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カイロを貼る場所はお腹と背中に限らない。つらい冷えにアプローチできる体の部位と、目的別の選び方

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2024/10/11

カイロを貼る場所といえば、お腹や背中が一般的ですが、冷え対策に有効な部位は他にもあります。全身の冷えにアプローチするには、首・手足・腰に貼るのがおすすめです。
市販されているカイロは、種類や持続時間、温度などのバリエーションが豊富にあるため、使用シーンに合ったカイロ選びが大切です。また、低温やけどを防ぐには、タイミングやあて方が重要。つらい冷えを、目的に合ったカイロで快適に乗り切りましょう。

 

冷え対策ができるのは体のどこ?カイロを貼るべき5つの部位

カイロを効率的に使って体をあたためるには、太い血管が通っている場所を意識するのがポイントです。カイロを貼るおすすめの部位を紹介します。

参照:「女性の健康推進室ヘルスケアラボ「冷え」」/厚生労働省研究班

1.首

首の冷え対策には、じっくりとあたためるアプローチが有効です。首には太い血管が通っているため、カイロを首の付け根あたりに貼ると、全身がポカポカしてくるでしょう。厳しい寒さを感じる日には、とくにおすすめです。
首筋はカイロを貼ると目立ってしまうため、首の後ろ、肩との境目あたりに貼ってみましょう。

2.お腹

おへその周りをあたためると、気持ちがゆるんでリラックスしやすくなります。体調によって、心地よさを感じる場所は異なるかもしれません。手のひらを当ててみて「あたためたいな」と思うところにカイロを貼りましょう。

3.背中

ゾクゾクする感じや、肩の不快感をおぼえたら、背中全体をあたためてみましょう。とくに、肩から背中にかけての広い筋肉をあたためるのがおすすめです。背骨を中心に左右に1枚ずつ、もしくは、肩甲骨の間にカイロを貼るとよいでしょう。

4.腰

「腰が冷えると不調が出やすい」人は、カイロを貼る向きを縦・横の両方試し、しっくりくる方を選んでみましょう。おへその真裏あたりや、その両側がおすすめです。

5.足

足首やふくらはぎは、冷えを感じやすい部位です。つま先やふくらはぎをあたためてみましょう。ハイソックスとの併用もよいですね。
筋肉量が少ない女性の中には、太ももに冷えを感じる人もいます。足の付け根の鼠径部も人気の部位です。ぜひ試してみてください。

 

カイロ選び、もう迷わない!6つの判断軸

使い捨てカイロには多くの種類があるため、用途に合った商品を選ぶのがポイントです。
種類や温度、粘着力の強さ、サイズなど、それぞれの特徴やメリットを比べてみましょう。

種類で選ぶ

使い捨てカイロには、大きく分けて「貼るタイプ」と「貼らないタイプ」があり、用途や持続時間が異なります。

背中や足先にピッタリ「貼るタイプ」

「貼るタイプ」は、粘着テープが付いており、衣類に貼りつけて使えるタイプです。背中や腰、足先のように手が届きにくい場所にも簡単に固定でき、あたたかさをしっかり保ちます。腰や足先に適したサイズ展開も豊富です。
ただし、同じ場所に長時間貼り続けると、低温やけどのリスクがあります。時々位置を変えたり、密着しすぎたりしないように注意しましょう。肌への直接使用は禁物です。

手の冷えにおすすめ「貼らないタイプ」

「貼らないタイプ」のカイロは、ポケットに入れておくのに便利なタイプです。手に寒さを感じたら、すぐに取り出して使えますし、「あたたかいグッズを握ると心がホッとする」人もいるでしょう。手袋を外すのが難しい状況でも役立ちます。持続時間が長い商品が多く、1日中あたたかさをキープできる点も魅力です。

持続時間で選ぶ

カイロの持続時間は、約7時間から24時間までとさまざまです。持続時間が過ぎて冷え固まったカイロを身につけているのは悲しいので、外出時間が長いときは、できるだけ持続時間が長いカイロを選びましょう。あたたかさを保てて、交換する手間も省けます。

サイズで選ぶ

カイロには、通常サイズとミニサイズがあります。子どもや小柄な方にはミニサイズ、腰やお腹、広い範囲をあたためるなら通常サイズがおすすめです。
また、足専用や靴下用など、特定の部位にフィットするデザインのカイロもあります。冷えを感じる部位や用途に合わせて選びましょう。

温度で選ぶ

使い捨てカイロの平均温度と最高温度は、パッケージの記載を確認しましょう。最高温度は、40℃台から70℃台までと商品によって幅があります。従来のカイロでは熱すぎる方や、夏季の冷房対策が目的の方、肌が弱い方や高齢者は、やさしいあたたかさの低温タイプを選ぶと安心です。一方、寒い屋外で作業やレジャーをする人には、高温タイプの商品もありますので、目的に合わせて選びましょう。
また、使い捨てカイロに加え、最近では充電式のカイロも人気です。温度が3段階くらいで設定できる商品が多いので、日によって温度を変えたい方は、選択肢に加えてみるとよいでしょう。

粘着力で選ぶ

長時間使用する日やズレが気になる方は、粘着力が強い、貼るタイプを選ぶとよいでしょう。ただし、はがす際に衣類を傷める可能性があるため、注意が必要です。

コスパで選ぶ

コストパフォーマンスを重視するなら、大容量タイプを選ぶと1枚あたりの値段が安くなります。とはいえ、カイロの有効期限は一般的に2~5年。使い切れなければ無駄になってしまいます。使用頻度を考慮して、適切な量を購入しましょう。

