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【医師監修】二日酔い完全対策!原因を知り、身体と周囲への影響を知ってあなただけの飲酒スタイルを築く

2025/02/26

二日酔いとは、胃のむかつきや吐き気を伴うアルコールの飲みすぎによる不調です。自身の健康のみならず、社会生活にも悪影響を与えます。原因は複数が絡み合っているため、いかに防ぐかがカギです。回りやすいお酒の種類と自分の適性を知り、予防するための行動を心がけましょう。とはいえ、体質や遺伝によっては防ぎきれない場合もあります。節度あるお酒との付き合い方を探ってみましょう。

  • 成田

    監修医師成田 亜希子

    2011年医師免許取得。初期臨床研修を経て総合診療医として幅広い分野の治療に携わる。
    臨床医として勤務しながら、行政機関での勤務経験もあり地域の健康課題にアプローチした健康寿命延伸、感染症対策などの医療行政にも携わってきた。 国立保健医療科学院、結核研究所での研鑽も積む。 現在、医療法人ウェルパートナー主任医師。

 

「二日酔い」とは?健康・仕事・人間関係・経済への影響

二日酔いとは、飲みすぎによって不調が起こっている状態を指します。主な症状としては、吐き気や胃のむかつき、胸のつかえ、食欲不振などです。旧約聖書にはすでに記載があり、歴史は古いものの、定義や診断基準はいまだに明らかにされていません。しかし、二日酔いは本人だけでなく、周囲の人々や社会全体にもリスクがあるとわかっています。

健康面:死亡原因の約3%を占める飲みすぎ

二日酔いを引き起こすほどの飲みすぎは、健康被害を及ぼすリスクの一つになります。世界保健機構(WHO)によると、毎年アルコールを過剰摂取して亡くなる人の数は、全世界で230万人です。日本では死亡原因の約3%が飲酒に関連するがんなどの病気や事故であり、年間約3万5千人が亡くなっていると考えられています。とくに若年者は、飲みすぎによって健康に甚大な被害が及ぶデータも出ているため、より一層の注意が必要です。

※参考:「正しいお酒との付き合い方~そんなに飲んでも大丈夫?~」/厚生労働科学研究 研究代表者 樋口 進

仕事面:全体の6割がパフォーマンス低下を自認

飲酒は健康面だけでなく、仕事のパフォーマンスにも大きな影響を及ぼします。武蔵精密工業株式会社が実施した2023年のアンケートによると、全体の6割が「飲酒が翌日の仕事パフォーマンスに影響する」と回答。半数以上が、飲酒翌日に仕事のパフォーマンスが落ちていると自覚しているとわかりました。

※参考:「2人に1人は飲酒翌日のパフォーマンス低下も、相手を気遣う飲酒コミュニケーションで円滑な関係づくりを/飲酒翌日のパフォーマンス実態調査・武蔵精密工業調べ 」

対人面:ミスを誘発し、関係性をも悪くする

二日酔いによって仕事のパフォーマンスが低下すると、人間関係にも悪影響を及ぼす可能性が出てきます。たとえば、いつもはしないミスを連発すると、上司からの信頼を失いかねません。胃のむかつきを抱えすっきりしない気分でいると、同僚や後輩に当たってしまうケースもあります。
さらに、酔いつぶれるほど飲んでしまうと、周囲から「自己管理もできないのか」と失望される可能性も考えられるでしょう。総じて、二日酔いするほどの飲酒は、せっかく築き上げてきた信頼を失う要因になりかねません。

経済面:アルコールによる経済的損失は6兆6千億円

二日酔いを含むアルコール関連の遅刻や欠勤、作業効率の低下は、社会的損失にもつながっています。実際に、日本におけるアルコールの影響による経済的損失は6兆6千億円です。二日酔いは単に個々の問題ではなく、社会全体に大きな経済的影響を与えていると覚えておきましょう。

