インフルエンザとは
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染して起こる気道の感染症です。一般的には「季節性インフルエンザ」と呼ばれます。喉の痛みや咳、鼻水など一般的な風邪症状に加え、関節痛や筋肉痛、38℃以上の急な発熱があらわれるのが特徴です。子どもではまれにインフルエンザ脳症を発症するリスクがあります。また、高齢者では肺炎を伴うケースもあり、注意が必要です。インフルエンザを引き起こすウイルスは複数あり、流行しやすい時期があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
インフルエンザウイルスの種類
インフルエンザウイルスは抗原性の違いにより、A型、B型、C型およびD型の4つに分類されます。毎年流行の原因となるのは、A型とB型です。
インフルエンザウイルスは少しずつ形を変えて流行します。A型インフルエンザウイルスは、数年から数十年ごとに世界的な大流行(パンデミック)を引き起こすウイルスです。突然別のウイルスが出現し、従来のウイルスに置き換わるためとされています。新しいウイルスに対して、ほとんどの人は抗体を持たないため流行するのです。
インフルエンザの流行時期
季節性インフルエンザの流行シーズンは12~3月です。毎年11月下旬から12月上旬ごろに始まり、翌年の1~3月にピークを迎え、4~5月に減少します。いったん流行が始まると、短時間に多くの人に感染するのが特徴です。流行の程度とピークは、毎年異なります。
インフルエンザウイルスの潜伏期間と感染後の経過
インフルエンザウイルスに感染すると、約1~3日の潜伏期間を経て発症します。38℃以上の高熱や頭痛、関節痛、筋肉痛など全身症状が急にあらわれるのが特徴です。次第に咳や喉の痛み、鼻水といった風邪に似た症状が見られ、通常は1週間程度でよくなります。
ただし、基礎疾患がある人や妊婦、高齢者は重症化のリスクがあり、注意しなければなりません。子どもではインフルエンザ脳症を発症するケースもあります。インフルエンザ脳症とは、インフルエンザの感染後、意識障害やけいれん、異常行動をもたらす重篤な脳の病気です。反応がおかしい、異常行動があるといったときは、すぐに医療機関を受診するようにしてください。
感染後の行動制限期間
インフルエンザは、学校保健安全法において、第2種感染症に指定されている病気です。感染の疑いがある場合は、一定期間休む必要があります。大人の場合は、明確な基準はありません。行動制限期間を詳しく見ていきます。
子どもの場合
インフルエンザを発症したときや、感染の疑いがある場合は、一定の期間学校を休む必要があります。学校を休む期間は「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」が目安です。「発症」とは発熱を指し、発熱した日は0日、翌日から1日目と数えます。発熱がないにもかかわらず、インフルエンザと診断された場合は、インフルエンザの他の症状が見られた日を「発症した日」と考えて判断されます。
参照:保育所における感染症対策ガイドライン一部見直し検討会(令和5年4月26日).資料3-1:学校における感染症対策/こども家庭庁
なお、学級閉鎖の基準については以下の記事で解説しています。合わせてお読みください。
関連コラム:学級閉鎖の基準とは?習い事や外出はどうする?期間や欠席人数の目安、家での過ごし方を教員が解説
大人の場合
大人の場合、出勤目安について明確な基準はありません。インフルエンザは発症前日から発症後7日間程度は、鼻や喉からウイルスを排出するといわれています。可能であれば、7日間は外出を控えるのが望ましいです。会社の規定も確認し、上司と相談して判断するようにしましょう。
参照:令和6年度インフルエンザQ&A/厚生労働省
インフルエンザの検査
インフルエンザの疑いで医療機関を受診した場合、一般的には迅速抗原診断キットを使用し検査します。最近では、一般用抗原検査キット(OTC)の購入も可能です。一般検査薬として厚生労働省で承認されている抗原検査キットは、令和7年2月20日時点で4種類あります。新型コロナウイルスと同時に検査できるタイプです。検査の流れや検査をおこなうのに適したタイミングを見ていきましょう。
参照:新型コロナウイルス感染症の一般抗原検査キット(OTC)の承認情報.更新日:令和7年2月20日/厚生労働省
検査のやり方
検査は鼻腔拭い液を使用します。手順は以下のとおりです。一般用検査キットを利用し自分でおこなうときは、判定部分と検査した時間のメモをスマートフォンで撮影しておくとよいでしょう。医療機関を受診する際に役立ちます。
<インフルエンザ検査の手順5ステップ>
- 1. 付属の滅菌綿棒を鼻腔に2cm程度挿入する
- 2. 綿棒を回転させ(5回転程度)5秒程度静置した後引き抜く
- 3. 検体の処理液に綿棒を浸し、試料を作製
- 4. 検査キットの試料滴下部へ数滴(2~3滴)滴下する
- 5. 検査キットを指定の時間静置し、判定ラインを確認
検査を受けるのに適したタイミング
インフルエンザの検査は、発熱から12~48時間の間が適しているといえます。感染初期ではウイルス量が少ないため、検査で陰性となる可能性があるためです。正しい方法で検査ができていないときも、陰性を示す場合があります。症状があるときは検査結果だけでなく、周囲の感染状況も考慮する必要があるでしょう。
医療機関を受診する目安
インフルエンザでも、受診が必要ないケースもあります。もともと健康で、症状が軽い人は自宅で経過を見てもよいでしょう。発熱や喉の痛み、咳を和らげる働きのある市販薬を服用し、自宅で過ごします。消化のよい食事や水分を十分に摂取し、十分な睡眠をとり、体力を回復させましょう。
受診するときは、発熱してから12~48時間の間が望ましいです。ウイルス量が増え、正しい検査結果が得られやすいとされています。抗インフルエンザウイルス薬は、発症から48時間以内での使用が効果的であるのも理由のひとつです。ただし、持病のある人や妊婦、乳幼児、高齢者は早めに医師に相談しましょう。
もともと健康な人でも以下の症状が見られるときは、すぐに受診してください。
<インフルエンザですぐに医療機関を受診すべきとき>
- 子どもの場合
- ・ 呼吸が速い、息苦しそう
- ・ 顔色が悪い
- ・ 嘔吐や下痢が続いている
- ・ 落ち着きがない、もうろうとしている
- ・症状が長引き悪化してきた
- 大人の場合
- ・ 呼吸困難や息切れがある
- ・ 胸の痛みが続いている
- ・ 嘔吐や下痢が続いている
- ・ 3日以上発熱が続いている
- ・ 症状が長引いて悪化してきた
なお、家族内での感染対策については、以下の記事で詳しく解説しています。合わせてお読みください。
関連コラム:家族がインフルエンザに!外出や仕事は?病院受診のタイミング、家庭内感染対策について解説【医師執筆】
インフルエンザは流行前からの予防が重要
インフルエンザに感染しないためには、予防がもっとも重要です。流行前のワクチン接種、外出後や食事前のうがい・手洗い、飛沫を防ぐためのマスク着用を心がけてください。室内にいるときは、こまめな換気も効果的です。
また、インフルエンザにかかったときは、他の人にうつさないように配慮しましょう。学校や会社は休み、自宅で安静に過ごすのが大事です。最近ではオンライン診療をおこなっている医療機関もあります。受診するべきか迷う場合は一度相談してみましょう。
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