セラピストライター白井未奈子
サービス業を10年経験するなかで、リラクゼーション業務に出会い「人を癒す」ことに目覚める。
フリーランスに転向して以降は、ボディートリートメントとフェイシャルエステの知識を活かし、美容・健康系の記事執筆を中心に担当。今は手ではなく、文章で読者にくつろぎとすこやかさを届けることを目指している。
黄砂もPM2.5も大気汚染物質のひとつです。飛散方法や健康被害、洗濯物に被害が及ぶのもほぼ共通しています。ですが、粒子の大きさや飛散時期、発生源は同じではありません。各予報や飛散状況は、環境省や気象庁の情報をチェックしてみてください。飛散量の多いときは、マスクや空気清浄機の活用が有効です。とくにアレルギー症状などが気になる人は、違いを細かくチェックしておきましょう。
黄砂もPM2.5も大気汚染物質のひとつです。どちらも風にのって長い距離を運ばれ、粒子が小さいため、とくに呼吸器系に被害を及ぼします。状況やタイミングに合わせた対策をするために、それぞれの違いを知っておきましょう。
黄砂とPM2.5の大きな違いは、粒子の大きさと飛散時期、発生源にとくに見られます。大気汚染物質のなかでもPM2.5はひときわ小さく、黄砂の半分近くであり、髪の太さの1/30程度ともいわれています。
時期に関しては、両者ともに西風の強くなる春(2月から5月にかけて)がピークです。ですが、春以外はほとんど日本に飛散しない黄砂に対し、PM2.5はほぼ1年中飛んでいます。大気汚染防止法により、年間平均値は下がってきていますが、PM2.5に対しては年間を通して警戒したほうがよいでしょう。
黄砂とPM2.5が与える影響は、ほぼ同じです。どちらも微粒子のため体内に取り込まれてしまうと、健康被害を及ぼしかねません。また、鉱物や排気ガスが元となっているため、触れた物(車や洗濯物)への汚れやニオイも懸念されます。健康面・生活面別に被害をチェックしてみましょう。
黄砂・PM2.5による健康被害のうち、とくに気がかりなのが呼吸器疾患です。なかでもPM2.5は小さい粒子のため、吸い込んでしまうと肺へ到達するリスクが高まります。喘息や気管支炎、肺がんを引き起こしてしまうかもしれません。黄砂アレルギーといった言葉もあり、黄砂はくしゃみや鼻水、咳、目のかゆみなどに要注意です。
呼吸器以外にも、口や鼻から入った黄砂・PM2.5は、心筋梗塞や脳梗塞といった循環器疾患につながるケースもあります。
黄砂もPM2.5も、洗濯物や車に付着します。とくに黄砂がつくと黄色っぽく汚れ、不快なにおいも発生しやすいです。繊維に絡んだ物質を払う、もしくは車体についた物質をタオルで拭う過程で、洗濯物や車を傷つけるおそれも出てきます。
黄砂・PM2.5のシーズンは、まず飛散状況をチェックしましょう。環境省や気象庁、日本気象協会のホームページを、シーンに合わせて活用してみてください。
出かける当日は、環境省のホームページをチェックしてみてください。ライダー装置による黄砂のリアルタイム観測結果は、主要都市別にまとまっており、自分が住んでいる地域と照らし合わせやすくなっています。
また、監視システム「そらまめくん」では、PM2.5を含む大気汚染状況を24時間体制で提供してくれています。地図上に濃度分布と警戒レベルが表示されるので、一目でわかりやすく便利です。ただし、情報は測定値であり、確定値ではありません。目安として考えましょう。
出かける予定を立てたいときは、気象庁もしくは日本気象協会の予報を参考にしてみてください。気象庁のページでは、黄砂濃度や黄砂量がわかりやすく色分けされた、黄砂解析予測図を確認できます。
日本気象協会の「tenki.jp」では、黄砂は60(63)時間後、PM2.5は48時間後までの飛散予報を発表。ページ中央部には「やや少ない」「やや多い」といった段階別の表示や、各都道府県の情報につながるリンクも貼られているので、ぜひ活用してみてください。
環境省のホームページでは、海外におけるPM2.5の濃度もわかるようになっています。在中国米国大使館および韓国環境省が公開する1時間ごとのデータを使用しており、北京や上海、ソウルなどの濃度が公開されているので、海外旅行前にチェックするとよいでしょう。
※参照「PM2.5モニタリングデータ(海外)」/環境省健康面・生活面に被害を与えかねない黄砂とPM2.5は、とにかく付着させない行動がカギです。人体を守るためには外出頻度の見直し、マスクやサングラスの着用に努めてください。加えて、付着してしまった・家に持ち込んでしまったときの対処法も知っておきましょう。
黄砂やPM2.5の飛散量が多いときは、体や衣服についたり、鼻や口から吸い込んでしまうリスクが高まるため、外に出る頻度を見直してみてください。
環境省では、PM2.5の飛散量に対する行動の目安を発表しており、「人の健康を保護するうえで、維持が望ましい年平均値」は、1年平均15μg/m3以下であり、かつ1日平均35μg/m3以下と考えられています。各公的機関の情報と照らし合わせてみましょう。
日平均値が35μg/m3を超えていても、行動を制限する必要はありません。ですが、健康に不安が残る人は体調の変化に注意してください。70μg/m3を超えるなら、不要不急の外出や、屋外での運動は避けましょう。
詳しい内容は、以下の表を確認してみてください。
どうしても外出しなければならないときは、マスクやサングラス、帽子を着用して、大気汚染物質を直接付着させないようにしましょう。とくにマスクは、鼻や口からの侵入防止をサポートしてくれます。
不織布マスクは、布マスクやウレタンマスクより、ウイルス飛沫(3.0~5.0μm)※をカットする効果が高いとされています。また、微小粒子捕集効率(PFE)95%以上であれば、粒子径0.1μmの微粒子を通しにくいでしょう。※黄砂は粒子径4μm付近で、PM2.5は2.5μm以下です。
必ず侵入しないとはいえませんが、口や鼻を守る手段としては有効でしょう。
外から帰ってきたら、リビングや寝室に持ち込まないよう、真っ先に手洗いとうがいを済ませましょう。石鹸やうがい薬を使用すると、手や喉に付着した黄砂やPM2.5の除去をサポートできます。鼻に違和感があるときは、鼻うがいも有効です。
黄砂やPM2.5の侵入が気になるときは、空気清浄機を稼働させましょう。近年では、黄砂やPM2.5、花粉の微粒子に対応する高性能モデルも出回っています。微粒子を捕集し、室内の空気をキレイに保ってくれるでしょう。
黄砂とPM2.5の飛散量が多くなる2~5月にかけての春は、スギ花粉のピークと重なります。どちらも呼吸器疾患やアレルギー症状を引き起こす共通点があるため、お互いが誘発しあうケースも少なくありません。
黄砂やPM2.5への意識は、花粉に比べてまだまだ低いでしょう。いつもより症状が重いと感じるときは、併発に目を向け、あまりにつらいときは医療機関の受診も検討してみてください。
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