管理栄養士ライター高村恵美
12年間管理栄養士として病院などに勤務。家族にいつでも"おかえり"が言えるようライターへ転身後は、忙しいひと・働くひとに寄り添うレシピの提供や、健康コラムを数多く執筆。
自分も同じ立場だからこそ「仕事と家庭の両立に悩む女性を応援したい」気持ちが高まり、悩めるママに向けたコラム執筆も行っている。
胃もたれの軽減には、食べ物や食事での「胃に負担をかけないコツ」が大切。冷たい飲み物の摂取量が増える夏や、暴飲暴食をしがちな飲み会シーズンは、胃が酷使されて不調を招きます。一方で、食べなければ栄養不足による悪影響が生じるので、胃にやさしい食生活が大切です。
管理栄養士がおすすめするコンビニ食品や生活面の注意点もお伝えするので、少しずつ取り入れて食後のムカムカを軽減しましょう。
胃もたれは、「胃の消化力」や「胃から腸へ食べ物を送り出す力」の衰えにより、摂取した食べ物が胃の中に滞留して生じる不快感です。胃腸機能の低下は、アイスやジュースといった冷たい食品を摂りがちな夏や、暴飲暴食しがちな年末年始に多くみられます。
胃の消化に適した温度は37度前後のため、冷たい食べ物や飲み物ばかり摂取していると、胃腸が冷えて働きが悪くなるのです。また、食べ過ぎは消化に追われて胃が疲弊してしまいます。
お酒を飲み過ぎると、代謝しきれなかったアルコールが翌朝まで体内に残ります。胃にあるアルコールは胃粘膜にダメージを与え、消化液に影響をおよぼすので、二日酔いや胃もたれの症状が現れるのです。
胃もたれ軽減のために食事で大切なのは、胃に負担をかけない食べ方です。意外とできていない項目なので、しっかり意識していきましょう。
よく噛むと、食べ物が小さくなるのに加え、消化酵素を含む唾液と混ざり合うため、胃の消化を助けます。満腹中枢も刺激し、食べ過ぎ防止にも効果的です。
満腹まで食べてしまうと、消化する内容物が増えて、胃に負担がかかります。少し物足りないくらいで食事を辞めるのがポイントです。
食べた直後に動くのは消化によくないので、食後30分はリラックスしてゆったりと過ごしましょう。
胃もたれをしているときは、胃に負担をかけない食べ物の摂取を心がけましょう。負担を軽減しながら、栄養補給もできる食べ物を紹介します。また、胃もたれしたときに飲みたいドリンクもあるので、食べ物と合わせてチェックしてみてください。
胃もたれをしているときは、胃に負担をかけないようにしましょう。消化のよい食べ物は下記のとおりです。
キャベツやレタスに含まれるビタミンU(MMSC:メチルメチオニンスルホニウムクロリド)は、キャベジンとも呼ばれる成分で、荒れて弱った胃の粘膜の修復をサポートする働きがあります。
消化酵素を多く含む食べ物は、消化を助けて胃もたれを防ぐ働きがあります。消化酵素は熱に弱いため、生で食べるのがおすすめです。消化酵素が豊富な食べ物を紹介します。
胃がもたれているときは、胃に負担をかける食事を避けましょう。消化の悪い食べ物はもちろんですが、香りの強い野菜やカフェインにも注意が必要です。
脂質が多かったり、噛み応えのある食べ物は、消化に時間がかかり胃に負担をかけるので、胃もたれしているときは控えましょう。
料理を辛くしたり、香り付けをして味にメリハリを付けたいときに重宝しますが、胃を刺激するため、胃もたれしているときは控えましょう。
薬味や香味野菜を使用した料理は食欲がそそられますが、胃を刺激するため食べ過ぎには注意が必要です。胃もたれしているときは下記の薬味や香味野菜を控えましょう。
酸味が強い食べ物は、胃を刺激してしまいます。手軽な柑橘類はデザートで食べたり料理のアクセントとしても使用しますが、胃もたれをしているときは控えましょう。
カフェインは胃酸の分泌を促し、消化を助けますが、空腹時に摂取すると胃に負担をかけます。胃もたれしている場合やカフェインの感受性が高い方は、気を付けるようにしましょう。
とくに暑い夏は冷たい食べ物をもとめがちですが、胃を冷やして刺激してしまいます。胃もたれしているときは、下記の食べ物を控えましょう。
食べ過ぎ・飲み過ぎの翌日や、暑さで胃もたれ気味なときは、コンビニで気軽に手に入る食品で乗り切りましょう。
レトルトのお粥や煮込みうどんがよいでしょう。柔らかく煮込んだ食品は、消化によいため、胃の負担を軽減できます。おにぎりやパンを食べたい場合は、よく噛んで食べましょう。
柔らかいおでんのはんぺん、豆腐や卵豆腐、柔らかく煮込んだおでんの大根などを選びましょう。脂質の少ないサラダチキンやゆで卵も、消化によい食品です。卵を食べるなら、生よりも加熱した方が、タンパク質の消化速度は上がります。
口当たりの滑らかな食べ物がよいでしょう。バナナ・ゼリー・ヨーグルトがおすすめです。生クリームや油脂をたっぷり使用したケーキやシュークリームといった洋菓子は、脂質が多く胃に負担をかけるので、控えましょう。
胃もたれを軽減するには、自律神経を整える工夫が大切です。生活習慣によって、大きく影響を受けるので、気を付けるべきポイントをおさえましょう。
日中は身体を活動的にする「交感神経」が優位な状態ですが、睡眠中は身体をリラックスさせる「副交感神経」が優位になります。自律神経を整えるには、両者のバランスが重要です。睡眠は、細胞の修復や心身の疲れを癒す重要な時間なので、早めの就寝を心がけましょう。
体を動かすと心臓の動きが活発になり、血液の巡りがよくなるため、神経伝達物質が活性化されます。気分転換やストレス解消にもなるので、ヨガ・ウォーキング・散歩といった、取り組みやすい運動をしましょう。
タバコは、身体を活動的にする交感神経を優位にします。休憩中の喫煙は、心身のリラックスにならないのです。自律神経のバランスを整えるためにも、禁煙するのが望ましいでしょう。
ストレスが溜まると自律神経のバランスは不安定になるので、溜め込まない工夫が大切です。自分が楽しいと思える趣味や旅行といった気分転換をして、ストレス発散をしましょう。
胃もたれがあると、食卓を囲む時間を心から楽しめなくなったり、不調で元気が出なかったりして、生活の質が低下してしまいます。消化機能の衰えを感じている場合は、普段の食品選びや食べ方に気を付けて、「胃にやさしい食事」を心がけましょう。ダイエットや健康づくりにも役立つので、快適な毎日へとつながります。
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