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ノロウイルスの潜伏期間は?いつまで休むべきかを知り、感染を広げないコツを押さえて、慌てずに看病しよう

消毒・殺菌
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2025/03/26

ノロウイルスの潜伏期間は平均24~48時間。いつまで休むかは症状によりますが、少なくとも回復後48時間以上経過するまでは、通園や通学、出勤を控える必要があります。治ってから一定の期間はウイルスが排出される可能性があるので気をつけましょう。感染力が強いため、とくに食品を扱う職種では注意が必要です。治療法や療養期間の目安を知っておけば、不安が軽くなるはず。知識を身につけ、感染拡大を防ぎましょう。

 

ノロウイルスの特徴

ノロウイルスは嘔吐・下痢といった胃腸症状を引き起こします。乳幼児~成人の幅広い年齢層で流行が見られる疾患です。

ノロウイルスの感染経路

ノロウイルスの感染経路は、食べ物を介して口からウイルスが入る「経口感染」が大半です。ほかには人から人に感染する「接触感染」や「飛沫感染」「空気感染」があります。

食べ物を介した感染

ノロウイルスに汚染された牡蠣などの貝類による食中毒を「一次感染」といいます。一方、調理や配膳をした人の手指や調理器具から食べ物にウイルスが入り込んで感染するのが「二次感染」です。

人から人への感染

人を介しての感染も多く報告されています。下痢や吐物により汚染された手指で食事をして感染したり、嘔吐時に飛び散る小さな水滴(飛沫)を吸い込んで感染したりするのです。床や道路に飛び散った嘔吐物が乾燥して舞い上がり、空気中を漂って口に入るケースもあります。

ノロウイルスが流行する時期

ノロウイルスは1年を通して発生しますが、とくに冬季に流行する疾患です。冬季に多いのは、低温・低湿度の環境でウイルスの感染力が高まったり、浮遊しやすくなったりするためだといわれています。

ノロウイルスの治療法

現在、ノロウイルスに効果のある抗ウイルス薬はなく、対症療法が中心です。乳幼児や高齢者、体力が落ちている人は、輸液(点滴)が必要になるケースもあります。
嘔吐や下痢がひどいときは、脱水症状にならないように、こまめに水分補給をしましょう。経口補水液を少量ずつ飲むのが効果的です。
下痢止め薬は病気の回復を遅らせる恐れがあるため、推奨されていません。

ノロウイルスにかからないための予防対策

現在、ノロウイルスのワクチンはありません。予防のためには手洗いや食品の徹底的な加熱、衛生面での対策が必要です。

入念な手洗いを習慣づける

食事前やトイレ後、調理の前には必ず石鹸やハンドソープで手を洗う習慣をつけましょう。厚生労働省によれば、手洗いなしの時点で約1,000,000個あったウイルスは、ハンドソープで10秒もみ洗い後、流水で15秒すすぎを2回繰り返すと約数個まで減少します。

参照:手洗いの時間・回数による効果/厚生労働省

食器・調理器具や食品、衣類・リネン類の消毒を徹底する

洗剤や熱湯で調理器具や食器を清潔に保ちましょう。食品は中心部まで徹底的に加熱します。
胃腸炎の症状がある家族を看病する際には、患者の糞便や嘔吐物の処理方法が重要ポイントです。使い捨てのマスクや手袋を使用し、汚れた衣類やリネン類は塩素消毒液を使って消毒しましょう。

食品を扱う人の健康管理を徹底する

調理や食品販売に従事している人は、普段から自分や家族の体調管理を。少しでも下痢や嘔吐、吐き気といった症状があるなら、食品を直接取り扱う作業を避けましょう。

 

ノロウイルスの潜伏期間と症状

ノロウイルスは潜伏期間が比較的短く、胃腸症状が中心。下痢や嘔吐が治まったあともウイルスの排出が続きます。

ノロウイルスの平均的な潜伏期間

ノロウイルス感染症の潜伏期間は24~48時間です。他の感染症と比べて短く、急激に症状が出るのが特徴。症状が治まっても一定期間はウイルスが排出される可能性があります。

ノロウイルスの症状

ノロウイルスの主な症状は下痢や嘔吐。人によっては発熱も見られるでしょう。症状は通常1~2日で自然に治まりますが、乳幼児や高齢者は重症化する可能性も。また、感染しても症状が出なかったり、軽い風邪に似た症状で終わったりするケースもあります。

<ノロウイルスの主な症状>


  • ・ 吐き気
  • ・ 嘔吐
  • ・ 下痢
  • ・ 腹痛
  • ・ 発熱
 

子どもがノロウイルスに感染したらいつまで休む?

ノロウイルスの潜伏期間は?

ノロウイルスには、法的に定められた欠席期間がありません。所属している園や学校の規定を確認し、症状を見ながら療養期間を決めましょう。

ノロウイルスは出席停止になる?

学校保健法では、ノロウイルスは出席停止になる感染症に定められていません。インフルエンザや新型コロナウイルス感染症と異なり、「発症後何日は欠席」の基準がないのです。
ただし、自治体や学校によっては出席停止となる可能性もあります。

ノロウイルスに感染したら、学校や園への連絡は?

