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手荒れの一大原因は乾燥!水仕事が多い人に知ってほしい、かさつきの予防法とハンドクリームの塗り方

皮膚用薬SKIN MEDICINE
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2024/12/18

手荒れを予防するためには、正しい原因と対策を知る必要があります。不快なかさつきの大元は乾燥です。水仕事をする機会が多い美容師や、アルコール消毒を頻繁に行う看護師は、常に手荒れトラブルと隣り合わせといえるでしょう。しかし、職業柄お湯や水を避けきれないからといって、あきらめるのは早いです。「ハンドクリームでのアフターケア」と「刺激の少ない手洗い」をぜひ実践してみてください。

 

手荒れの原因は「乾燥」と「バリア機能の低下」

手荒れが起こる理由は、乾燥によってバリア機能が低下するためです。バリア機能とは、肌を健やかに保つための機能を指します。バリア機能が正常に働いていれば、肌はうるおいで満たされた状態です。しかし、ひとたび手指が乾燥すると、バリア機能が低下し、肌は外部からの刺激にさらされてしまいます。
肌が外部刺激をまともに受けると、さらにうるおいが逃げ、「かさつき」や「ひどい乾燥感」といった、肌荒れの症状につながってしまうのです。

 

手荒れしやすい人=手が乾燥にさらされやすい人

手が乾燥しやすい状況におかれている人は、手荒れに悩みやすくなります。とくに、水仕事やアルコール消毒は、手指に必要なうるおいまで洗い流しかねません。手が乾燥しやすい人の特徴をチェックしてみましょう。

水仕事が多い人:美容師・飲食業・食器洗いをする人

手荒れしやすい人の代表が、水仕事をする機会が多い人です。お客さんの髪を洗う美容師や、衛生上、手洗いが義務付けられている飲食業の人が挙げられます。職業に限らず、頻繁に食器洗いをする人も、乾燥しやすいでしょう。
ただの水も、常にあびれば立派な刺激物になります。シャンプーやカラー・パーマ液、食器洗い洗剤の刺激が追い打ちをかけ、手荒れに発展するケースも少なくありません。

アルコール消毒をよくする人:看護職・介護職・調理職

アルコール消毒が欠かせない人も、手荒れしやすいと考えられます。看護職や介護職、調理職の方が該当するでしょう。
消毒液に含まれる強い成分や摩擦が手に外部刺激を与え、アルコールが手指の油脂を奪ってしまいます。また、手にまとわせたアルコールが揮発するときに、肌の水分が急速に奪われてしまうのも、バリア機能低下の一因です。

段ボールを触る機会が多い人:事務職・配送業

段ボールをよく触る事務職や配送業の人も、手荒れしやすい人に該当します。
紙でできた段ボールは、手指の油分を奪いがち。段ボールとセットで使うガムテープの粘着部分も、皮脂を奪いかねないので要注意です。また、すでに乾燥した手指で段ボールに触れると、摩擦によって状態が悪化するおそれもあります。
摩擦の観点からいうと、キーボードを叩く時間が長いデスクワークの人や、手で楽器を演奏するピアノ奏者の人も、手荒れしやすいと考えられるでしょう。

 

セルフでできる手荒れ予防&対策

手荒れの一大原因は乾燥!

手荒れの予防に努めるときは、「手指をいかに乾燥させないか」を考えてみてください。外部刺激を避ける対策や、水に触れる頻度の見直しがカギとなります。また、水やお湯に触れたあとは、とくに乾燥しやすい状況下のため、アフターケアの徹底も大切です。

40℃前後の熱すぎないお湯を使う

まず、水仕事の際は、熱いお湯を使わないようにしましょう。熱いお湯は肌表面にある皮脂膜を溶かし、角質内にある保湿成分を流し出してしまいます。寒い冬はついお湯を使いがちですが、うるおいを逃がさないためには、熱すぎない40℃前後に設定しましょう。

ニトリル製のゴム手袋をはめる

水や食器洗い洗剤といった、物理的刺激から手指を守るためには、ゴム手袋の着用がおすすめです。しかし、天然ゴムはアレルギーを引き起こしかねません。一般的なゴム手袋で手が荒れてしまう際には、合成ゴム製のニトリル手袋を選んでみてください。すでに手荒れがひどい人は、使い捨てのニトリル手袋に、綿製の手袋を一枚仕込むとよいでしょう。