※参考:「職場管理者向けプログラム 職場からの相談」/翠会ヘルスケアグループ 医療社団法人 翠会 成増厚生病院 東京アルコール医療総合センター
 

二日酔いの原因とは?アルコール分解メカニズムとの関係

二日酔いの原因は、お酒の飲みすぎにほかなりません。しかし、二日酔いによって引き起こされるつらい症状は、複数の原因が複雑に絡み合っているとされています。お酒を飲むと通常、1~2時間で吸収されて肝臓で分解されていきます※。

※参考:「正しいお酒との付き合い方~そんなに飲んでも大丈夫?~」/厚生労働科学研究 研究代表者 樋口 進

原因(1)アセトアルデヒドが体内に留まる

二日酔いの症状には、アルコールを分解する過程で起こる「アセトアルデヒドの蓄積」が深く関係しているといわれています。本来スムーズにアセテートへと分解されるところ、あまりに大量のアルコールを飲むと、処理しきれず残ってしまうケースがあるのです。

【体内に入ったアルコールが分解されるまで】


引用:公益社団法人アルコール健康医学協会

アルコールを摂取すると、まず胃と小腸から吸収され、大部分が肝臓へと運ばれます。肝臓に入ると、酵素の働きで「アセトアルデヒド」に分解されます。さらにアセテートに分解され、血液にのって全身をめぐり、筋肉や脂肪組織で水と二酸化炭素に分解され、汗や尿・呼気として体外に排出される仕組みです。

原因(2)強い利尿作用による脱水症状

二日酔いの症状が、脱水症状からきている場合もあります。まず、アルコールには強い利尿作用があり、トイレに行くたびに水分が外に出ていってしまいます。アセトアルデヒドを分解する過程では水分が消費されます。そのため、水分が不足するとアセトアルデヒドの分解が遅れ、二日酔いの症状が長引きやすくなると考えられるでしょう。

電解質のバランスが崩れ、二日酔い悪化のケースも

アルコールによる利尿作用で脱水症状が引き起こされると、水分だけでなく、電解質も奪われてしまうのが問題です。電解質は体液のバランスを司るほか、筋肉細胞や神経細胞の機能維持も担っています。つまり、電解質が不足すると体液のバランスが崩れ、体全体の健康も揺るがされてしまうのです。二日酔いの症状も悪化しかねないでしょう。

原因(3)睡眠不足による肝機能の低下

睡眠は、二日酔いの悪化と回復に深く関係します。睡眠不足であるほど肝臓の活動時間が長くなり、アルコール分解に十分なエネルギーを蓄えられなくなってしまいます。結果、アルコール分解に時間がかかり、二日酔いの症状が現れやすくなるのです。
また、睡眠と二日酔いは、利尿作用にも絡んでいます。睡眠は肝臓の働きを正常に保つために欠かせません。
寝ついてからもトイレに行くのにたびたび起きてしまうと、肝臓の休息に必要な睡眠が妨げられてしまいます。お酒を飲んだあとは十分な睡眠をとるのが、二日酔いから早く立ち直るためのポイントです。

原因(4)年齢・性別・体質によるケース

二日酔いによる症状の出方は、年齢・性別・体質によっても左右されます。まず、女性は男性より体内の水分量が少なく、二日酔いしやすいのが特徴です。男女問わず、加齢により体内の水分量は減少傾向にあるため、男性も油断してはいけません。
また、遺伝や後天的な体質の違いによっても、酔いやすい・酔いにくいが存在します。

 

二日酔いになりやすいお酒の種類!度数と色、製造法がカギ

二日酔いになりやすい・なりにくいは、お酒の種類によっても異なります。
ウォッカなどのアルコールが高いお酒はもちろん、赤ワインやウイスキーといった色の濃いお酒も二日酔いしやすいです。色の濃いお酒には、「コンジナー」と呼ばれる成分が含まれています。
基本的に、コンジナーが多く含まれるお酒の方は、二日酔いを引き起こしやすいといわれているため注意が必要です。
また、スパークリングワインやハイボールなど炭酸系のお酒は、炭酸の作用で胃の内容物が早く腸に送られやすくなるためアルコール吸収が速まって、血中アルコール濃度を高めてしまう可能性があります。

