セラピストライター白井未奈子
サービス業を10年経験するなかで、リラクゼーション業務に出会い「人を癒す」ことに目覚める。
フリーランスに転向して以降は、ボディートリートメントとフェイシャルエステの知識を活かし、美容・健康系の記事執筆を中心に担当。今は手ではなく、文章で読者にくつろぎとすこやかさを届けることを目指している。
体を温めると、「健康な体を維持できるようになる」「毎日の暮らしがおだやかになる」といったうれしいメリットが得られます。反対に、冷えは下痢や便秘だけでなく、おならの原因にもなりかねません。冷房にあたりすぎていたり、冷たい食べ物や飲み物を摂りすぎていたりすると、胃腸の働きが低下して不調を覚えやすくなります。カイロといったあったかグッズを活用し、心地いい日々をおくりましょう。
「冷えると決まってお腹がギュルギュルに…」など、体の冷えによる下痢や便秘に苦しむ方は多いでしょう。実はそれだけでなく、体の冷えは、おならの原因にもなります。
体の冷えには、胃腸の働きが深く関与しています。胃や腸は口から入った食べ物や飲み物を消化・吸収し、排出するのが役割です。体が冷えて、胃腸の働きが低下すると、食べ物をうまく処理できなくなり、下痢や便秘を引き起こしやすくなります。さらに便秘はお腹にガスを溜まりやすくするため、おならが止まらなくなるといった症状も招きかねません。
体の冷えをくい止めるためには、胃腸の温度を一定に保ち、働きを低下させないことが大切です。口から入った食べ物を消化するのに適した胃腸内温度(深部体温)は、37℃前後といわれています。胃腸などの温度を指す深部体温は、正確な計測が困難です。ただし、深部に近いところとして、脇の下の温度を目安に考えるとよいでしょう。
参考:「深部体温と熱中症/一般財団法人日本気象協会」体の冷えとひと口にいっても、一次的・慢性的と症状はさまざまです。体が冷える原因と生活習慣に心当たりはないか、チェックしてみましょう。
一次的な冷えを引き起こしやすいのが、冷房のあたりすぎや薄着、水仕事などです。冷たさに直接触れていたときに起こりやすく、プールから上がった直後や、お風呂上がりの湯冷めも該当します。突発的に起こる冷えで、肌で感じやすいのが特徴です。
冷たい食べ物や飲み物の摂りすぎにより、胃腸をはじめとする内臓が冷え、体の冷えにつながるケースもあります。内臓の冷えは胃腸の不調に直結しやすく、下痢や腹痛によって自覚しやすいでしょう。
慢性的な冷えの原因には、元々の体質や病気、加齢などがあります。とくに病気や加齢に伴う体力の衰えは、胃腸の機能も低下させかねません。冷え対策してもなかなか変わりにくく、症状が長引いたり繰り返したりしやすいときは要注意です。
体を温めると、食べ物の消化・排出といった、胃腸本来の機能を保てます。胃腸がどんより重いと、なかなか気分も上がりません。体を温め、胃腸の健康を維持するメリットをチェックしてみましょう。
体を温め胃腸の健康を維持できると、ウイルスや細菌に負けない体に近づけます。健康を守ってくれる免疫細胞のうち、半数以上が胃や腸に常駐していると考えられています。胃腸の健康を保ってこその健康といえるでしょう。
冷房の効いた部屋でお腹などを出して寝てしまったときや、冷たい食べ物・飲み物を摂りすぎてしまったあとは、「体全体は温かいのに、一部だけ妙に冷たい」といった状態が気になるもの。冷えた体に触れたときの、不快感を軽減できるメリットもあります。
体を温めると、こころや暮らしにもうれしい作用があります。「体の冷えが気になって仕方ない」「胃腸が健康でないと食事も楽しくない」といったお悩みを解消できるでしょう。体の不調を気にせず、おだやかな日々をおくれるのは、何よりのメリットです。
体を温めるためには、薄着や冷房のあたりすぎを避けるほか、冷やさない努力が欠かせません。効率的に体を温める方法を確認してみましょう。
最も手軽にあたたかさを得る方法として、体にカイロを貼ることがあげられます。衣類や下着に貼るタイプのカイロなら、手を使わずに温められて便利です。近年、夏の冷房対策に特化した、低温でじんわりあたたまるカイロも出回っています。ただし、寝るときに貼るのは、低温やけどの原因になり得るため避けましょう。
お風呂にゆっくり浸かるのも、体を温める方法のひとつです。高齢者に多いヒートショックが起こりにくく、健康的に入浴できるお湯の温度は41℃以下といわれています。40℃程度のお湯に10分程度浸かると、胃腸の働きも整いやすくなるでしょう。
胃腸の機能低下には、ストレスや緊張が関係しているケースも少なくありません。心身ともにくつろげるよう、好きな香りの入浴剤やアロマをおともにするとよいでしょう。便秘やおならに悩んでいるときは、入浴中に体を軽くマッサージするのもおすすめです。
外側から温める方法には、腹巻きや湯たんぽの活用もあります。寒いからといって電気毛布を布団に持ち込むのは熱がこもりやすくなるため、あまりおすすめできません。じわじわと温かくなり、徐々に冷めていく湯たんぽがよいでしょう。また、寝るときの腹巻きは、締め付けが少ないアイテムを選ぶと快適に眠れます。
「寝るときは腹巻きより、靴下が欠かせない」といった方は少なくありません。ですが靴下を履いて寝ると、足先が蒸れて眠りにくくなってしまいます。ゴムがきつめの靴下は足元を締め付け、さらに冷えが悪化してしまうケースもあります。ゆったりとした履き心地で、足先から熱を逃がせるレッグウォーマーを検討しましょう。
食事では、「食材を温めて食べる」「体を温める食べ物・飲み物を選ぶ」の2つを意識してみてください。食べ物は生のままを避け、焼く・煮る・蒸すの調理法を、飲み物は夏でもホットを選ぶようにすると、体が冷えにくくなります。また、食べ物は「夏が旬の物は体を冷やす」、「冬が旬の物は体を温める」と覚えておくとよいでしょう。
カイロを貼るときは、位置にもこだわってみてください。体にはたくさんのツボがあり、なかでもアプローチしたいのが「関元(かんげん)」です。丹田(たんでん)とも呼ばれ、おへそから指4本ほど下にあります。胃腸を健康に保ってくれるツボのため、周辺を覆うようにして貼るとよいでしょう。
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