看護師ライター北村由美
看護師として総合病院、地域病院、訪問看護ステーション等で約30年勤務。超低出生体重児から103歳の高齢者まで看護を経験。
自らが家族の介護を行う中「自分の知識、経験が困っている人の役に立てるのではないか」と考えるようになり、ライターを開始。「読者が共感できる記事」をモットーに医療・健康分野の記事、看護師向け記事を執筆している。
春や秋の季節の変わり目に起こる頭痛は、気温や気圧の変化、環境の変化によるストレスが影響しています。片頭痛と緊張型頭痛が起こりやすく、吐き気や肩こりが伴うケースも。普段から生活習慣を整えたり、趣味や運動でリフレッシュするのが重要です。痛みがあるときは、片頭痛なら冷やし、緊張型頭痛なら温めると痛みが軽くなります。頭痛タイプを見極め、痛みが続くときは薬を服用するといった対処法を実践しましょう。
春や秋の季節の変わり目は、気温や気圧の変化、環境の変化によるストレスで、頭痛が起こりやすい時期です。原因を詳しくみていきましょう。
春や秋の季節の変わり目は、天気が急に変化する日があるでしょう。気温や気圧の大きな変化はストレスとなり、自律神経の乱れから頭痛を引き起こすとされています。
自律神経とは、意識的な努力をせず自律的に働く神経。交感神経と副交感神経があり、血圧・心拍数・体温といった生命活動の維持に関わっているのです。交感神経は活動するときやストレスがあるときに働き、副交感神経は休息するときやリラックスするときに働きます。両者はバランスをとりながら働き、生命活動をサポートしていますが、気温や気圧の変化が大きいとバランスが乱れ、さまざまな不調をもたらすのです。
環境の変化によるストレスも、頭痛を引き起こす原因の一つです。春や秋は入社や異動などで環境が変わる時期です。緊張によって、頭から首の筋肉が硬くなりやすくなります。すると、筋肉の血行が悪くなり、血管で炎症が起こり、痛みを引き起こすと考えられています。
春や秋に起こりやすい頭痛は、片頭痛と緊張型頭痛の2つがあり、どちらも要因の一つにストレスが考えられています。症状や痛みの特徴を詳しくみていきましょう。
片頭痛は「頭の片側または両側のこめかみ付近がズキンズキンと脈打つように痛む」のが特徴です。月に1~2回や週に1~2回といった頻度で起こり、吐き気を伴うケースもあります。状況によっては寝込んでしまい、日常生活に支障をきたす人も。また、ストレスを感じている最中だけでなく、ストレスから解放されたときも起こりやすいため注意が必要です。
片頭痛は、なんらかの刺激によって放出される、神経伝達物質の影響で起こると考えられています。メカニズムは諸説あり、まだはっきりとはわかっていません。現在考えられている要因と痛みの特徴は以下のとおりです。
緊張型頭痛は「頭が締め付けられるような痛みが30分~7日間続く」のが特徴です。慢性化すると1カ月に15日以上続くケースもあります。ストレスなどによって首や肩の筋肉が緊張し、血流が悪くなり痛みを引き起こすとされています。不明な点も多く、研究が進められている段階です。要因と痛みの特徴は以下のとおりです。
頭痛のセルフケアは、片頭痛か緊張型頭痛かによって対処方法が異なります。片頭痛では冷やすと症状が和らぎ、緊張型頭痛は温めると痛みが軽くなるので、頭痛タイプの見極めが大切です。セルフケアについて一つずつ解説します。
片頭痛が起こっているときは、頭を冷やす、暗い部屋で安静にする、カフェインをとるといった方法が効果的です。解熱鎮痛薬の服用も検討しましょう。
頭を冷やすと、痛みを軽くするのに役立ちます。氷枕や冷却枕をタオルでくるみ、頭の下に敷いてみるとよいでしょう。こめかみが痛いときは、冷却シートや保冷剤を当てると楽になる場合があります。
片頭痛が起きているときは、部屋を暗くして安静に過ごします。入浴や運動は血管を広げてしまい、痛みを悪化させる恐れがあるため避けてください。可能であれば睡眠をとりましょう。
コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは、痛みを和らげるのに役立ちます。しかし、とりすぎると頭痛の原因になるときも。飲みすぎに注意しましょう。
頭が締め付けられるような痛みがあるときは、温めたり、軽い運動をしたりして対処します。ただし、運動によって痛みが強くなるときは、片頭痛の可能性があります。運動は中止し、安静にしましょう。
入浴したりホットタオルで首や肩周辺を温めたりすると、筋肉の緊張がほぐれます。血流もよくなり痛みが和らぐでしょう。
適度な運動は体の緊張を和らげ、血流を促します。ウォーキングやストレッチなどで体を動かすようにしましょう。ストレス解消にも役立ちます。
春や秋の季節の変わり目の頭痛を予防するために、生活習慣を見直して規則正しい生活を送りましょう。スマホやパソコンの使い方にも注意が必要です。趣味や運動も楽しみましょう。
気温や気圧の急激な変化に対応するには、規則正しい生活を送り、自律神経のバランスを整えるのが大事です。以下のポイントを参考にしてみてください。
片頭痛を引き起こす要因の一つに光があります。太陽の光や室内照明、車のランプによって痛みが起こる方も。スマートフォンやパソコンの光も注意が必要です。
また、デバイスの長時間の連続使用により、緊張型頭痛を招くときもあります。頭から肩の筋肉が緊張して血流悪化につながり、痛みを引き起こすのです。使用する際は、以下の点に注意しましょう。
ストレスが蓄積すると、頭痛を招きやすくなります。趣味や運動といった自分の好きな活動でリラックス・リフレッシュしましょう。好きなアロマの香りを楽しむ、家族や友人とゆったり過ごすといった方法もおすすめです。何でリラックスできるかは人それぞれなので、自分に合った方法を実践しましょう。
普段から頭痛が起こりやすい方は「頭痛ダイアリー」の記載をおすすめします。頭痛が起きた日時や痛み方、持続時間を記載しておくと、どんなときに起こりやすいかがわかるでしょう。医療機関を受診する際にも役立ちます。
参照:「頭痛ダイアリー」/一般社団法人 日本頭痛学会セルフケアをしても頭痛が続くときは、医療機関を受診しましょう。片頭痛か緊張型頭痛かを診断し、適切な薬を処方してもらえます。ただし、以下の症状がみられるときは、脳神経外科または脳神経内科をすぐ受診するようにしましょう。
季節の変わり目の頭痛は、ストレスにより引き起こされる場合が多いです。自分では意識していない出来事が、ストレスを招いているときもあります。緊張が続かないようにリラックスできる方法をとり入れ、自律神経をうまくコントロールしていきましょう。規則正しい生活を送るのも重要です。
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