嘔吐や下痢の症状が出たらすぐに学校・園に連絡し、指示に従いましょう。自治体や園、学校が出席停止の対象に定めていれば、治ったあとに登園(登校)許可証が必要です。
許可証をもらうためにわざわざ受診するのは大変ですが、最近はオンライン診療に対応する病院が増えました。在宅で受診し、発行してもらえる場合もあるので、インターネットで調べてみましょう。

ノロウイルスに感染したら、何日休むべき?

潜伏期間や経過を考慮すると、最低2日、長ければ1週間程度は欠席が必要です。回復後も便などにウイルスが排出されるため、さらに長い期間の欠席を指定する園もあります。通っている園や学校のルールを確認しましょう。
クラスや学年で流行している場合、学級閉鎖になる可能性もあります。

参照コラム:学級閉鎖の基準とは?習い事や外出はどうする?期間や欠席人数の目安、家での過ごし方を教員が解説
 

大人がノロウイルスに感染したらいつまで休む?

大人のノロウイルス感染症も、休業期間を定めた法律上の規定はありません。ただし、調理に従事する仕事では厚生労働省によって業務復帰の目安が定められています。

ノロウイルスに感染したら、まず職場へ連絡を

嘔吐や下痢の症状が見られ、感染が疑われるなら、速やかに職場に連絡して指示を仰ぎましょう。会社の就業規則にノロウイルス感染時の休業に関する規定があるか確認を。状況によっては医師への相談も必要です。

ノロウイルスによる休業の目安とは?

ノロウイルスは感染力が強い病気。周囲への感染拡大を防ぐためにも、十分な休養が必要です。嘔吐・下痢・吐き気・腹痛・発熱が治まってから48時間は自宅で過ごしましょう。

食品を扱う人はとくに注意が必要

飲食店や食品スーパーなど、食品を扱う方がノロウイルスに感染した場合の休業については、厚生労働省によって基準が定められています。感染後、検便検査で陰性が確認されるまでは調理業務を控えるのが望ましいとされているのです。
万が一ノロウイルスに感染した状態で食品を取り扱い、食中毒を発生させてしまえば、二次感染が広がり飲食店や施設が営業停止処分になってしまいます。企業のイメージダウンにもつながりかねません。症状が治まったと安心せず、検査を受けましょう。

<大量調理施設衛生管理マニュアルの記載(厚生労働省)より>


  • ノロウイルスを原因とする感染性疾患による症状と診断された調理従事者等は、リアルタイムPCR法等の高感度の検便検査においてノロウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、食品に直接触れる調理作業を控えるなど適切な処置をとることが望ましいこと。

引用:大量調理施設衛生管理マニュアル/厚生労働省
 

通園・通学、出勤再開の判断目安

登園・登校、出勤のタイミングは、自己判断を避けてください。症状の回復状況、園・学校や会社の規則、医師の意見などから総合的に決めましょう。

登園・登校再開の目安

一般的には、嘔吐や下痢、熱が治まってから48時間以上経っているかどうかが登園・登校の目安です。

<ノロウイルス感染後 一般的な登園・登校の目安>


  • 症状が治まり、以下の状態になってから48時間以上経過しているかどうかを確認しましょう。
  • ・ 嘔吐や吐き気がなくなっている
  • ・ 下痢が止まり、便の回数や固さが普段通りになっている
  • ・ 食欲が戻り、通常の食事がとれている
  • ・ 平熱に戻っている

出勤再開の目安

大人も子どもと同じく、「症状が治まってから48時間以上経てば出勤可能」が一つの目安です。ただし、会社によっては「症状が治まってから72時間以上経過するまで」など、独自の規定が設けられているケースもあります。また、前述のように食品を扱う職種では、検査で陰性が確認されてから出勤を再開しましょう。

通園・通学、出勤再開後の注意点

症状が治まっても一定の期間はウイルスが排出される可能性があるため、周囲への感染に注意が必要です。家庭では、トイレの掃除や消毒の徹底を引き続き心がけてください。
念入りな手洗いは症状がなくなってからも継続しましょう。石鹸と流水で行うのが、手洗いの基本。消毒用エタノールでの消毒は、手洗いの代用にはなりませんが、すぐに手が洗えない状況で補助的に使用するのはよいでしょう。

 
症状がよくなっても、無理せずじっくり休養を

ノロウイルス感染後は、下痢や嘔吐、食欲不振で、体力も落ちているはずです。通学や出勤は、自分が思っているより疲労がたまります。とくに子どもの場合は、久しぶりの登園にはしゃいで疲れてしまったり、学校で給食を食べすぎて気分が悪くなってしまったりするかもしれません。
回復には個人差があると念頭に置き、体調の変化を観察しながら、無理せず休むようにしましょう。

  • 中村藍

    教育・福祉・取材ライター中村藍

    小学校・特別支援学校での20年の教師経験を活かし、教育や発達支援、福祉分野で活動するライター。
    現在も公立学校非常勤講師として教育に携わる。日本音楽療法学会認定音楽療法士の資格をもち、社会福祉法人にて非常勤の音楽療法士としても勤務。
    「わかる・できる・ラクになる」をモットーに、子どもたちや保護者に寄り添い、学校生活や家庭でのお悩みごとを解決に導く記事を心がけている。