石けんやハンドソープを使いすぎない

手荒れを防ぐためには、石けんやハンドソープを使いすぎない心がけも大切です。油分が奪われすぎてしまったり、必要以上に摩擦が起こったり、手指に残った泡が手荒れに発展したりします。各商品に記載された「適量」を心がけましょう。

やさしく洗って水分をきっちり拭う

石けん・ハンドソープを適量とったら、手をやさしくこすり合わせて洗いましょう。手洗いのポイントは、以下のとおりです。

  • ・ ゴシゴシとこすらず、できるだけ摩擦が起きないようにする
  • ・ 手を拭くときは、摩擦に注意し、タオルに水分を吸わせるようにする
  • ・ 残った水分は蒸発するときに、必要な水分・油分まで奪いかねないため、手に水分が残らないよう、きっちり拭っておく

ハンドクリームをすかさず塗る

手洗い後は、すみやかにハンドクリームを塗ってください。保湿成分リッチなハンドクリームは、乾燥しがちな手洗い後の手をうるおいで包んでくれます。香り付きのアイテムなら気分をリフレッシュさせてくれるので、荒れた手にガッカリする気持ちもやわらげてくれるでしょう。

 

ハンドクリームの正しい塗り方

手荒れの大元となる乾燥を防ぐためには、ハンドクリームによるこまめな保湿ケアが重要です。とはいえ、大量に何度も塗ればいいわけではありません。使用タイミングを含め、適切な塗り方を心得ておきましょう。

頻度・使用量:1日数回適量を患部に塗布

ハンドクリームは1日に数回、乾燥しているところに適量を塗るのが基本です。症状や商品にもよりますが、1日に3~5回程度、使用量は人差し指の指先から、第1関節までの長さを目安にしましょう。
しかし、場合によっては手がすべって作業しにくくなるかもしれません。シーンと状態に合わせて調整しましょう。

塗り方:手を清潔にし、すみずみまで広げる

ハンドクリームを塗るときは、事前に手を洗って、汚れや古い角質を取り除いておくのがポイントです。手に余分な汚れが付いていると、ハンドクリームが十分に行き渡りません。手が清潔になったあとは、手のひらを合わせてハンドクリームを温めたうえで、指1本1本や指の間にまでしっかり塗り広げましょう。より角質層まで浸透しやすくなります。

  • (1)手を洗って清潔な状態をつくる
  • (2)手に適量とり、手のひら同士を合わせてハンドクリームを温める
  • (3)温めたクリームを甲にとり、甲同士を重ね合わせるように広げる
  • (4)親指から小指に向けて順にのばしていく
  • (5)各指と指の間、爪のまわりまで丁寧にすりこむ

使用タイミング:乾燥が気になったときすべて

ハンドクリームを使用するべきタイミングは、水仕事や手洗い、アルコール消毒のあとなどです。長時間ケアできない就寝前や起床時も、塗っておくのをおすすめします。ほかにも、「乾燥が少しでも気になったとき」と覚えておくとよいでしょう。

  • ・ 水仕事や手洗いのあと
  • ・ アルコール消毒のあと
  • ・ 就寝前・起床時
  • ・ 乾燥に気付いたとき
 
ひどくなる前に皮膚科の受診も要検討

いくらセルフケアしても手荒れがひどくなるなら、医療機関(皮膚科)を受診してみてください。放置してしまうと、症状がさらに悪化しかねません。受診すべき目安は、強いかゆみ・皮めくれの症状がある際や、患部がジュクジュクしてきたときなどです。
手荒れの原因が、乾燥ではなくアレルギーの可能性もあるため、何に反応しているか詳しく知る必要があります。少しでも不安要素があるなら、一度皮膚科を受診してみましょう。

  • 白井未奈子

    セラピストライター白井未奈子

    サービス業を10年経験するなかで、リラクゼーション業務に出会い「人を癒す」ことに目覚める。
    フリーランスに転向して以降は、ボディートリートメントとフェイシャルエステの知識を活かし、美容・健康系の記事執筆を中心に担当。今は手ではなく、文章で読者にくつろぎとすこやかさを届けることを目指している。