
  • ・ 背中は丸まらないように、背筋を伸ばして行います

脚組前傾ポーズ

1回の動画運動量の目安(※体重60kgの人の場合)
活動強度:2.3METs / 運動時間:1分(動画の3分54秒から) / 消費カロリー:2.41kcal

脚を浅く組み、体を前傾させてお尻の最も大きな筋肉である大殿筋を伸ばすポーズです。
大殿筋は骨盤周りでは最も大きな筋肉。硬くなると骨盤の位置が変化し、背骨への負担が増加するため腰を痛めやすくなるのです。

やり方

  • ① 椅子に座り、左外くるぶしを右ひざの上におき、右手は左足の土踏まず、左手は左ひざの内側におきます
  • ② 鼻から息を吸いながら背筋を伸ばしてから、口から息を吐いてゆっくりと体を前傾させます
  • ③ 左のお尻にストレッチを感じながら、30秒間キープします
  • ④ 終わったら反対側も同様に行います

ポイント

  • ・ 体を倒していくときに背中を丸めず、伸ばしたまま行いましょう
  • ・ 痛いと感じるまで行わず、お尻に気持ちよいストレッチ感があるところで止めましょう
  • ・ 肩がすくむとしっかりと息が吐きにくくなるため、肩を降ろして行いましょう
 
短時間でも効果が期待できる

疲れているとなかなか運動をする気になりませんが、ヨガはゆっくりした動きのため、体力に合わせて筋肉をほぐし、リラックスさせてくれます。とくに、運動習慣がない人の場合、少しの時間だけでも効果が期待できるでしょう。まずは、気軽にできそうなポーズから始めて、毎日の習慣にしてみてください。

  • 藤本千晶

    パーソナルトレーナー・Webライター藤本千晶

    一般の人から日本代表のアスリートまで幅広い人を対象にトレーニング・ダイエット指導を実施。
    20年の経験とスポーツ科学修士を活かし、科学的根拠をもとに信頼性が高く、フィットネスに関する記事執筆を行っている。目標は一人でも多くの人が今よりも健康になることで、「面白い」記事執筆をすることを目標としている。保有資格はCSCS。