 

シーン別!おすすめカイロのタイプ

カイロを貼る場所はお腹と背中に限らない。

使用シーンによって、適したカイロのタイプは異なります。判断の軸となるのは「時間」と「場所」。3つのパターンを紹介しますので、カイロ選びの参考にしてください。

室内での使用

「重ね着しても寒い」「電気代を節約したい」そんな室内での使用には、温度が高すぎないカイロを選びましょう。
低温タイプなら、体を適度にあたためつつ、長時間使用しても低温やけどのリスクを最小限に抑えられます。ただし、うっかり装着したまま寝てしまうと低温やけどの恐れがあるので、注意してください。

室内使用におすすめのカイロ


  • おすすめのタイプ:肌にやさしい低温タイプのカイロ
  • 平均温度:40~50℃程度
  • 保温持続時間:8~14時間程度

通勤通学や短時間の使用

「通勤・通学の間だけあたためたい」。そんな短時間での使用には、保温持続時間が10時間以下のカイロが適しています。
足先だけ冷える場合は、靴や靴下専用のカイロもおすすめです。

短時間使用におすすめのカイロ


  • おすすめのタイプ:通勤・通学に便利な小型タイプや、短時間持続の貼るカイロ
  • 平均温度:35~55℃程度
  • 保温持続時間:10時間以下

屋外での使用

真冬に屋外で作業をする日や、ウィンタースポーツ・試合観戦には、温度が高めで持続時間の長いカイロが必要です。
外気温が低いと、カイロ自体の温度が上がりにくく、冷えるのも早くなります。「屋外専用」「長時間持続」の表記がある商品を選びましょう。

屋外使用におすすめのカイロ


  • おすすめのタイプ:長時間使用できる屋外専用カイロ
  • 平均温度:60~70℃
  • 保温持続時間:10~14時間
 

安全にカイロであたたまるには?使い方と注意点

体だけでなく心もあたためてくれるカイロも、使い方を誤ると低温やけどのリスクがあります。安全で心地よく使うために、注意点を確認しておきましょう。

袋から出して軽く振るだけでOK

カイロは、外袋から出して軽く振るだけで発熱が始まります。昔のカイロは、中身をよく混ぜるために揉む必要がありました。しかし、最近はカイロの品質が向上し、揉まなくても発熱するようになっています。
揉んでしまうと、逆に発熱が妨げられる恐れも。とくに、貼るタイプのカイロは、揉むと内容物が偏る場合があるので注意しましょう。

寝るときは使用を控え、低温やけどに注意

カイロを使う際、とくに注意すべきは「低温やけど」です。
低温やけどは、体温より高め(44~50℃)のカイロや湯たんぽに長時間触れ続けると起こります。短時間なら問題がない温度でも、長時間触れ続けるとやけどを引き起こす可能性があるのです。とくに、高齢者や子どもがカイロを使用する際は、十分注意しましょう。また、皮膚表面に影響が少なくても、深部に損傷がおよび、医師の治療が必要になるケースもあります。
低温やけどの予防には、温度と接触時間が重要です。カイロは肌着や衣類の上に貼り、体をほんのりあたためる程度にするとともに、長時間同じ部位にあて続けないよう注意しましょう。以下の予防方法で、低温やけどのリスクを減らせます。

低温やけどの予防方法


  • ・ 寝るときには使わない
  • ・ 暖房器具と一緒に使わない
  • ・ 長時間同じ部位にあて続けない
  • ・ 肌に直接あてず、衣類に貼ったり、布でくるんだりする

食品の保温には使用不可

「カイロをお弁当箱と一緒に入れておけば、ほんのりあたたかいご飯が食べられるのでは」と考える人もいるかもしれません。しかし、カイロの発熱温度は雑菌の繁殖に適しているため、食品の安全性を損なう恐れがあります。カイロを食品の保温に使用するのはやめましょう。
そもそも、カイロが発熱するには酸素が必要です。身につけていれば、身体の動きで空気の流れが生まれてあたたかさが持続しますが、置いておくだけでは放熱が多く、すぐに冷たくなってしまいます。

 
最初はお試しで貼ってみて、自分にとってのベストを見つけよう

「カイロを貼ると調子がよい部位」は、人によって違います。ある人にとっては「ポカポカして気持ちいい」と感じられても、別の人にとっては「貼るとのぼせてしまう部位」かもしれません。
まずは短時間の使用で試し、自分にとってのベストな場所を見つけましょう。お気に入りのカイロが見つかったら、銘柄をメモしておくのも忘れずに。災害時にも役立ちますので、防災バッグにも入れておくとよいですね。

  • 中村藍

    教育・福祉・取材ライター中村藍

    小学校・特別支援学校での20年の教師経験を活かし、教育や発達支援、福祉分野で活動するライター。
    現在も公立学校非常勤講師として教育に携わる。日本音楽療法学会認定音楽療法士の資格をもち、社会福祉法人にて非常勤の音楽療法士としても勤務。
    「わかる・できる・ラクになる」をモットーに、子どもたちや保護者に寄り添い、学校生活や家庭でのお悩みごとを解決に導く記事を心がけている。