アロマ・ハーブ・薬膳・漢方ライター田中彩
「紅生姜」の名義でハーブ・薬膳・漢方を中心に書くWebライター。植物と昆虫の研究で修士号を取得。農分野で研究員として働いた経験とバイオ系で遺伝子検査や抗体精製などに関わった経験あり。 薬膳コーディネーター、メディカルハーブセラピスト、アロマ&ケアスペシャリスト、紅茶検定中級の資格あり。理系として、研究論文(英語含む)、書籍を参考に執筆するよう心がけている。
なかなか眠れないときは、精油の力を借りるといいでしょう。嗅覚は脳とダイレクトに繋がっているため、アロマの香りが扁桃体にダイレクトに伝わることによって、私たちは安らぎや心地良さを感じるのです。精油の中には、寝る前にかぐだけでリラックスできる種類も多く、眠りをサポートしてくれます。寝る前におすすめな精油や使い方を紹介します。香り方・おすすめの器具・アロママッサージから自分にあった方法を知って、快適な睡眠に繋げましょう。
精油は「香り」を凝縮した液体です。香りは鼻の神経を通してすばやく脳に届き、快・不快が瞬時に伝わります。リラックスによい精油をかげば、自律神経のバランスが整い副交感神経が優位になり、身体の緊張がほぐれ気持ちが落ち着き、心身ともにリラックスできるのです。落ち着くのによい精油や、眠りやすくする精油も同じです。
リラックスによく、脳を眠りやすくする精油を紹介します。
普段からなじみのある香りの精油を紹介します。すべて、眠れないときやリラックスによい精油です。
果物のオレンジそのものの、甘くフレッシュな香りです。落ち込むときや気分を明るくしたいときによく使われます。
アールグレイ紅茶の香りです。ベルガモットで香りをつけた紅茶をアールグレイと呼びます。香り高く、イライラしたときや不安なときにおすすめです。
涼やかで甘い花の香りです。リラックス精油の代表で、生活用品の香料にもよく使われます。興奮や緊張を鎮め、眠りに導く精油です。
リンゴに似た香りの花の精油です。緊張や不安を和らげ、眠りに導きます。
オレンジの花の香りです。オレンジに似ていますがオレンジより甘い香りがします。とても落ち込んでいるときや不安なときにお勧めです。
甘く優雅なバラの香りです。怒りや孤独感を和らげ、やさしい気持ちに導きます。女性のケアにもおすすめです。
バラによく似た香りですが、ハーブのさわやかさも併せ持つ精油です。不安や興奮を鎮め、精神的な疲れを和らげます。肌ケアにもおすすめです。
あまりなじみのない香りにも、リラックスしたいときや眠れないときにおすすめの精油があります。
すがすがしい針葉樹の香りです。ヨーロッパの赤松からとっています。落ち込みを和らげつつ、心を安定させる香りです。
墨汁や土に似た香りです。不安や落ち込みを和らげ、気持ちを安定させる精油としてアーユルヴェーダ(インドの伝統医学)で定評があります。
ビャクダンからとった精油で、お香のビャクダンと同じ香りです。緊張や興奮を和らげ、精神的な疲労を和らげます。
木の香りにやや煙っぽさが混じった香りです。落ち込みや緊張を和らげ、心身のバランスをとります。
料理に使う月桂樹(ベイリーフ・ローリエ)からとった精油です。ややスパイシーな、さわやかな香りがします。落ち込んだりパニックになったりしたとき、情緒を安定させ、リラックスに導く香りです。
精油があっても、どういう風に使えばいいか悩みますよね。初心者でもできる、簡単な使い方を紹介します。
一番簡単な使い方です。使いたい精油をティッシュやコットンに数滴たらし、枕元に置くだけ。精油は何かにしみこませるだけで香ります。
部屋中に精油の香りを広げたいときは、熱や超音波で精油・水を空気に拡散するアロマディフューザーがおすすめ。アロマディフューザーの中に精油を数滴たらしてスイッチを入れるだけで部屋中に香りが広がります。寝ている間の火事や火傷が心配な場合は、超音波式のタイプがおすすめです。
寝具に精油の香りをさせたい場合は、好きな精油でピローミストを作って枕に振りかけるのがおすすめ。アルコール10mlに好みの精油を数滴溶かし、水を20ml加えて薄めてスプレー容器に入れれば完成です。枕やシーツなどのリネン類に吹き付けて使います。
寝る前のアロママッサージには、睡眠をサポートしてくれる製油がおすすめです。体を温めたり、血行をサポートしたりしてくれる精油を加えるとよいでしょう。
スパイスからとった精油が多いです。
さわやかで甘い香りです。冷えやストレスがあるときによく使われます。
しょうがの香りです。疲れてしまったとき、体を温めて楽にします。
カレーによく使われるスパイスの精油です。興奮をなだめ、体の末端を温めます。
睡眠サポート精油の中には、血行をサポートする精油がいくつかあります。
血行不良な部分のつまりをとる精油です。むくみや足の疲れにも使われます。
血行をサポートするので、肩こりやむくみに使われます。腰痛や足の疲れにもおすすめです。
毛細血管を広げて全身の血行をサポートします。むくみにもおすすめです。
ベビーオイルなどのオイル30mlに好みの精油を1~5滴足すと、アロママッサージオイルが作れます。寝る前におすすめのマッサージ場所と、マッサージの仕方を紹介します。
ふくらはぎと足全体にオイルを塗り、ふくらはぎをこすり上げるようにもみます。足先の冷えに悩む場合は、足の指の水かき部分をつまむようによくマッサージするのがおすすめです。
みぞおちと下腹にオイルを塗ります。下腹は時計回りにやさしくなでさすりましょう。みぞおちは上下になでさすってください。おへその上下をむすぶラインに、体を整えるツボがたくさんあるため、おへその上下のラインもよくこすりましょう。
手全体にオイルを塗り、いたわるようになでさすってください。手先の冷えに悩むときは、手の指の水かき部分と、手の指の爪の脇の部分をつまんでよくもむのがおすすめです。
精油は脳をすばやくリラックスさせるので、寝る前におすすめです。気に入った精油をブレンドして使うのもよいでしょう。例えば、ラベンダーとオレンジスウィートのブレンドは、大学で研究されるほど寝る前のリラックスによいブレンドです。枕元に精油をしみこませたティッシュを置くだけで、精油は十分楽しめます。いろいろな精油を楽しみつつ、就寝時間を快適にすごしましょう。