美容×健康ライター中村里歩
元美容師で「超」がつく美容・健康マニア。試した美容法・健康法は数知れず…。経験を活かし、美意識の高い女性や、健康に悩む男性に寄り添う記事を執筆するべく活動中。
モットーは「明るく前向きに」「日進月歩」。AIに負けない、読者への愛がたくさん詰まった記事を執筆するため日々勉強中。
日焼けするとシミができてしまうのは、紫外線によるダメージでメラニンが大量に生成されるからです。シミをつくらないために、日焼け後はすぐにクールダウンをして、たっぷり保湿をおこないましょう。日焼け止めを欠かさず塗るのはもちろん、ビタミンを摂取したり、規則正しい生活をおくるようにして、予防するのが大切です。シミを見つけてうんざりしないためにも、できる対策から始めましょう。
シミの原因は、メラノサイト細胞から生成される「メラニン」です。あまりよくないイメージがあるかもしれませんが、実は紫外線から肌を守る重要な役割を担っているのです。
通常、メラニンは数日経つと肌から排出されます。ところが、紫外線を大量に浴びたり、年齢を重ねたりすると、ターンオーバーの乱れで排出が追いつかなくなります。すると、メラニンが徐々に蓄積され、シミとなってしまうのです。
同じように日焼けをしても、シミのできやすい人とできにくい人がいます。両者の違いは、体質や遺伝といった「先天的要因」だけではありません。肌の乾燥や、無意識におこなっている「クセ」が、シミをつくりやすくしている可能性があります。
日焼けによってできる「シミ」は、大きく分けて3種類あります。「老人性色素斑」「後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)」、そして「そばかす」です。なかでも、後天性真皮メラノサイトーシスとそばかすは、遺伝的要素が大きいと考えられています。
肌の白い人は、もともと持っているメラニンが少なく、紫外線を浴びると、体が肌を守ろうと過剰に働きます。メラニンが積極的に生成されるため、シミになりやすいのです。
肌は6つのタイプに分類され、スキンタイプⅠ・Ⅱに該当する方はシミができやすいとされています。
肌にはバリア機能が備わっており、紫外線をはじめとする外的刺激から肌を守っています。ところが、バリア機能は、水分と油分のバランスがとれた状態ではじめてうまく働き、水分不足の状態では十分に機能しません。
肌のバリア機能が低下すると、紫外線ダメージが肌にダイレクトに届き、炎症を起こしたり、ターンオーバーを乱れさせたりします。結果、メラニン色素が沈着し、シミができやすくなるのです。
肌を触る(さする)と、摩擦により肌内部に炎症を起こし、メラニンが過剰に生成されてしまいます。ニキビができたり虫に刺されたりすると、つい患部を触りがちですが、薬を塗ったらなるべく触らないようにしてください。
無意識のうちに頬杖をついたり、タオルで体をゴシゴシ拭いたりしている方も、注意が必要です。
偏った食事や寝不足が続くと、活性酸素が増えてしまいます。活性酸素は、免疫機能を高める働きをする“なくてはならない存在”です。しかし、過剰に生成されるとコラーゲンやエラスチンを減少させ、メラニンを過剰につくってしまう厄介な性質を持ち合わせています。
また、生活習慣が乱れると肌のターンオーバーも正常に働かなくなり、結果として、色素が沈着しシミとして定着してしまうのです。
日焼け肌は、炎症を起こしている「軽い火傷」の状態です。炎症を素早く抑えるために、迅速なケアを心がけましょう。ポイントは、冷却と保湿です。
火傷をしたらすぐに水で冷やすように、日焼けをしたら真っ先にクールダウンをしましょう。氷や保冷剤を直にあてると刺激が強いので、濡れタオルを使用するか、保冷剤をタオルで巻いてから冷やしてください。
紫外線を浴びた肌は、肌のバリア機能が低下しています。肌のほてりや赤みがひいたら、たっぷりの保湿剤で水分を補給しましょう。
保湿剤は、「敏感肌タイプ」や「低刺激タイプ」を選んでください。化粧水を使った後は、乳液やクリームの油分でフタをしてあげるのも忘れずに。
肌の痛みがひどい、水ぶくれができている、体の熱がひかないなどの症状があるときは、皮膚科を受診しましょう。日焼けは火傷と同じで、早めのケアが肝心です。重症化すると跡が残る恐れがあるため、迷ったときも皮膚科を受診すると安心です。
日焼けによるシミをつくらないために、何より大切なのが「予防」です。まずは紫外線を浴びないようにする、そして、普段の生活を少しだけ健康的にしましょう。できる方法から、取り組んでみてください。
日焼け止めは、365日使用するのがベストです。曇りの日はもちろん、雨の日も紫外線は降り注いでいます。そして、室内にいても窓から紫外線は差し込んでいるのです。
日焼け止めを塗るのが面倒な方は、楽に塗れるアイテムを選んでみてはいかがでしょうか。スプレータイプやスティックタイプなら、手を汚さずに使用できます。スキンケアと一緒にUVケアができるアイテムもよいでしょう。
一日中家にいるのであれば、SPFやPAは値の低いアイテムで十分です。必ずしも効果の高い製品を選べばよいわけではなく、状況に応じた使い分けが必要な点に注意しましょう。
肌のターンオーバーは、睡眠中に活性化するといわれています。十分な睡眠時間を確保できるよう、毎日意識して過ごしてみてください。成人の睡眠時間は、6時間以上がよいとされています。
環境を整えて、睡眠の質を高めるのも大切です。肌触りのよいパジャマを着る、快適な室温・湿度を朝まで維持するといった工夫をしましょう。
また、適度な運動が心地よい睡眠につながる場合もあります。ストレス発散を兼ねて、ウォーキングやストレッチをおこなってみてはいかがでしょうか。
鉄が酸化すると錆びるように、肌も酸化によって「サビ」が生じます。通常、肌には抗酸化作用が働いています。しかし、紫外線を浴びたり生活習慣が乱れたりすると、活性酸素が増加して酸化のスピードが早まってしまうのです。
そこで、ビタミンC・ビタミンE・ビタミンAといった抗酸化作用のある栄養を積極的に摂取しましょう。フルーツや野菜・ナッツ類などをバランスよく摂ってください。ビタミンCは水溶性で排出されやすいため、毎日継続して摂取するのがポイントです。
「ビタミンCは紫外線を吸収しやすくする」と聞いたことがあるかもしれません。結論からいうと、適量を守っていれば摂取しても問題ないとされています。
気を付けたいのはビタミンCではなく、紫外線の感受性を高める光毒性物質の「ソラレン」です。紫外線の吸収率を高める作用があるとされていますが、1日10mgまでの摂取であれば問題ないとされています。
10mgのソラニンを摂取するには、約30kgのレモンを食べなければなりません。1日に食べられる量ではないので、特別心配する必要はないでしょう。
ビタミンCは、健やかな肌をつくるために欠かせない栄養素です。心配な方は、ソラレンが含まれている食べ物を、朝は避けて夜に食べる工夫をして、うまく付き合っていきましょう。
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