今週の限定セール 三次元マスク

厄介な大人のあせも。首や背中のブツブツとかゆみをケアする方法とは?市販薬を活用して症状を緩和させよう

皮膚用薬SKIN MEDICINE
MORE
2025/03/28

大人のあせもは、首や背中・おでこにできやすく、ブツブツやかゆみが現れます。肌を清潔にし、患部を掻かないようにすれば数日で自然に落ち着きますが、かゆさを我慢するのはストレスです。症状緩和のためには市販薬や処方薬を活用し、早めに対処しましょう。
また、保湿やベビーパウダーを使ったケアは予防に役立ちますが、種類や使い方を誤ると悪化する恐れも。正しい対策をマスターしてキレイな肌を目指しましょう。

 

大人に生じるあせもの特徴は?

あせも(正式名称は汗疹:かんしん)は、子どもの皮膚トラブルと思われがちですが、大人や高齢者にも現れます。あせもの原因やできやすい部位を確認しましょう。

大人があせもになる原因は?

あせもは、汗を排出する汗管(かんかん)の詰まりが原因で発生します。汗がうまく排出されず水ぶくれが生じたり、皮膚内に漏れ出して炎症が起こったりするのです。
汗管が詰まるおもな要因には、大量にかいた汗を放置してほこりや垢が付着する、包帯やギプスにより通気性が悪くなる点が挙げられます。

あせもができやすい部位は?

汗をかきやすい部位は、あせもの温床となります。また、手が届きにくい背中は、洗いにくいため汗管の出口に汚れが蓄積されやすく、あせもが生じやすいゾーンとして注意が必要です。

<あせもができやすい部位>


  • ・ 顔やおでこ
  • ・ 首
  • ・ ワキ
  • ・ 背中
  • ・ ヒジやヒザの裏
  • ・ 胸の谷間や下部
  • ・ 脚の付け根
  • ・ 包帯やギプスをつけている部位
 

あせもには3つの種類がある?

あせもは、汗管の詰まりの深さにより3種類に分類されます。種類ごとに症状も異なるため、パターンを理解しておきましょう。

種類1:水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)

水晶様汗疹は、表皮のもっとも浅い層である角層で汗管が詰まると発生するあせもの一種です。汗管が破裂して直径数ミリほどの透明な水ぶくれがポツポツと現れます。水ぶくれは数日で乾燥して自然に消失し、大半のケースでかゆみや炎症はみられません。

種類2:紅色汗疹(こうしょくかんしん)

紅色汗疹は、表皮の中間層で汗管が詰まると発生するあせもの一種です。汗腺の破裂が炎症を起こし、赤みをともなうブツブツとかゆみが現れます。細菌の増殖により膿が形成されるリスクもあり、多くの人が「あせも」と聞いてまず思い浮かべる症状が紅色汗疹です。

種類3:深在性汗疹(しんざいせいかんしん)

深在性汗疹は、表皮よりもさらに深層である真皮で汗管が詰まると発生するあせもで、もっとも深刻な形態です。反復する紅色汗疹が徐々に皮膚深部へ進行し、皮膚表面が小さく盛り上がった発疹を形成します。患部は発汗機能が失われるため、広範囲に病変が広がると重篤な体温調節障害を引き起こし、熱中症リスクを高めるのです。とくに熱帯地方で多くみられる症状であり、日本国内では極めて稀な病態となっています。

 

大人のあせもができやすい環境や体質は?

大人のあせもは、高温多湿な環境や運動・発熱といった多くの汗をかく状況で現れやすいです。また、肥満体質の方は皮下脂肪の影響で熱がこもりやすく、発汗量が増えるため、あせもが発生しやすい傾向があります。さらに、胸の下や谷間に汗が溜まりやすい胸の大きい方や、肌のバリア機能が弱い方もあせもが生じやすいとされています。

<あせもができやすい環境>


  • ・ 高温多湿な環境
  • ・ スポーツ時
  • ・ 発熱時


<あせもができやすい体質>


  • ・ 汗をよくかく体質(肥満・多汗症・更年期障害など)
  • ・ バリア機能が弱い肌(乾燥肌・敏感肌)
  • ・ 胸が大きい、または、垂れた胸
 

あせも予防のために心がけたいポイントは?

