セラピストライター白井未奈子
サービス業を10年経験するなかで、リラクゼーション業務に出会い「人を癒す」ことに目覚める。
フリーランスに転向して以降は、ボディートリートメントとフェイシャルエステの知識を活かし、美容・健康系の記事執筆を中心に担当。今は手ではなく、文章で読者にくつろぎとすこやかさを届けることを目指している。
「黄砂の時期はいつから?」の答えは、ズバリ2月から5月です。ピークは3月と4月で、中国の砂漠・黄土地帯から発生し、韓国や日本へ飛来します。小さな粒子は、車や洗濯物に付着するほか、鼻や喉から体内に入り込む可能性も。健康を守るために、日々の情報チェックと対策を習慣化しましょう。飛散量が比較的少ない北海道や関東・東海地方に住んでいる方も、関係ないと思わずに目を通してみてください。
黄砂は例年2月頃から徐々に飛びはじめ、3月から4月にかけてがピークです。2023年に日本気象協会が発表したデータによると、4月の飛散量が最も多く、6月に入ると格段に減少します。7月・8月になると黄砂の飛散はほとんど確認されなくなりますが、ほぼ1年を通して日本へ飛来しているため、断続的な対策が必要です。
※参考:「例年「黄砂」の飛来いつまで多い? 大気汚染物質とともに飛来することも 影響と対策」/日本気象協会黄砂の飛散量が3月から4月に多くなるのは、乾燥と風が強まる時期だから。黄砂のピークにあたる春先は、発生源である砂漠地帯や黄土地帯において、雪解け後の空気が乾燥しやすい時期にあたります。まだ植物が十分に生えていない地表に、中国大陸から吹く西風が加わり、日本へ黄砂をさらに舞い込ませるのです。
黄砂の飛散量は、気象庁と環境省のサイトで確認できます。気象庁では、主に目視による観測方法を用い、実況に加えて黄砂分布の解析や予測情報を公開。一方で環境省は、レーザー光線を利用したライダー装置を用いて、地上から上空にかけての黄砂量をリアルタイムで提供しています。 今現在の飛散量を知りたい人は環境省、先々の飛散量を把握しておきたい人は、気象庁のページが役立つでしょう。両機関のサイトをまとめたページもあるので、目的に応じて使い分けてみてください。
※参考:「現在の状況」/環境省・気象庁黄砂の主な発生源は、中国にある「タクラマカン砂漠」「ゴビ砂漠」「黄土高原」の3か所です。強風によって発生した砂嵐によって巻き上げられた土壌の鉱物や粒子が、偏西風にのって中国全土や韓国、日本へと飛来します。飛散の程度は、粒子の大きさや風、植物の繁殖状況などに大きく左右されるため、一概にはいえません。飛来途中で海へ降下し、海洋の生態系に影響を与えるケースもあります。
日本では、福岡をはじめとする九州・中国地方で、より多くの黄砂が観測されています。飛散量の違いは、中国大陸からの距離に関係していると考えられており、中国に近い地域の飛散量は多く、遠い地域は比較的少ない傾向です。関西の中心都市である大阪も、黄砂の被害に遭いやすい地域と考えられています。
中国・韓国・日本へと広く飛散する黄砂は、生活や環境に多くの影響を及ぼします。人や動物への健康被害はもちろん、道路や線路、農作物への被害も見逃せません。とくに、黄砂で視界が悪くなった道路では、車の事故が頻発するおそれがあります。また、日常生活においては、車や洗濯物が汚れるといった問題が懸念されているのです。
黄砂が健康に与える影響として挙げられるのは、大きく分けて「アレルギー症状」「循環器疾患」「呼吸器疾患」の3つです。飛散量や濃度が高いほど、症状が出やすい傾向にあります。 とくに目や鼻にあらわれるアレルギー症状は、金属アレルギーを持っている方に多く見られます。また、黄砂とスギ花粉のピーク時期は重なるため、金属アレルギーや花粉症がある方は、より警戒しましょう。
健康をゆるがす黄砂は、しっかりとした対策・予防が欠かせません。「付着させない」「持ち込まない」を基本に、2月から5月は行動してみてください。日常生活で実践できる対策を紹介します。
家にいるときは、窓を開けないのが基本です。風にのって飛来した黄砂が、屋内に入り込む可能性があります。窓を開ける代わりに活用したいのが、空気清浄機です。空気を清潔に保つのに役立ちます。とくに、PM2.5対応などの高性能モデルなら、万が一室内に黄砂が入り込んでも心強いでしょう。季節の変わり目にあたる春先は乾燥しやすいため、加湿器との併用もおすすめです。
黄砂シーズンのお出かけには、マスクを着用するように心がけましょう。鼻や口に黄砂が入り込むのを防げます。目や髪の毛に黄砂を付着させないためには、サングラスや帽子の着用も有効です。 さらに、帰宅後は黄砂にさらされた肌を、フェイススチーマーやコットンパックでケアしてあげましょう。
黄砂の飛散量が多いときは、屋外での運動を控えましょう。運動によって息が上がると、黄砂を吸い込むリスクが高まります。そもそも黄砂の時期は、外出を控えるのがベターです。できるだけ屋内で運動しましょう。
黄砂の多い時期は、できるだけ洗濯物を室内干ししましょう。外干しすると、洗濯物に黄砂が付着し、衣類にニオイや汚れがつくだけでなく、健康被害を引き起こすおそれがあります。部屋干しのニオイが気になるなら、消臭機能付きの洗剤や柔軟剤を使ってみましょう。どうしても外干ししたいときは、洗濯物カバーをつけるのがおすすめです。
黄砂シーズンに車で出かけたあとは、早めに洗車しましょう。車体をよく見ると、細かい粒子がたくさん付着しています。タオルでこすると、粒子の大きさや状態によっては車体に傷がつくため、洗い流すか高圧洗浄機を使用するのが効果的です。とくにフロントガラスに付着した黄砂をそのままで放置すると、運転中の視界が悪くなるため、念入りにチェックしましょう。
黄砂の飛散量が多い九州・中国地方に比べ、少ない傾向にあるのが、北海道の一部エリアと関東・東海地域です。発生源である中国大陸から遠く離れているため、飛来頻度や濃度が低い傾向にあります。 しかし、近年、地球温暖化の影響で寒冷期が短縮され、地表がより乾燥しやすくなり、黄砂が飛びやすくなっていると考えられています。そのため、これまで飛散量が少なかった地域でも、通常より多くの黄砂が飛来する可能性があります。どの地域でも、春先は十分な警戒が必要です。
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