<二日酔いしやすいお酒の種類>


  • ・アルコール度数が高いお酒(ウォッカなど)
  • ・醸造酒(日本酒、ワイン、ビール)
  • ・色の濃いお酒(赤ワイン、ウイスキーなど)
  • ・炭酸系のお酒(スパークリングワイン、ハイボールなど)

「甘いお酒は悪酔いする」といわれる理由

甘いお酒に多く含まれる糖分は、血糖値を上昇させるため酔いを回りやすくさせる可能性があります。「甘くて飲みやすいお酒ほど悪酔いしやすい」といわれる理由です。
ただし、糖質が必ずしも二日酔いに拍車をかけるとは限りません。肝臓がアルコールを分解するためのエネルギー源になったり、飲みすぎによる低血糖を防いでくれたりするケースもあります。甘いお酒の代表といえるカクテルやリキュールは、色が濃い=コンジナーを含む可能性から、二日酔いになりやすいとも考えられるでしょう。

 

二日酔いの予防法!飲酒前・飲酒中・飲酒後の心がけ

二日酔いを予防するためには、まず「飲みすぎない」のが第一です。ですが、若年者の飲酒は健康面へのリスクが大きく懸念されるうえ、Z世代を中心に飲酒離れが進んでいます。「飲みすぎのラインがわからず、二日酔いになってしまうケース」も多いでしょう。
飲酒慣れしていない状態で無理に飲むのは危険です。二日酔いにならないよう、飲酒時の心がけを知っておきましょう。

飲酒前:コンディションを整え、良質な睡眠・食事をとる

飲酒前は、睡眠不足の解消に努めてください。十分な睡眠をとったうえで、空腹時を避けて飲むのがポイントです。空腹状態はアルコールの吸収速度を速め、血中アルコール濃度を上昇させ、二日酔いの症状を引き起こしやすくさせます。

タンパク質と脂質で飲酒後の体内をサポート

また、空腹を満たす食事では、タンパク質や脂質を意識的にとりましょう。タンパク質は肝臓の機能をサポートし、アルコールの分解に必要な酵素の合成に必要な栄養素です。アルコールによって傷ついた肝臓のダメージを修復したりする働きも期待できます。

飲酒中:水を挟みながら、食べながら飲む

飲酒中は、血中のアルコール濃度が高くなりすぎないよう、お酒の合間に水とおつまみを挟むようにしましょう。水は飲酒と同時に失われる水分を考慮して、お酒の量によって適量の水を摂るように心がけましょう。おつまみは、アルコール分解をサポートしてくれるタンパク質を含む大豆類(枝豆、冷ややっこなど)を選びましょう。お酒の種類を、二日酔いになりにくい、色が薄く、アルコール度数が比較的低い蒸留酒や焼酎にするのもおすすめです。

「節度ある適度な飲酒量」を目安に飲む

厚生労働省が定める「節度ある適度な飲酒量」は1日20g程度です。焼酎は0.5号(90ml)程度まで許容されています。ただし、女性や飲酒で顔が赤くなる人、65歳以上の高齢者は、健康への影響がより強く出やすいとされているため例外です。あくまでも飲酒量の目安にしながら、飲みすぎを防ぎましょう。

<適度な飲酒量の目安>


  • ・ビール中瓶1本(500ml)
  • ・焼酎0.5号(90ml)
  • ・ワイン小グラス2杯(240ml)
  • ・日本酒1号(180ml)
※参考:「アルコール」/厚生労働省
※参考:「SNAPPY BEER 1 節度ある適度な飲酒」/厚生労働省

