あせもとはどんな症状?
あせもは、汗が通る「汗管(かんかん)」が詰まって発生する皮膚トラブルです。汗をかいた状態が続くと、汗に含まれる塩分や肌に付着したホコリにより汗管が塞がれてしまいます。汗が排出されないまま皮膚の内側にとどまり、炎症を引き起こすのです。
症状は、汗管の出口に沿って赤い発疹が点状に現れます。強いかゆみを伴うケースも少なくありません。とくに気温と湿度が高い環境では、大量の汗をかくため発症しやすくなります。
あせもができやすい部位
あせもは、汗腺が多く集中している部位や汗が溜まりやすい場所に発生しやすい傾向があります。あせもができやすい部位ではとくに通気性や清潔さに気を配り、予防対策を重点的に行うとよいでしょう。
あせもができやすい人の特徴
体型や生活環境、年齢といった要因により、あせもができやすい人がいます。高温多湿の環境で過ごす機会が多い人や肉付きのよい人、同じ姿勢を長時間続ける人、乳幼児や子どもはとくに注意が必要です。特徴に当てはまるかどうか、詳しい内容を確認してみましょう。
高温多湿の環境で過ごす機会が多い人
高温多湿の環境で生活したり、運動したりする機会が多い人は、あせもになりやすい傾向にあります。暑い環境で大量の汗をかいた状態が続くと、肌が蒸れやすい状態になるためです。
たとえば、夏場にエアコンを我慢して室温・湿度が高くなると、汗が乾かず蒸れやすくなります。またスポーツジムでの運動といった汗をかく活動をする場合は、季節を問わずあせもになるリスクがあるため注意が必要です。
肉付きがよい人
肉付きがよい体型の人は汗が溜まりやすく、あせもになるリスクが高いです。皮下脂肪が多いと皮膚にたるみやしわができやすく、隙間に汗が溜まってしまいます。さらに皮膚同士も擦れやすいため、肌が刺激されてあせもが発生するリスクが高まるでしょう。また、女性の場合は胸の下や谷間に汗が溜まりやすい点にも注意が必要です。
同じ姿勢のまま長時間過ごす人
デスクワークで長時間座り続けたり、寝たきりで過ごしている人も、あせもが起こりやすいでしょう。皮膚が椅子やベッドと接触した状態が続くと、汗が蒸発しにくくなり蒸れやすくなります。寝たきりの高齢者は背中や腰回り、デスクワークが多い人は太ももの裏側に症状が出やすいです。
乳幼児や子ども
乳幼児や子どもは大人と比べて、あせもが発生しやすい特徴があります。活発に動き回る年齢であり、新陳代謝も盛んで多くの汗をかくためです。子どもの皮膚には、大人と同等の汗腺が存在します。体の大きさの割に汗腺が多いので、汗の分泌量が多くなり、肌トラブルを起こしやすい状態となるのです。
とくに首まわりや背中、おむつで覆われるおしり付近は汗が溜まりやすい部分。赤ちゃんは自分で汗を拭えないため、周りの大人がケアしてあげる必要があります。
あせもがかゆいときの対処法
あせもによるかゆみの症状が軽いときは、患部を冷やすと症状が緩和されます。一方でかゆみが強いときは、治療薬を肌に塗布するのが効果的です。症状の程度に合わせて対処法を選択し、不快な症状を和らげましょう。
タオルや保冷剤で患部を冷やす
あせもによるかゆみを緩和する対策として、患部を冷やすのが効果的です。冷やすと皮膚の温度が下がり、知覚神経の興奮が鎮まってかゆみを抑えられます。冷やす際には氷や保冷剤を直接皮膚に当てず、タオルに包んでから使用しましょう。
なお、熱いお風呂に入ると血行が促進され、かゆみが増強する可能性があります。入浴時はぬるめの温度に設定し、長時間の入浴は控えめにしましょう。
市販薬を塗る
強いかゆみを感じた際は、市販の治療薬を使用して炎症を抑えましょう。炎症を抑えるには、ステロイドが配合された薬が効果的です。あせもを掻き壊して症状が悪化しているときは、細菌感染を防ぐために抗生物質入りの薬を選びましょう。
治療薬は、汗を拭き取った清潔な肌に塗布してください。炎症を起こした肌への刺激を少なくするため、やさしく伸ばすように塗布するのがポイントです。
