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PM2.5とは?原因やどこから来るかを理解して、マスクや空気清浄機で身を守るための対策をしよう

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2025/01/29

PM2.5の原因とは、焼却施設からの煙や、大気中での化学反応です。硫酸塩やケイ素といった多数の成分が含まれており、吸い込むと鼻水やくしゃみの症状が現れる可能性があります。また、呼吸器系や循環器系疾患のリスクが高まるおそれもあるので注意が必要です。
PM2.5は日本国内で発生するだけでなく、中国から黄砂とともに飛来します。飛散量が多い時期は対策の実施が重要です。マスク着用など簡単にできる方法から始めてみましょう。

 

PM2.5とは?

PM2.5とは、大気中に漂う2.5μm(マイクロメートル)以下の微小粒子状物質です。「1μm=1mmの1/1000」であり、髪の毛の太さと比較すると1/30ほどになります。
PM2.5に含まれるのは、自動車から排出される排気ガスや、工場の煙突から出る煙、建設現場で発生する粉じんです。具体的には、炭素成分・硫酸塩・アンモニウム塩・ケイ素・アルミニウムといった成分が含まれています。

 

PM2.5が発生する原因

PM2.5の発生原因は、大きく分けて焼却などによる「一次生成」と化学反応による「二次生成」があります。一次生成として代表的なのは、煙を発生させるボイラー・焼却施設や、自動車・船舶・航空機です。ほかには土壌・火山といった自然や、調理・喫煙によって発生するケースも。二次生成では、工場から排出された硫黄酸化物や窒素酸化物が、太陽光やオゾンと反応してPM2.5になります。
近年、日本国内では大気汚染防止法による規制強化が進み、PM2.5の濃度は年々減少しています。一般環境大気測定局(一般局)と自動車排出ガス測定局(自排局)のPM2.5濃度測定によると、平成22年には一般局で15.1μg/㎥、自排局で17.2μg/㎥でした。しかし、令和4年には一般局で8.8μg/㎥、自排局で9.2μg/㎥まで減少しています。

※参照:「令和4年度 大気汚染物質(有害大気汚染物質等を除く)に係る常時監視測定結果」/環境省
 

PM2.5はどこから来る?

PM2.5は日本国外から飛来します。とくに中国の経済発展に伴い、深刻な大気汚染が発生しました。たとえば、2013年1月12日に北京市におけるPM2.5濃度は、時間値最大993μg/㎥を記録し、社会問題として大きく取り上げられました。中国で発生したPM2.5は、偏西風に乗って日本にも運ばれてきます。
一方で、PM2.5の発生源は国外だけではありません。日本国内においても工場や自動車の排気ガス、土壌から舞い上がる粒子、火山噴火による噴出物など、さまざまな発生源が存在します。つまり、PM2.5は国外からの越境汚染と、日本国内の両方から来ているといえるのです。

 

PM2.5と黄砂の違いとは

PM2.5と黄砂の大きな違いは、粒子の大きさです。PM2.5は2.5μm以下の微小粒子を指すのに対し、黄砂は4μm程度の粒子を指します。
また成分にも違いがあり、黄砂は砂漠地帯から飛来する砂塵やほこりを含んでいるのが特徴です。具体的には石英や長石といった造岩鉱物、雲母・カオリナイトなどの粘土鉱物があります。また、飛来する過程で大気中の汚染物質を取り込み、アンモニウムイオンや硫酸イオンを含むケースも。一方でPM2.5は、工場からの排煙や自動車の排気ガスなど、人間活動に由来する微細な粒子を含んでいます。

 

PM2.5の注意が必要なとき

環境基本法は、PM2.5への注意が必要な濃度を定めています。1日の平均値は35μg/㎥以下、年間の平均値は15μg/㎥以下です。さらに、1日の平均値が70μg/㎥を超えると、都道府県から注意喚起が発表されます。とくに冬から春の時期は、PM2.5の濃度が上昇する傾向にあるため注意が必要です。
PM2.5の濃度は、全国1,000カ所以上の測定局で監視されています。測定結果は、環境省の大気汚染物質広域監視システム「そらまめくん」のWEBサイトで確認可能です。自分が住む地域のPM2.5濃度を簡単に確認できるため、必要に応じて適切な対策を取りましょう。

