管理栄養士ライター高村恵美
12年間管理栄養士として病院などに勤務。家族にいつでも"おかえり"が言えるようライターへ転身後は、忙しいひと・働くひとに寄り添うレシピの提供や、健康コラムを数多く執筆。
自分も同じ立場だからこそ「仕事と家庭の両立に悩む女性を応援したい」気持ちが高まり、悩めるママに向けたコラム執筆も行っている。
気合いを入れて頑張りたい時や、疲れを感じた時などに、「栄養ドリンクとエナジードリンクはどっちがよいのかな?」と迷ったり、「どんな違いがあるのだろう」と疑問を抱いた経験がある人は多いのではないでしょうか?
それぞれの違いや特性について理解を深めることで、あなたにピッタリのドリンクを選べるようになるはずです。また、「いつ飲むのが良いのだろう……」という疑問にもお答えしていきます。もうひと頑張りしたい時のお助けアイテムをとり入れて、イキイキと過ごしましょう。
栄養ドリンクとエナジードリンクの違いは、「体に対する効果を表現できるかどうか」にあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
栄養ドリンクは、効果を書くことができます。「医薬品」と「医薬部外品」に分類されていて、配合される成分により予防や改善効果が期待できる飲料です。
体への作用があるため、成分配合量の表示が義務付けられています。医薬品と医薬部外品は、体に与える影響の大きさにより以下のように区別されています。
エナジードリンクは、効果を表現することはできません。なぜなら、「食品」に分類される嗜好飲料であり、医薬品のような効果を期待することはできないからです。よって、成分配合量の表示義務もありません。
栄養ドリンクとエナジードリンクには、どのような成分が含まれているのでしょうか?それぞれ見ていきましょう。
栄養ドリンクにはさまざまな種類がありますが、代表的な特徴成分として4つご紹介します。
その他、滋養強壮や肉体疲労をサポートする生薬が含まれているものもあります。栄養ドリンクは体への作用が期待されるため、「用法・用量」として飲み方・飲む量が記載されています。必ず、「用法・用量」を守らなくてはいけません。
エナジードリンクに添加されている特徴的な成分は次のようなものがあります。
エナジードリンクは、薬ではないからといって多量に飲んでも良いというわけではありません。エナジードリンクを過剰摂取したことで健康被害にあった症例が国内外で多数報告されています。
エナジードリンクには、瓶や缶1本あたりにコーヒー2杯分に相当するカフェインを含むものもあるのです。カフェインの過剰摂取により、めまい・血圧上昇・心拍数の増加・興奮・震え・不安・不眠症・吐き気・下痢などを引き起こす場合もあります。
2021年には世界保健機関(WHO)が妊婦に対してカフェインの摂取量について見解を示しています。カフェインによる胎児への影響は明らかになっていないとしながら、「コーヒーは一日3~4杯までにしましょう」と推奨しています。
【エナジードリンクを飲む際の注意点】
■ 製品の表記をよく読んでから飲みましょう。
■ 子ども・妊婦・授乳婦などカフェインに敏感な人は摂取を控えましょう。
■ ほかのカフェイン含有食品との併用は避けましょう。
■ 一日に何本も飲むことは避けましょう。
■ 服用中の薬がある場合は、カフェインとの併用に問題ないかを確認しましょう。
栄養ドリンクもエナジードリンクも「ここぞ!」という時に飲みたいドリンクですが、飲むタイミングに正解はあるのでしょうか?こちらでは、この疑問にお答えしていきます。
栄養ドリンクのパッケージには、「効能・効果」や「用法・用量」が記載されています。表示を確認して、自分の求める効果のある栄養ドリンクを記載されているタイミングで飲みましょう。
栄養ドリンクを飲むタイミングの例としては、次のようなものがあります。
ナジードリンクは、嗜好飲料なので自分が飲みたいタイミングで飲むことができます。ただし、前述したとおり、カフェインなどの過剰摂取にならないように飲み過ぎには注意が必要です。
おすすめの使用場面が紹介されている商品もあるので、それを参考にしながら自分に合ったタイミングで飲むとよいでしょう。
「栄養ドリンク」と「エナジードリンク」は、似ているようですがそれぞれの特徴に明確な差があることがおわかりいただけたのではないでしょうか?
体への作用が期待できる「栄養ドリンク」は、明確に効果・効能が記載されているので、あなたの症状に合わせて選ぶと改善効果が期待できます。
しかし、単なる嗜好飲料ではないので、用法用量を守って飲む必要があります。
一方で、「エナジードリンク」は 嗜好品として楽しむものです。美味しいからといって飲み過ぎてしまうと、体調を崩す心配があるので、飲み過ぎには注意しましょう。
この違いを理解したうえで、毎日をイキイキと過ごすためのアイテムとして生活にとり入れてみてはいかがでしょうか。
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