飲酒後:水とビタミンB群をとり、アルコール分解を助ける

飲酒後も引き続き意識的に水分をとって、脱水を防ぎつつ、ビタミンB群を補給しましょう。ビタミンB群は、飲みすぎたあとの体内でたびたび必要となります。たとえば、アセトアルデヒドが分解される際に消費されるのがビタミンB1です。アルコールを多く飲んだ後は不足しがちになります。
ビタミンB群は水溶性で体内に長く留まれず、水に溶けて体外へと排出してしまうため、食べ物やサプリメント、栄養ドリンクなどで意識的に補給してみてください。

 

二日酔いの対処法!命取りとなる脱水・つらい吐き気別

二日酔いになってしまったら、症状に合わせた対処が必要です。市販薬の正しい選び方と使い方に加え、脱水とつらい吐き気対策を把握しておきましょう。

症状に合わせた薬を選び、用法用量を守って服用

二日酔いによる吐き気やむかつき対策用の市販薬を購入するときは、とくにひどい症状を和らげる成分が入っているか確認しましょう。たとえば、吐き気や胃もたれがつらいときは、胃腸症状を和らげる成分入りの薬がぴったりです。商品ごとの効果・効能に、求める症状の記載があるかチェックするだけでも構いません。
薬を服用するときは、商品に記載のある用法・用量を必ず守りましょう。過剰摂取や間違ったタイミングでの摂取は、十分な効果を妨げてしまいます。たとえば、漢方薬は食前や食間、一般的な薬は食後に服用するケースが多いです。たっぷりの水もしくはぬるま湯で服用すると、脱水も予防・緩和できるでしょう。

経口補水液やスポーツドリンクで脱水対策

二日酔いによって脱水が起こっているときは、とにかく水分補給を強化してください。水分は二日酔いの万能薬ともいわれ、体内に蓄積したアセトアルデヒドの分解を助けてくれます。二日酔いによいとされるのが、スポーツドリンクと経口補水液です。

水分・電解質を同時に補える

スポーツドリンクも経口補水液も、水分だけでなく、電解質も補給できるのがポイントです。電解質には、体液のバランスを保つ働きがあります。一方、アルコールによる利尿作用によって水分とともに体外へ排出されてしまうので、しっかり補わなければなりません。スポーツドリンクや経口補水液で水分補給すると、電解質も補給できて、深刻な脱水および二日酔いを免れるでしょう。

糖分も補給できる「スポーツドリンク」

スポーツドリンクに含まれる糖分は、体内で重要なエネルギー源となり、脱水になってしまったあとの回復をスピーディーに助けてくれます。さらに糖分は、飲酒後になりやすい低血糖予防に役立つでしょう。

水分を迅速に補給できる「経口補水液」

経口補水液は特別な配合により、通常の水よりも素早く体内へ吸収されるようになっています。体内での保持性も高く、水分が出ていきにくいのです。体内の水分が素早く補給されると、脱水症状をより早く緩和できるでしょう。

吐き気対策には冷タオルやツボ押し

二日酔いによる吐き気は、冷たいタオルとツボ押しで対策してみてください。冷やしたタオルを体にあてると、吐き気の症状が緩和される傾向にあります。また、自律神経にアプローチするツボを押すのも効果的です。

冷やしたタオルを首や額にオン

冷たいタオルは首筋や額、手首など、脈が通っている部分にあてると、より効率的にクールダウンできます。静かな場所で横になり、深呼吸しながら行うのも大切です。冷タオルは冷蔵庫や冷凍庫に入れておくとできるので、飲む前に仕込んでおくとすぐに使えます。
なお、冷たいタオルは二日酔いでお風呂に入れないとき、体を拭くのに活躍するアイテムです。市販の冷却シートでも代用できるため、備えておくと役立つでしょう。