※参照:「環境省大気汚染物質広域監視システム(そらまめくん)」/環境省
 

PM2.5がもたらす影響

PM2.5は極めて小さな粒子であり、肺の奥に入り込んで人体に影響を及ぼす可能性があります。とくにリスクが高まるといわれているのは、呼吸器系や循環器系の疾患です。
健康への影響は、PM2.5の濃度が1日平均70μg/㎥を超えると顕著になります。しかし、健康への影響は個人差があり、値を下回る濃度でも影響を受ける可能性は否定できません。呼吸器系や循環器系の持病がある方、高齢者、子どもはとくに注意が必要です。

 

PM2.5の対策

PM2.5とは?

PM2.5から身を守るために、飛散量が多いと予想される日は不要な外出を控えましょう。屋内ではHEPAフィルター搭載の空気清浄機を活用すると、室内に入り込んだPM2.5を除去できます。また、外出時にマスクを正しく着用すれば、体内に入り込む量を低減可能です。対策を状況に応じて使い分けましょう。

外出を控える

PM2.5による影響を避けるために、なるべく外出を控えて吸い込み量を減らしましょう。天気予報でPM2.5の飛散量が多いと予測される日には、長時間の外出を避けるのが賢明です。屋外でのジョギングや散歩といった運動も控えましょう。やむを得ず外出する際は、なるべく短時間で済ませるよう心がけてください。

空気清浄機を使用する

PM2.5の飛散量が多い時期は窓を開ける機会を減らし、PM2.5に対応した空気清浄機を使用するのが効果的です。たとえ外出を控えていても、窓を開けていると外からPM2.5が侵入してしまうので注意しましょう。
空気清浄機を選ぶ際には、HEPAフィルターを搭載した機種かどうか確認しましょう。HEPAフィルターは0.3μm以上の小さな粒子を捕集できるため、室内に入り込んだPM2.5の除去に効果的です。また、空気清浄機本来の機能がきちんと発揮できるよう、フィルターの定期的な清掃・交換を忘れないようにしましょう。

マスクを着用する

PM2.5の飛散量が多い時期に外出する際は、マスクを着用して吸入量を減らしましょう。家庭用マスクの中には、PM2.5対策を謳った商品もあります。
マスクを選ぶ際には、PFE(微粒子捕集効率)の表示に注目するとよいでしょう。PFEの規格を満たしたマスクは、約0.1μmの微粒子を99%以上カットできると試験で認められています。
ただし、優れた性能を持つマスクでも、着用方法が不適切では十分な効果が得られません。マスクと鼻・頬の間にすき間があると、PM2.5が侵入してしまう可能性があります。顔の形に合った適切なサイズを選び、すき間を作らないよう意識して着用しましょう。

 
PM2.5で鼻水・くしゃみの症状があるときは市販薬のお試しを

PM2.5を吸い込むと、鼻水やくしゃみといったアレルギー症状が現れるケースがあります。症状がつらいときは、市販の鼻炎用内服薬を試してみるとよいでしょう。
「d-クロルフェニラミンマレイン酸塩」を配合した内服薬は、鼻水・鼻づまり・くしゃみの症状緩和が期待できます。症状に合わせて適切な市販薬を選び、用法・用量を守って服用すれば、不快な症状を軽減できるでしょう。

  • 皐月萌可

    薬機法ライター皐月萌可

    会社員時代の体調不良をきっかけに健康への関心を深め、Webライターとして美容・健康コラムを多数執筆。薬機法管理者、コスメ薬機法管理者、YMAA個人認証マークの資格を持つ。
    前職はシステムエンジニアで、IT系をはじめ難解な内容を初心者向けに分かりやすく解説するのが得意。幅広い知識と経験を基に、読者の日常に役立つ情報を親しみやすい文章で発信している。