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カビアレルギーは風邪と間違えやすい症状…見逃さないで!原因を理解し治療で上手に付き合う【医師監修】

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2025/02/21

カビアレルギーの症状には、くしゃみ・鼻水・咳・喉の不快感などがあります。たとえば、「エアコンをつけると途端に喉が痛くなる」のは、カビアレルギーが原因かもしれません。軽度な場合には症状が風邪と似ているため放置してしまう方も多いのが現状です。しかし、カビアレルギーは適切な治療をしなければ良くなりません。放置せずに医療機関を受診するのが大切です。こまめな換気や掃除、温度・湿度管理をおこない、適切にカビ対策をしながら、カビアレルギーとうまく付き合っていきましょう。

  • 成田

    監修医師成田 亜希子

    2011年医師免許取得。初期臨床研修を経て総合診療医として幅広い分野の治療に携わる。
    臨床医として勤務しながら、行政機関での勤務経験もあり地域の健康課題にアプローチした健康寿命延伸、感染症対策などの医療行政にも携わってきた。 国立保健医療科学院、結核研究所での研鑽も積む。 現在、医療法人ウェルパートナー主任医師。

 

カビアレルギーが引き起こす症状

カビアレルギーとは、カビの胞子を吸い込んで起こるアレルギー反応をいいます。高温多湿になる6~9月はとくにカビが繁殖しやすいため、カビアレルギーに悩まされやすい季節。
軽度なカビアレルギーの症状は風邪と似ているため、自己判断で放置しがちです。しかし、適切な治療をおこなわずにいると、症状の慢性化や、気管支喘息などの深刻な呼吸器疾患に発展する恐れがあります。

カビアレルギーの具体的な症状


  • ・ くしゃみ
  • ・ 鼻水
  • ・ 鼻詰まり
  • ・ 咳
  • ・ 喉の不快感
  • ・ 呼吸困難
  • ・ 皮膚のかゆみ・湿疹
  • ・ 目のかゆみ・充血

カビアレルギーの症状チェックポイント

咳や喉の違和感など風邪のような症状が長引く場合は、以下の項目に該当するかどうかチェックしてみましょう。当てはまる項目が多い場合はカビアレルギーの可能性があります。ただし、チェックリストは、あくまでもカビアレルギーを判断する目安の一つです。気になる症状がある方は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な検査を受けましょう。

カビアレルギーの症状チェックポイント


  • ・ 特定の場所や季節、時間に症状が悪化する
  • ・ 家の中にカビが生えている
  • ・ 湿度が高い場所で長時間過ごすことが多い
  • ・ アレルギー性鼻炎や喘息の持病がある
  • ・ アレルギー性皮膚炎やかゆみがある
  • ・ 疲労感やだるさを感じる
  • ・ 呼吸困難や胸の圧迫感がある

カビアレルギーの検査方法

カビアレルギーの診断には、医療機関での診察とアレルギー検査が欠かせません。呼吸器内科や耳鼻科・眼科・皮膚科など、症状に合わせた医療機関を受診しましょう。
診察では、問診とアレルギー検査をおこないます。まず、症状の経過や家族歴などの問診で、カビアレルギーの可能性を探ります。アレルギーの可能性があると診断されたら、次はアレルギー検査です。一般的には血液中のカビに対する抗体の量を測る血液検査を行います。また、皮膚科では皮膚を検査針で浅く引っ掻く検査「プリックテスト」や、アレルゲンを健常な皮膚に48時間貼布する「パッチテスト」といったより詳細な検査を行う場合もあるでしょう。必要な検査を通して、カビアレルギーの原因となるカビの種類やアレルギーの重症度を特定します。

 

カビアレルギーの原因

アレルギー症状を引き起こすカビの種類は、屋内外の環境中にみられる「空中真菌」と、人に寄生する「ヒト寄生菌」に大きく分けられます。

空中真菌とヒト寄生菌
 

カビアレルギーの予防法

アレルギー症状を引き起こすカビは、湿度・気温が高く、栄養源が豊富な「汚れた場所」を好みます。つまり、カビアレルギーを予防するには、カビが好まない環境、ハウスダストが発生しにくい環境をつくればよいのです。

定期的な換気をおこなう

カビが発生しやすい場所は、定期的に窓を開けて換気しましょう。空気の通り道となる入り口と出口をつくると、より効率的に換気ができるため、窓を2カ所開けるのがポイントです。換気扇や空気清浄機を併用するのも効果的です。

こまめに掃除する

ホコリは、カビとダニの温床です。ホコリというと目に見えるゴミをイメージしますが、「ハウスダスト」は1mm以下の微細なホコリ。肉眼ではなかなか見えませんが、カビとダニを予防するためには、“掃除”が欠かせないのです。
掃除のポイントは、以下の通りです。

掃除のポイント

温度・湿度を管理する

エアコンや除湿機を積極的に活用して、温度と湿度を下げましょう。窓や壁に発生する結露はカビの発生源となるため、こまめに拭き取るのも忘れずに。下駄箱やクローゼットには、除湿剤を置くとカビ対策になります。

 

カビアレルギーの治療方法

カビアレルギーの治療法は、症状の程度や生活環境に合わせて選択します。呼吸器内科や耳鼻科・眼科・皮膚科など、症状に合わせた医療機関を受診し、医師の判断を仰ぎましょう。

カビアレルギーの治療法

薬物療法

薬物療法では、アレルギーによって引き起こされる炎症を薬によって抑えます。用いられるのは、「ステロイド」です。ステロイドは、気管支の炎症を抑えるための吸入薬、鼻の炎症を抑えるための点鼻薬、結膜の炎症を抑えるための点眼薬などとしても用いられます。
長期間継続して使用すると副作用が心配される薬ではありますが、局所的に使用するのであれば、全身に副作用が及ぶケースはほとんどないといわれています。

免疫療法

免疫療法には「注射製剤」と「舌下製剤」の2種類あります。カビアレルギーには注射製剤を用いますが、カビアレルギーと併発しやすいダニアレルギーには、舌下製剤が主に用いられます。舌下製剤による治療は、日本ではアレルギー性鼻炎に対してのみ、保険適用となっています。
免疫療法は、根本的な治療法として、長期的な効果が期待できる治療法です。症状が緩和されれば、治療の減量や中止となる可能性があります。
ただし、重篤なアレルギー症状が現れる可能性もある治療であり、限られた医療機関で行われているのが現状です。

 
カビアレルギーと上手に付き合うために

カビアレルギー対策として忘れてはいけないのが、自己管理です。免疫力を高めるために、バランスのよい食事や十分な睡眠、適度な運動をおこないましょう。ストレスを溜めないよう、息抜きをするのも大切です。
カビアレルギーは、日々の小さな取り組みで改善できます。カビアレルギーとの付き合い方を工夫して、快適な日常を過ごしましょう。

 
監修医師からのアドバイス

カビアレルギーは咳や喉の違和感など風邪とよく似た症状のみが現れる方も多いため、医療機関への受診や正確な診断が遅れるケースが多いとされています。
特定の季節や状況のみで現れる症状は何らかのアレルギーの可能性があります。特に今回ご紹介したように湿度が高いシーズンに屋内で生じる場合はカビアレルギーの可能性があると考えましょう。

カビアレルギーは適切な治療を行ってうまく症状をコントロールすれば不快な症状は改善していきます。一方、放置すると呼吸困難など重篤なアレルギー症状を引き起こす可能性も少なくありません。
気になる症状が続くときは軽く考えず、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。