吐き気緩和につながるツボをプッシュ

吐き気があってつらいときでも手軽に押せるツボは、「内関(ないかん)」「労宮(ろうきゅう)」「手三里(てさんり)」「合谷(ごうこく)」の4つです。
場所を捉えたら、指先でじんわり押すか、円を描くように押すようにしてください。痛くならないよう、程よい力加減で刺激するのがコツです。

 

ラムネやコーヒーは?コンビニで買える二日酔い向け食べ物・飲み物

二日酔いによい食べ物や飲み物は、コンビニでも手軽に購入できます。「アルコール分解を助ける栄養素入り」「食欲がないor吐き気のあるときでも食べやすい」「失われがちな水分・糖分・ビタミンB群を補える」の3つをポイントに選びましょう。

二日酔い防止の強い味方「オレンジジュース」

二日酔い防止のためには水やお茶もいいですが、ビタミン類が複数含まれるオレンジジュースもおすすめです。ビタミンCには抗酸化作用があるため、アルコールを代謝する際に生じる酸化ストレスを和らげてくれる可能性があります。

二日酔いを長引かせず、深酔いしにくい「トマトジュース」

オレンジジュースや果物系のジュースが甘くて苦手な方は、トマトジュースを試してみてください。トマトに含まれるリコピンなどの成分には、アルコールを代謝するための酵素の働きをサポートする効果があると考えられています。二日酔いの症状を長引きにくくする効果を持つ可能性があると言えるのです。

ご飯とのW効果が嬉しい「梅干しおにぎり」

コンビニで手軽に買える二日酔いによい食べ物といえば、梅干しおにぎりです。梅干しに含まれるクエン酸は、二日酔いからいち早く立ち直るのをサポートしてくれます。また、梅干しの酸味によって胃液の分泌が促され、失われがちな食欲も取り戻せるでしょう。
さらに、炭水化物を含むご飯には、アルコールによって減少しやすい水分を補給し、低下した血糖値を元に戻す効果が期待できます。梅干しとご飯の融合で、多角的に二日酔いにアプローチしましょう。

アルコール分解を助ける「しじみの味噌汁」

アルコールによって酷使した肝臓をいたわるためには、しじみの味噌汁が適しています。しじみに含まれるタウリンとオルニチン、ベースとなる味噌に含まれるタンパク質は、肝臓でのアルコール分解を助けてくれます。
栄養素の効果を適切に働かせるためには、しじみはエキスだけでなく、身も食べるように心がけましょう。

ラムネやコーヒーはあくまでサポートとしてとる

一部でよいと囁かれるラムネやコーヒーは、残念ながら二日酔いに効果的という科学的なデータはありません。とはいえ、ラムネの主成分となるブドウ糖は、低血糖による吐き気を緩和するのに一役買ってくれます。甘くて食べやすいため、食欲がわかないときの食べ物にも好適です。また、コーヒーに含まれるクロロゲン酸には、肝機能を保護する効果が期待されます。利尿作用があるため脱水には要注意ですが、体内に残ったアセトアルデヒド排出をサポートできるのはプラスの効果となるでしょう。

 

二日酔いで病院に行くべきケースとは?症状と状態の目安

二日酔いのほとんどは、休息や薬・食べ物・飲み物、セルフケアといった対策でおさまります。しかし、いつまで経ってもよくならず、病院にかかった方がよいケースも。病院に行くべきかどうかは、以下を参考にしてみてください。

主な症状に当てはまらない場合は要注意

嘔吐物に血が混ざっていたり、便が黒かったり、一般的な症状から外れたりするときは、ほかの病気が隠れているとも考えられます。激しい腹痛は消化器系トラブルの疑いがあり、精神面の不調も肉体的な不調に輪をかける傾向にあるため、受診するのが無難です。