厄介な大人のあせも。

あせもを予防するには、「かいた汗を放置しない」心がけが大切です。 汗をこまめに拭き取ったり、シャワーで流したりして肌を清潔に保ちましょう。また、適度な保湿やベビーパウダーの使用も予防に役立ちますが、汗管が詰まるリスクもあるため、使い方には注意が必要です。さらに、汗によるムレを防ぐために通気性がよい衣類を選びましょう。下記を意識して過ごせば、あせもを防ぎやすくなります。

汗をこまめに拭き取る

汗をかいたら、濡らしたタオルや汗拭きシートでこまめに拭き取りましょう。肌の清潔を保ち、水分が蒸発する際に熱を逃がして体温を下げてくれます。

汗をシャワーで流す

汗をかいたら、なるべく早めにシャワーで流しましょう。しかし、患部を温めてしまうと血行がよくなり、かゆみを増大させてしまいます。入浴時は湯船は避け、シャワーで済ませたほうがよいでしょう。

ベビーパウダーをつける

ベビーパウダーは、赤ちゃんだけでなく大人も使用可能です。入浴後にベビーパウダーを薄くつけると、あせもの予防効果が期待できます。一方で、つけ過ぎると汗管の出口を塞いであせもを誘発する可能性があるため、適量を心がけましょう。

肌を保湿する

保湿をして乾燥から肌を守るのもあせも予防に効果的です。べたつかない乳液タイプが適しています。一方で、油分が多くべたつくワセリンは、汗管の出口を塞いであせもを誘発させる可能性があるため避けましょう。

吸湿性・速乾性がよい衣類を身につける

衣服は、汗をよく吸い、乾きやすい素材を身につけましょう。たとえば、ゆったりと着用できる木綿素材の洋服やスポーツウエアが適しています。

 

あせもができたときの対処法は?

あせもができたら、まずは肌を清潔に保ち、患部を掻かないよう注意しましょう。軽度な水晶様汗疹だけでなく、赤みやかゆみをともなう紅色汗疹も、適切にケアすれば数日で自然に落ち着きます。ただし、衛生管理が不十分だったり、掻き壊したりすると細菌感染を起こして膿が溜まり、とびひ(伝染性膿痂疹)になる恐れがあります。悪化を防ぐための対処法を確認しましょう。

28℃を目安に室温を調整する

あせもの悪化を防ぐために、汗をかき過ぎないように室温を調整しましょう。環境省では、夏の冷房使用時における適正な室温目安を28℃としています。
28℃はあくまで目安となるため、汗をかかない程度にエアコンや扇風機を用いて環境を整えるのが重要です。万が一、室温調整が難しければ、汗を放置せず、濡らしたタオルや汗拭きシートでこまめに拭き取りましょう。

参照:「適正な室温とは」/環境省

患部を冷やす(温めない)

あせものかゆみを抑えるには、患部を冷やすのが有効です。しかし、あまりに冷たいと肌に負担となるため、冷やしたタオルを使用したり、保冷剤や氷を使用する際はタオルで包んでから使用しましょう。

薬剤を使用する

強いかゆみがある場合は、適切な薬剤を使用して早めに対処しましょう。かゆみを我慢するとストレスが増して生活の質が低下するだけでなく、夜間に無意識に掻いてしまい症状が悪化する恐れもあります。
あせもの悪化を防いで早期回復を目指すには、かゆみや赤みを抑える成分を配合した薬剤が効果的です。市販薬にはいくつか種類があるため、用途や好みに応じて選べます。

薬剤選びに迷った際は、ドラッグストアや薬局にいる薬剤師に相談すると、自分に合った薬を提案してもらえるでしょう。
ただし、あせも以外の皮膚疾患があったり、細菌感染が疑われたりする状況では、市販薬を使用すると症状が悪化する可能性があります。「かゆみが強くて眠れない」、「数日経っても改善しない」ときは、早めに皮膚科を受診しましょう。

<薬剤のタイプ>


  • ・ 液体状のスポンジヘッドタイプ:手を汚さずに塗れる
  • ・ 低刺激の軟こうタイプ:掻き壊した患部への使用におすすめ
  • ・ ステロイド成分配合タイプ:炎症や腫れが強いときにおすすめ
  • ・ メントール配合タイプ:清涼感でかゆみを和らげられる
 
汗は健康維持に必要!適切なケアであせも予防と改善を

あせも予防と改善には「汗から肌を守るケア」が大切です。しかし、「汗をかかないようにする対策」はおすすめできません。汗には体温を調節する重要な役割があり、健康維持に不可欠だからです。
たとえば、水分補給を控えると脱水症状を引き起こす恐れがあります。また、夏に冷房が効いた室内でじっとしていると、体力や体温調節機能が低下するため、外出した際に熱中症リスクが高まるのです。
従って、健康を守るには、適度な水分補給や運動が欠かせません。汗は健康な証でもあります。汗をかいたら放置せずに、こまめなケアを心がけましょう。

  • 高村 恵美

    管理栄養士ライター高村恵美

    12年間管理栄養士として病院などに勤務。家族にいつでも"おかえり"が言えるようライターへ転身後は、忙しいひと・働くひとに寄り添うレシピの提供や、健康コラムを数多く執筆。
    自分も同じ立場だからこそ「仕事と家庭の両立に悩む女性を応援したい」気持ちが高まり、悩めるママに向けたコラム執筆も行っている。