管理栄養士ライター広田千尋
病院、保育園、保健センターなどで13年間勤務。生活習慣病の方への栄養相談や、高齢者への栄養サポート、また赤ちゃんや子どもの食事相談など、幅広い年代の栄養サポートに携わる。現在は経験を活かし、フリーランスとして活動中。わかりやすく実践しやすいコラム執筆や、身近な材料で簡単に作れるレシピ作成を得意としている。
キッチンのレンジフード掃除は自分で行えます。業者に依頼しなくても、重曹や中性洗剤を使いこなせば、ベタベタした油汚れがスッキリきれいに。フィルターやファンも外し方のコツを知れば、細かい部分まで掃除できます。一度ピカピカにした後は、こまめなお手入れやグッズを活用して、きれいな状態をキープしましょう。また安全やトラブル防止のためにも注意点を守り、正しく掃除を行ってください。
レンジフードにたまった汚れの正体は、混ざった油とホコリ。ベタベタしていたり、分解するのが大変そうだったり・・・。「自分で掃除するのは難しいのでは?」と思うかもしれません。しかし実は、業者に頼まなくても掃除ができます。内部のファンも含めて、自分でスッキリきれいにできるため、後ほど紹介する方法を実践してみましょう。
レンジフードの汚れを放置すると、さまざまなトラブルが起きかねません。たとえば、換気効率が低下すると、調理後のにおいがなかなか消えなかったり、キッチンのまわりが油でベタベタする恐れがあります。ほかにも、レンジフードの異音・振動・故障の原因になる、時間とともに油が固まってしまい、掃除しても取りづらくなるといったケースも考えられるでしょう。レンジフードのトラブルを防ぎ、キッチンをきれいに保つためにも、定期的な掃除が理想です。
ベタベタ汚れがたまったレンジフードも、アルカリ性の重曹を使うと、酸性である油汚れをスッキリ落とせます。重曹を使った掃除法について、準備物やファンの取り外し方など、手順をお伝えするので、掃除の参考にしてみてください。
レンジフードの掃除をする際は、下記を準備しておきましょう。すべて準備した状態でスタートすると、効率的に掃除を行えます。
まずはレンジフードの掃除を始める前に、コンロのまわりや床に新聞紙を敷き、汚れが飛び散るのを防ぎましょう。油汚れが飛び散ってしまうと、さらに掃除が大変になってしまいます。
久しぶりに掃除をする際には、かなり汚れがたまっている場合も考えられるので、念のためレンジフードまわりの壁をビニールで養生すると安心です。
そして安全のためにレンジフードの電源を切り、電源プラグを外してから作業を行います。
ゴム手袋をはめて部品を外していきます。
まずは整流板といわれるカバーを外しましょう。引っかかっているだけの場合が多く、手で簡単に外せます。整流板がついていないレンジフードは、省略してOKです。
次にフィルターを外したら、シロッコファンといわれる筒状のファンを取り外しましょう。ドライバーを使って外すケースもあります。もしわかりづらいときは、取扱説明書を確認してみてください。外した際のネジや細かな部品は、なくさないように容器に入れておくと安心です。
フィルターとファンを浸け置き洗いします。
シンクに水をためられる場合は、シンクに40~50度程度のお湯をためましょう。または、大きなポリ袋で代用しても問題ありません。
お湯の中にフィルター・ファンを入れ、重曹を入れます。重曹の量は、お湯1リットルに対して、大さじ1ほどが目安です。
浸け置き状態で放置し、お湯が冷めたら、歯ブラシやスポンジを使って汚れを落としましょう。ベタベタが気になるなら、台所用中性洗剤を使用してください。最後は水でしっかりとすすいで、よく乾かします。
取り外しのできない内側部分やレンジフードのまわりは、重曹水を使って拭き上げます。
お湯1リットルに対して、大さじ1ほどの重曹を溶かした重曹水に、雑巾や古布を浸して絞り、汚れが気になる部分を拭きましょう。ホコリがたまりがちな、レンジフードの上も忘れずに。
仕上げに、固く絞った布で水拭きをしましょう。最後は取り外したパーツを元に戻したら完了です。
レンジフード掃除の理想頻度は2~3カ月に1回程度。汚れがたまらないうちに掃除をすれば、あっという間に完了でき、ピカピカの状態をキープできます。
忘れてしまわないように「偶数(奇数)月の初めに掃除する」「季節の変わり目に掃除する」と、ルールを決めておくのもよいかもしれません。
実は簡単に行えるレンジフード掃除。手軽に行えるとはいえ、安全に行うためには注意すべき点がいくつかあります。掃除をする前に知っておきましょう。
レンジフードの掃除をする際は、必ず電源を切り、電源プラグを抜いた状態で行いましょう。電源プラグの場所がわからないときは、ブレーカーを落とす方法でも問題ありません。
電源を切らずに掃除をすると、感電やケガの恐れがあります。
掃除をするときは、ゴム手袋をつけて作業するようにしましょう。部品によるケガと、洗剤での手荒れを防ぐためです。
また、部品を取り外すときは慎重に行い、ケガや部品の破損が発生しないよう注意しましょう。
アルミ製の部品に重曹やセスキ炭酸ソーダといったアルカリ性の洗剤を使うと、変色する可能性があります。重曹は使わずに、中性洗剤を使用して掃除を行ってください。
また、メーカーによって使用できる洗剤が異なる場合があるため、必ず取扱説明書を確認し、作業するようにしましょう。
レンジフードを日頃からきれいに保つには、こまめなお手入れが大切です。レンジフードのまわりや整流板の表面は、日頃から重曹水や台所用中性洗剤を薄めた液で拭き上げるようにしておくとよいでしょう。
汚れ防止グッズを使うのもひとつの方法です。整流板の上から取り付けられるフィルターや、シロッコファン用カバー、整流板の裏側につけられる汚れ防止シートなど、さまざまなグッズがあります。フィルターやシートが汚れをキャッチしてくれるため、きれいな状態をキープしてくれるでしょう。
毎日のように使うため、レンジフードは汚れがたまりやすい場所です。放置するとどんどん掃除しづらくなってしまうため、この機会にぜひ掃除を行ってみましょう。一度掃除方法を覚えてしまえば、次回からの掃除が楽になるはずです。
最後に、レンジフードは製品によって、取り扱い方や注意点が異なるケースがあります。掃除をする前に取扱説明書をチェックして、適切に掃除を行いましょう。
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