<病院に行くとよい症状例>


  • ・二日酔いの症状が24時間以上つづいている
  • ・吐き気や嘔吐があり、まともに水分がとれない→脱水へ
  • ・嘔吐物に血が混ざっている
  • ・便が黒い
  • ・意識がもうろうとするなど、一般的な二日酔いの症状におさまっていない
  • ・激しい腹痛がある
  • ・気分の落ち込みや不安など、精神面に影響が出ている
 

無理厳禁!正しいお酒との付き合い方

低アルコール飲料の普及が進む一方、アルコール飲料がより身近になった状態はやや考え物です。オンライン市場の拡大により、未成年が年齢確認なしに、アルコール飲料を手にしてしまう事態が問題視されています。
先述のとおり、若者を中心に、飲みすぎによる健康被害が懸念されています。アルコール耐性の低い人や高齢者、妊婦なども同様です。低アルコール飲料はもちろん、ノンアルコール飲料も微量のアルコールが含まれているものもあるため注意が必要です。飲み方や遺伝や体質、性別、年齢によって、二日酔いを引き起こす可能性は十分にあります。

「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を指標に

未成年を含めた不適切な飲酒を避けるため、2024年には厚生労働省から「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」が初めて発表されました。お酒の種類に関係なく、節度のある飲み方を心得ておきましょう。

※参考:「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」/厚生労働省

飲酒量チェックに便利な「SNAPPYシリーズ」

飲みすぎを防ぐためには、「自分に合ったお酒との付き合い方」を知るのも重要です。自分に合った飲酒量をチェックしたいときは、厚生労働省が提供するアプリ「SNAPPY飲酒チェックツール」が便利です。総飲酒量に対するお酒の分解時間を計測できるため、うっかり飲みすぎたときに、どれほど対策が必要か目安にできます。

※参考:「SNAPPY 飲酒チェックツール」/厚生労働省

低アルコール飲料を選択肢のひとつに

アルコールへの耐性があまりないとわかった方は、低アルコール飲料に注目してみてください。消費者の低価格・健康志向の高まりにより、令和4年度では、比較的安価で低アルコール飲料が全体売り上げの2/3を占めています。つらい二日酔いを防止するためには、種類が豊富でおいしく、健康志向にもマッチする低アルコール飲料の選択を検討してみましょう。

※参考:「酒レポート 令和6年6月」/国税庁
 
あなたと相手は違う。周りに迷惑にならない飲酒スタイルを

飲みすぎると二日酔いの症状を引き起こすうえ、場合によっては「泣き酒」や「絡み酒」で、周囲が迷惑をこうむるケースも少なくありません。
経営層とZ世代の間で、お酒との向き合い方に差が生まれています。大きく違うひとつが、飲む目的です。経営層をはじめとする従来の目的は、ストレス解消やコミュニケーションでした。一方、Z世代はリラックス目的で飲む傾向にあります。ドイツで開催されたノンアルパーティーへの関心が高い状況から、交流できればアルコールが入らずともよいといえます。人によってお酒への耐性や付き合い方は違ってくると心に刻み、自分にも周りにも円満な飲酒スタイルを構築してみましょう。

 
監修医師からのアドバイス

二日酔いは吐き気、むかつき、頭痛、ふらつきなどさまざまな症状を引き起こします。ひどい症状の場合には、日常生活に支障を来すケースも少なくないでしょう。
二日酔いを完全に直す方法はないため、飲酒の際には飲みすぎないよう注意が必要です。とはいえ、その日の体調などによっては少量でも二日酔いを起こしてしまう場合もあります。

二日酔いの症状があるときは、第一に体をゆっくり休めて十分な水分と電解質を補給しましょう。今回ご紹介したようにそれぞれの症状を和らげるための市販薬も効果的な場合がありますので試してみてください。
また、水分はスポーツドリンクや経口補水液がおすすめです。特に症状が強いときは電解質濃度が高く、水分の吸収がより高くなる経口補水液を選んでください。

セルフケアをしても二日酔いの症状が続くときやこれまでにない強い症状があるときは軽く考えずに医療機関を受診しましょう。