美容×健康ライター中村里歩
元美容師で「超」がつく美容・健康マニア。試した美容法・健康法は数知れず…。経験を活かし、美意識の高い女性や、健康に悩む男性に寄り添う記事を執筆するべく活動中。
モットーは「明るく前向きに」「日進月歩」。AIに負けない、読者への愛がたくさん詰まった記事を執筆するため日々勉強中。
ペットボトルの水の賞味期限は、1~5年以上と幅があります。きちんと密封されていれば、賞味期限切れでも飲める場合がほとんどです。しかし、保管場所によっては雑菌が繁殖し、水が腐ってしまう可能性もあります。
水の変質が気になっても、飲用以外に活用できるので、すぐに捨てる必要はありません。災害時はとくに、水は大切な資源になります。水の保存期間と使い道を、改めて考えてみましょう。
ペットボトルの水の賞味期限は、およそ1~3年です。なかには、5年以上長期保存できる製品もあります。
基本的に、水は腐りません。にもかかわらず、ペットボトルの水には賞味期限が定められています。ペットボトルの水の「賞味期限」とは何を意味するのか、開封前と開封後では賞味期限にどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
ペットボトルの水は、密封されていれば賞味期限が多少切れていても、飲める場合がほとんどです。水は基本的に腐らないためです。
水が腐らない理由は、大きく二つあります。一つは、単一の物質のため成分が変化しないから。もう一つは、ペットボトルの水は加熱殺菌やろ過除菌がされているからです。
カビ(菌)は、エサ(有機物)がなければ育ちません。水は無機物のため、カビが生えないのです。例外はありますが、科学的に見れば「水は半永久的に品質を保てる」といえます。
「密封状態なら腐らない」とされている水でも、開封してしまったら、あっという間に劣化します。ペットボトルの口から空気中の雑菌やほこりが入る可能性が高いため、賞味期限にかかわらず2~3日で飲みきるようにしましょう。
また、口をつけてしまうと唾液に含まれている菌が入り、水の中で繁殖します。劣化のスピードが加速するため、口をつけたペットボトルの水は、当日のうちに飲み切るのがベストです。
賞味期限とは、食品を「美味しく食べられる期間」を指します。一方、消費期限は「安全に食べられる期間」です。消費期限を過ぎると食品の劣化が始まるため、体に害を及ぼすリスクが出てきます。
また、ペットボトルの水は、賞味期限を過ぎると容量が徐々に減っていくのも特徴です。ペットボトルには、気体を透過する性質があります。そのため、少しずつ水が蒸発して容量が減ってしまうのです。
「ペットボトルの水は賞味期限を過ぎても飲める」…となると、気になってくるのが「いつまで過ぎても大丈夫なのか」。この問いに明確な答えはなく、いつまで飲めるかは保管方法によって異なります。
もし適切に保管できていたか判断できないときは、以下の点に注目してみてください。
未開封であっても、キャップの緩みを確認した場合は、水が腐っているリスクがあります。わずかなすき間から、雑菌が入り込んでしまうためです。
購入から1年以上経っている場合は、ボトルにへこみがあるかも確認してみてください。密封されているとボトル内の圧力が下がり、ボトルにへこみがあらわれます。へこみがないときはキャップが緩んでいる可能性があるため、注意しましょう。
水が腐ると、細菌の繁殖によって不快なニオイが発生します。生臭かったりカビ臭かったりする場合は、危険信号です。変なニオイを感じたら、水を口にするのはやめましょう。
また、不純物の混入により透明感がなくなり、色が濁る場合もあります。なんとなく色が透明ではないように感じたら、飲まないようにしてください。
見た目に異常がなくても、水の中で細菌が繁殖している場合があります。口に入れたときに苦みや雑味を感じたら、水は腐っている可能性が高いでしょう。
また、ヌメりを感じる場合もあります。違和感があれば飲み込まずにすぐに吐き出し、よく口をすすいでください。
腐った水を飲んだ場合、水を介して細菌やウイルスに感染する可能性があります。万が一飲んでしまったときは、きれいな水を十分に摂り、体内から排出させるようにしましょう。
下痢や嘔吐などの消化器系の症状があらわれたときは、速やかに医療機関を受診してください。下痢止めの服用は、菌の排出を塞ぎかねません。自己判断せず、医師の診断を仰ぐのが賢明です。
ペットボトルの水を長持ちさせるには、適切な保管が不可欠です。まず、直射日光や高温多湿は避けましょう。ペットボトルは光や熱に弱く、容器の劣化や、水質を変化させる原因になります。涼しく乾燥した場所に保管するのが理想的です。必ずしも冷蔵庫で保管する必要はありません。
また、芳香剤の近くなどのニオイが強い場所での保管は避けましょう。ニオイ移りする場合があります。
非常用飲料水とするときは、数カ所に分散させて保管するとよいでしょう。ひとまとめにしておくと、災害時に全滅するリスクがあるためです。ただし、複数個所に設置すると保管場所を忘れやすくなるため、メモをとるなどの対策を忘れずに。
賞味期限が切れていても、すぐにペットボトルの水を捨てる必要はありません。適切な環境で保管できていれば、しばらくは飲料水として利用できます。変質が気になる場合は、以下のように使ってみてはいかがでしょうか。
水の保存を考えるとき、ローリングストックをする方法も一緒に考えてみてください。ローリングストックとは、普段の食品を多めに購入し、古いものから消費しつつ買い足していく方法です。
古いペットボトルの水を使ったら、新しい水を買い足し、備蓄を切らさないようにしましょう。ローリングストックを意識すれば、賞味期限が切れる前に計画的に水を消費できるだけでなく、万が一の災害時には備蓄として役立ちます。
災害時は、水が生活を支える貴重な資源になります。不要になってしまった水は、すぐに捨ててしまうのではなく「備蓄としてストックしておく」という考え方を大切にしましょう。
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