美容×健康ライター中村里歩
元美容師で「超」がつく美容・健康マニア。試した美容法・健康法は数知れず…。経験を活かし、美意識の高い女性や、健康に悩む男性に寄り添う記事を執筆するべく活動中。
モットーは「明るく前向きに」「日進月歩」。AIに負けない、読者への愛がたくさん詰まった記事を執筆するため日々勉強中。
ペットボトルの水を開封した後は、賞味期限にかかわらず早めに飲み切る必要があります。直接口を付けて飲んだ場合は当日中に、コップなどに移して飲むときは、2~3日以内に飲み切るようにしましょう。
開封後は、冷蔵庫での保管が大切です。常温保管すると細菌の繁殖が活発になるため注意してください。ペットボトルの水を安全に美味しく飲むために、適切な保管方法と消費タイミングを覚えておきましょう。
水の賞味期限は「定められた条件で保管したうえで、品質が保たれる期間」を示しています。条件の一つとして挙げられているのが、「未開封」での保存です。
では、開封したペットボトルの水は、いつまで飲めるのでしょうか?答えは、口を付けて直接飲んだ場合と、コップなどに移して飲んだ場合とで異なります。
開封すると、空気中の細菌がペットボトル内に侵入しやすくなり、時間の経過とともに品質が低下します。とくに、口を直接付けた場合は、唾液に含まれる細菌がペットボトル中で繁殖しやすくなるため注意が必要です。
口を付けて飲んだ場合は、当日中に飲み切るようにしましょう。多くのペットボトル飲料を製造・販売している伊藤園は、8時間を目安に飲み切るとよいとしています。
直接口を付けず、コップなどに移して飲むときは、2~3日以内に飲み切りましょう。ただし、冷蔵庫で保管するのが大前提です。常温保管の場合は、多湿の環境を避け、1日を目安に飲み切るようにしましょう。
ペットボトルの水は、開封前なら長期保存できる場合がほとんどです。水は無機質のため、基本的には腐らないためです。しかし、開封後は賞味期限にかかわらず、早めに消費する必要があります。
開封後のペットボトルには何が起きているのか、詳しく見ていきましょう。
口内には、多くの細菌が存在しています。ペットボトルに直接口を付けると、唾液に含まれている細菌をはじめ、多くの細菌が混入してしまうのです。歯についている食べかすがペットボトルの中に入るかもしれません。
水分と栄養が揃ったペットボトル内は、細菌の繁殖に適した環境です。ひとたび細菌が入ってしまえば、時間の経過とともにどんどん繁殖していきます。しかし、口を付けていないからといって、安心はできません。細菌は空気中にも浮遊しているため、一度ペットボトルのフタを開けると、空気中の細菌がペットボトル内に侵入する可能性があるのです。
常温保管のペットボトルは、細菌の増殖リスクがいっそう高まります。ペットボトル飲料中の細菌計測を行った試験では、開封後(口付け後)に常温で2時間保管したところ、細菌数が計数不能まで増えたデータがあります。糖分が含まれているジュースは、とくに菌の増殖スピードが速いそうです。
気温が高い時期や、室温が高い部屋での常温保管は、より注意しましょう。30~35度は菌が最も活発になり、増殖しやすいといわれています。
ペットボトルの中で細菌が繁殖しても、見た目にはわからない場合がほとんどです。ペットボトルの水の品質が低下していても、必ずしも味やニオイ・見た目が変化するとは限りません。
しかし、ペットボトル開封後は、少しずつ中身が劣化していきます。たとえ冷蔵庫で保管していても、大丈夫とはいえないのです。
細菌が繁殖している水を飲むと、健康被害につながる恐れがあります。主な症状は、下痢や嘔吐といった消化器系の体調不良です。細菌の中には、食中毒を引き起こす大腸菌や腎炎の原因となるレンサ球菌などの怖い菌も存在しています。
菌は増えるほど、健康被害につながるリスクが高まります。免疫力の弱い幼児や高齢者、妊婦は菌の影響を受けやすいため、とくに注意が必要です。
「開けたらすぐに飲み切るのが大切」とわかっていても、大容量のペットボトルをいくつも開けてしまったり、少量だけ飲みたかったり、どうしても飲み切れないときがありますよね。そんなときでも、少し工夫をするだけで水の鮮度を保てます。
口内の細菌をペットボトルに入れないために、コップを使用しましょう。複数人で安全に飲料を共有でき、必要な分だけ飲めるのがメリットです。
飲みかけのペットボトルは、キャップをきちんと閉めて冷蔵庫で保管する習慣を付けましょう。空気中の細菌混入は避けられませんが、冷蔵庫での保管により細菌の繁殖スピードを抑えられます。
ペットボトルの水を沸騰させて、水中に混入している細菌を殺菌する方法もあります。沸騰させて温かいまま飲むのはもちろん、消毒済みの保存容器に入れて冷やしておけば、保管期間を伸ばせます。保存容器は、酸素透過性の低いガラスやステンレス製が望ましいでしょう。
ただし、水は空気に触れると酸化が進みます。沸騰後であっても、なるべく早めに飲み切るように心がけましょう。
ペットボトルの水をつい飲み残してしまう人は、ペットボトルのサイズを見直してみましょう。2Lのペットボトルを購入している方であれば1L、1Lのペットボトルを購入している方は500mlと、ワンサイズ小さめを選んでみてください。
家族であっても、飲みまわしは避けた方が衛生的です。外出する際は、350ml程度のペットボトルを家族の人数分用意しておくとよいでしょう。
ペットボトルの水が余ってしまっても、すぐに捨てずに使い道を考えてみましょう。たとえば、キャップをペットボトル用のジョウロに付け替えれば、そのまま植物の水やりができます。ブラシ付きのキャップに付け替えれば、掃除用具に早変わり。100円ショップで売っていますので、ぜひチェックしてみてください。
災害時にも、ペットボトルの水は役立ちます。洗濯やトイレなどの生活用水として使用できるだけでなく、耐熱用のペットボトルなら、お湯を入れれば簡易湯たんぽの完成です。水の入ったペットボトルの下から懐中電灯を照らすと、光の乱反射でライトの代わりにもなります。
開封後のペットボトルは、賞味期限にかかわらず早めに消費しなければなりません。一方、開封前のペットボトルは、長期保存できる場合が多いため便利です。日常はもちろん、災害時のストックとしても役立ちます。
ただし、開封前であっても正しく保管できていないと、水の劣化が進む恐れがあります。直射日光や高温多湿は避けて、冷暗所で保管しましょう。キャップ付近に細菌がつかないよう、不衛生な場所での保管も避けた方が無難です。
保管方法の注意点さえ押さえておけば、ペットボトルの水はとても便利。正しく扱い、うまく活用していきましょう。
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