あせもを予防するための日常的な対策
あせもを予防するには、日常的なケアを心がけましょう。肌に付いた汗や汚れを落とし、保湿をしっかり行うのが基本的なケアです。また、身につける服は汗を吸収しやすい素材を選び、肌に触れるアイテムはなるべくつけないようにしましょう。エアコンで室温・湿度を下げると、汗をかきにくくなります。とくに汗をかきやすい季節は対策を意識して生活し、あせもを予防しましょう。
肌の汚れを落として清潔に保つ
あせも予防には、肌を清潔にする意識を持つのが大切です。汗や汚れが肌に残ると汗管が詰まりやすくなり、あせもの原因となります。
汗をかいた際は、放置せずにタオルやハンカチで拭き取りましょう。外出先では携帯用のウェットシートを活用すると、手軽に汗を拭き取れて便利です。
また入浴時には、ぬるめの温度でシャワーを浴びて汗を洗い流しましょう。体を洗う際は肌をこすらないように、石けんを十分に泡立ててやさしく洗うのがコツです。
保湿して乾燥を防ぐ
体の汚れを落とした後は、保湿ケアを行いましょう。肌が乾燥すると皮膚のバリア機能が低下し、かゆみを感じやすくなります。あせも予防のためにも、保湿で肌の水分バランスを整えるのは大切です。保湿ケア製品は、あせも予防を謳った化粧水やクリームを選ぶとよいでしょう。
通気性・吸湿性に優れた衣服を選ぶ
汗をかく機会が多い夏場やスポーツ時には、通気性と吸湿性に優れた素材の服を選びましょう。汗がすぐに乾かない状態が続くと、皮膚が蒸れてあせもができやすくなります。おすすめの素材は、肌触りがよく通気性にも優れた綿や麻といった天然素材です。また、スポーツウェアなどで使用される吸汗速乾素材は汗が蒸発しやすく、快適な着心地が続きます。
アクセサリーや髪による蒸れに注意する
あせも予防には、皮膚への接触や刺激を避ける必要があります。汗をかいた肌に腕時計やアクセサリーが触れると、摩擦や蒸れによってあせもができやすくなるのです。髪の毛が長い人は、なるべく首に触れないよう束ねておきましょう。
エアコンで室温や湿度を下げる
暑くて湿気の多い環境では汗をかきやすいので、エアコンで室温・湿度を下げましょう。電気代節約のために暑さを我慢すると、汗が皮膚にとどまって汗管が詰まりやすくなり、あせもの原因となります。エアコンを使用する際は、扇風機やサーキュレーターを併用するのがおすすめです。空気が循環して効率的に部屋が冷え、電気代も抑えられます。
あせもに有効な市販薬の選び方と注意点
あせものかゆみを抑えるには、ステロイドが配合された市販薬を使用するとよいでしょう。ステロイドには皮膚の炎症やかゆみ、腫れといった症状を鎮める効果があります。主な市販薬のタイプは、軟膏・クリーム・ローションの3つです。それぞれ使用感や適している人が異なるため、自分に合うタイプを選んでみてください。
なお、「とびひ(伝染性膿痂疹:でんせんせいのうかしん)」といった細菌感染した皮膚にステロイドを使うと、症状が悪化する可能性があります。細菌感染が疑われるときはステロイド薬の使用を避け、皮膚科を受診しましょう。また、子どもや敏感肌の人は、非ステロイドタイプの市販薬を選んでみてください。
あせもはかゆくても掻かないようにしよう
あせもで肌がかゆいと無意識のうちに掻いてしまいがちですが、症状の悪化を防ぐために、掻かないようにしましょう。掻くと皮膚が傷つき、細菌が侵入して「とびひ(伝染性膿痂疹)」といった感染症を引き起こすリスクが高まります。症状は広範囲に感染が広がりやすく、治療に時間がかかるため注意が必要です。
感染症にかかったときは、抗菌薬による治療が必要となります。あせもが悪化して市販薬を使用しても改善が見られない場合には、早めに皮膚科を受診しましょう。
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