一級建築士・ライフスタイルライター神谷三理砂
住宅やインテリアの意匠設計に従事した経験を活かし、家の間取りやデザイン、インテリアなど住まいに関するコラムを多数手掛ける。ジュエリーデザイナーとしての経歴も長く、ファッション系コラムも執筆。最近は、より生活に役立つ記事を書きたいという思いから健康コラムに力を注ぐ日々。
刺繍や洋裁、家庭菜園といった手仕事を楽しむ暮らしを大切にしている。
有効期限が切れたカイロは、「まだ使える?」「発火しない?」「そのまま捨ててもいいの?」と扱い方に迷いがち。捨てる場合は、自治体によって方法が異なるため注意が必要です。再利用するなら、消臭剤・除湿剤・ガーデニングの肥料にしてみましょう。ビニール袋に入れて空気を遮断すれば一時的に発熱が止まり、後でまた使用できます。カイロの安全な捨て方・再利用方法・期限切れを防ぐ方法を知って、残ってしまったカイロも上手に活用しよう。
有効期限を過ぎたカイロは、徐々に性能が下がっていきます。まったく使えないわけではありませんが、使用するのはあまりおすすめできません。パッケージに記載されている持続時間よりも短くなったり、温度が高くなったりする可能性があり、品質を保証できないためです。
使用するなら、開封後に様子をみながら使いましょう。とくに、貼るタイプの期限切れは、万が一通常よりも温度が高くなると、やけどのリスクが高まるため注意してください。
カイロの捨て方は、各自治体の分別ルールに従うのが基本です。有効期限切れ・未使用・使用済みカイロの正しい捨て方や注意点をチェックしておきましょう。
カイロの分別は、「可燃ごみ」「不燃ごみ」「金属・陶器・ガラスごみ」と、お住まいの地域によって異なります。中身の主成分である鉄の扱い方が、自治体によって違うためです。同じ都内や県内でも、区や市によって分別方法が異なるケースがあるため、「◯◯区(◯◯市)カイロ 捨て方」で検索してみてください。
未開封の期限切れカイロや未使用カイロは、外袋から出し、自治体のルールに沿って、外袋とカイロ本体を分別して捨てましょう。あたたかいまま捨てても、発火するほど高温になったり物を燃やしたりする危険性はありません。発熱が終われば自然に冷えた状態になるため、問題がないとされています。ただし、「完全に冷めてから捨ててください」と指示している自治体もあるため、念のため冷えた状態で捨てるのが望ましいでしょう。
発熱が終わった使用済みカイロは、各自治体の分別ルールに従って捨てましょう。カイロの中身と不織布は分けずに、そのまま廃棄してください。
期限切れカイロを開封し、いったん発熱させてから冷ましたら、消臭剤や除湿剤として再利用できます。使えなくなったからとすぐに廃棄せず、違う用途で活用して、お財布や地球環境に貢献しましょう。とくに、有効期限切れのカイロが大量にあるなら、捨ててごみにせず、再利用を意識するのが大切です。
靴やブーツ、冷蔵庫といったニオイが気になる部分にカイロを入れて、消臭剤として活用しましょう。カイロの原材料には、消臭作用のある活性炭が含まれています。市販の消臭剤よりも炭の量が少ない分、持続時間は短めですが、活性炭がニオイ成分を吸着し、消臭してくれるのです。効果が薄まったと感じたら、交換しましょう。
カイロの原材料には、土壌の保水性向上のために使用される、吸水性に優れたバーミキュライトが含まれています。靴箱やクローゼットなど、湿気が気になる場所に置けば、消臭と除湿の2つの効果を得られるのです。
主成分の鉄は、土壌の酸素量を増やして作物の根の成長を促進する働きがあります。また、バーミキュライトは、保水性や保湿性・保肥性(肥料成分を蓄える)に優れており、ガーデニングの肥料としてもおすすめです。
ただし、そのまま土に散布できるタイプと、肥料として使用できないタイプがあります。多くのカイロには塩化ナトリウムが含まれており、肥料として使うと、植物が枯れる原因となってしまうのです。肥料として使用されている塩化カリウムが配合されているカイロであれば、そのまま土に還せます。
製品のパッケージを確認し、「使用後の中身は土壌改良剤として再利用できます」といった表示があれば、ごみの削減にもつながるでしょう。
カイロを購入したら、必ず有効期限を確認しましょう。冬の防寒対策として使用するイメージが強いかもしれませんが、夏場の冷房対策や年間を通した冷え対策にも重宝します。また、使用中のカイロは空気を遮断すると発熱が止まるため、通勤・通学の限られた時間のみに使用し、時間を置いてから再度使用も可能です。
カイロの有効期限は製品によって異なりますが、おおよそ3年ほど。長期保存できるタイプもあります。期限が長く、うっかり使用するのを忘れて期限が切れてしまう方も多いため、カイロを購入した際は有効期限を確認しましょう。期限が異なるカイロがあるときは、有効期限が近い物を手前に置いて収納すると、効率的に消費できます。
カイロは開封すると発熱が続きますが、ビニール袋に入れて空気を遮断すると発熱をいったん止められます。ビニール袋を開ければ再び発熱するため、必要なときだけ使用できるのです。たとえば、往復の通勤時や、冷房の効いたカフェといった、短時間で暖をとりたいときに無駄なく使用できます。発熱を止めながら必要に応じて活用すれば、効率的に使い切れるのでおすすめです。
カイロは寒い冬に使用するだけでなく、夏の冷房の効いたオフィス・カフェ・自宅といった室内での冷房対策としても便利です。また、日常的な体の冷え対策として、一年中活用できます。
夏の冷房対策には、心地よくあたためてくれる、平均温度が50℃程度の低温タイプを選びましょう。さらに、体にフィットする薄型タイプであれば、薄着でもカイロを貼ったときに目立ちにくく、ファッションに響くのが気になる方でも使いやすいでしょう。従来のカイロでは熱すぎると感じる方にも最適です。
つらい冷え対策には、平均温度が47℃程度の、おなかにやさしいあたたかさのカイロを選びましょう。体の冷えがつらい方はもちろん、従来のカイロでは熱すぎる、一年中穏やかに使いたいといった方にも最適です。
使用した後のカイロを再利用すると、無駄を減らせてごみの削減にもつながります。最近は、使い終わったカイロを回収し、水質改善に役立てる取り組みもみもあるため、カイロをたくさん使う方はチェックしてみてください。「使い捨て」から「活かし切る」に発想を切り替えて、将来の地球環境を守るエコでサステナブルな暮らしを目指しましょう。
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