看護師ライター北村由美
看護師として総合病院、地域病院、訪問看護ステーション等で約30年勤務。超低出生体重児から103歳の高齢者まで看護を経験。
自らが家族の介護を行う中「自分の知識、経験が困っている人の役に立てるのではないか」と考えるようになり、ライターを開始。「読者が共感できる記事」をモットーに医療・健康分野の記事、看護師向け記事を執筆している。
二日酔いを予防するうえで最も大切なのは、飲みすぎないこと。飲みの場が楽しいと、ついついお酒が進んでしまいますが、自分の適量を守るのが大切です。お腹に食べ物が入っていない状態で飲むのもよくありません。おつまみを食べながら飲み、合間に水を飲むようにしてください。さらに、飲む前と飲んでいる最中、寝る前のタイミングで対策をおこない、翌日につらい思いをしないようにしましょう。
二日酔いは、お酒の飲みすぎにより起こります。当日の体調や体質、年齢や性別の影響もありますが、適量以上に飲むと、吐き気やむかつきなどの症状があらわれるのです。
原因の一つは、アルコールが分解されてできるアセトアルデヒド。アルコールを飲みすぎると、肝臓がアセトアルデヒドの処理に追いつかなくなってしまい、血液中のアセトアルデヒドの濃度が高まります。すると、吐き気やむかつきといった症状があらわれるのです。しかし、不明な点が多く、複数の要因が関連して発症するとも考えられています。
通常、二日酔いは時間が経てば自然によくなりますが、つらい思いをしないために、飲みすぎないよう注意してください。飲む前や飲んでいるとき、寝る前のタイミングで対策をとるとよいでしょう。
お酒を飲む前は、体調を整えておくのが重要です。当日は、事前に食べ物・飲み物を軽くとっておくようにしましょう。
お酒を飲む予定があるときは、体調を整えておきましょう。睡眠不足や働きすぎで疲れていると、アルコールの代謝がうまくいかず、二日酔いを引き起こしやすくなります。十分に睡眠をとり、規則正しい生活を送るのも大切です。
空腹時にお酒を飲むと、胃の粘膜がアルコールで刺激され、ただれや痛みの原因になる場合があります。また、お腹に何も入っていないと、酔いがまわりやすい状態に。お酒を飲む前に、ヨーグルトや牛乳などの乳製品で小腹を満たしておくとよいでしょう。
お酒は、おつまみを食べながらゆっくり飲むようにしましょう。水を一緒にとると効果的です。飲みながらできる対策なので、ぜひ取り入れてみてください。
おつまみを食べながらお酒を飲むと、食べ物が膜をつくり胃の壁を保護してくれるため、アルコールの吸収がゆるやかに。アルコールの分解をサポートする、たんぱく質やビタミンB群・ビタミンCを含むメニューを選ぶとよいでしょう。おすすめの居酒屋メニューを紹介します。
適量をゆっくり飲みましょう。体質による影響を考慮し、自分に合った量を見極めるのが重要です。あらかじめ量を決めておくのも、飲みすぎを防ぐために効果的です。
健康日本21では、「節度ある適度な飲酒」の目安として、1日平均で純アルコール約20g程度としています。加えて、女性は男性よりも適量が少なく、高齢者はより少量が推奨されています。ただし、個人差があり、目安量より少なくても二日酔いになる人もいるので、自分の適量を把握して飲むように心がけましょう。
<おもなお酒の純アルコール量>
お酒を飲むときは、アルコールをゆっくり分解・吸収できるように水を一緒に飲みましょう。胃への刺激を和らげたり、お酒の量を減らしたりするのに効果的です。
おしゃべりしながら飲めば、楽しみながら飲む量を抑えられます。飲むペースもゆっくりになるでしょう。
お酒を飲んだあとの過ごし方も、二日酔い対策では重要です。寝る前は水分を十分にとりましょう。また、入浴は控え、ゆっくり休むようにしてください。
お酒を飲むと、アルコールの利尿作用で脱水になる可能性があります。寝る前や起床後は十分に水を飲みましょう。スポーツドリンクは、水分や糖質・ミネラルを補給できるためおすすめです。果汁ジュースも、糖質・ビタミンCの補給に役立ち、アルコールの分解を助けてくれます。
飲んだあとは、寝る前の入浴を避けてください。アルコールの代謝速度が遅くなり、酔いがまわって思わぬ事故につながる恐れがあります。できれば、翌日にシャワーを浴びるようにしましょう。
夜は十分に睡眠をとるようにしてください。体を締め付けない、ゆったりしたパジャマを着て休みましょう。
コンビニの食べ物・飲み物で二日酔い対策ができます。飲み会の帰りに購入しやすい商品を見ていきましょう。
お酒を飲みすぎると、体に必要な成分が不足しやすくなります。以下の食べ物は手軽に食べられ、二日酔いの予防に役立つでしょう。
アルコールを分解する過程で、ビタミンCやミネラルは失われます。果物は、不足したビタミンCやミネラルに加えて、糖分の補給にも役立つのです。キウイフルーツやいちご、ネーブルオレンジがおすすめです。
しじみには、アミノ酸の一種であるオルニチンが含まれています。アルコール代謝機能のサポートに効果的です。
たんぱく質中のアミノ酸は、アルコールの代謝機能を助けてくれます。酸味があり、さっぱりしているため食べやすいでしょう。
梅干しに含まれるクエン酸は、肝機能をサポートしてくれます。そのまま食べたり、おにぎりや雑炊に入れたりして食べるとよいでしょう。白湯に梅干しを入れた「梅湯」もおすすめです。梅干しを入れたカップに白湯を注ぎ、潰して飲んでみてください。酸っぱさが苦手な方は、はちみつを加えると飲みやすくなりますよ。
飲んだあとは、アルコールの利尿作用によって脱水状態になっている可能性があります。そのため、水分を十分に補給するのが大事です。ビタミンやミネラル・糖質を補給できる飲み物もよいでしょう。
利尿作用によって失われた水分は、ミネラルウォーターで補給できます。
ミネラルウォーターよりも体に吸収されやすく、水分のほか、糖分やミネラルの補給にも役立ちます。ただし、糖分が多く含まれている商品があるため、飲む量に注意しましょう。
アルコールを分解する過程で失われるビタミンやミネラルを補給できます。糖質もとれるため、食欲がないときにもおすすめです。
「酒は百薬の長」といわれるように、適量のお酒は心身によい影響を与えてくれます。しかし飲みすぎは、二日酔いや体調不良などを引き起こす原因となるため、自分の適量を守って飲むようにしましょう。お酒を楽しむためには、個人の体調や嗜好を尊重して飲むのが重要です。
年末年始は、飲み会が増えるシーズン。調子が思わしくないときは無理をせず、休む選択肢も考えてみてくださいね。「二日酔い・悪酔いのむかつき」の効能がある胃腸薬を常備しておくのもよいでしょう。
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