監修医師成田 亜希子
2011年医師免許取得。初期臨床研修を経て総合診療医として幅広い分野の治療に携わる。
臨床医として勤務しながら、行政機関での勤務経験もあり地域の健康課題にアプローチした健康寿命延伸、感染症対策などの医療行政にも携わってきた。
国立保健医療科学院、結核研究所での研鑽も積む。
現在、医療法人ウェルパートナー主任医師。
マスクによる加湿は、喉の乾燥対策として有効な方法です。寝るときにマスクを着用すれば、ホコリ・花粉の吸い込み防止にもなります。一方で、息苦しさや肌荒れのリスクも。快適な睡眠には、肌触りや通気性がよく、耳への負担が少ないマスク選びが大切です。
より加湿効果を持続させたいときは、濡れマスクもおすすめ。コンビニでも購入できますが、ガーゼを濡らすだけで簡単に自作もできるので、ぜひ試してみましょう。
マスクを着用すると呼吸によってマスク内部の湿度が高まるため、加湿効果が得られます。とくに乾燥しやすい秋冬の時期や、喉のイガイガといった違和感を感じるときは、マスクを着用して過ごすとよいでしょう。 通常のマスクでも加湿効果は期待できますが、さらにより持続的な効果を求めるときは「濡れマスク」がおすすめです。水分を含んだフィルターをマスクの内側にセットするため、より持続的な加湿効果を得られます。
寝るときにマスクを着用すると、喉の乾燥を抑えられます。また、ホコリ・花粉の吸い込み防止にも効果的です。乾燥や寒さ、アレルギーが気になる季節にマスクを着用して就寝すれば、快適な睡眠環境を整えられるでしょう。
寝るときにマスクを着用すると口周りの湿度が保たれるため、喉の乾燥や違和感の予防効果が期待できます。
冬場は空気が乾燥しており、室内でエアコンを使用するとさらに湿度が下がりがちです。乾燥している環境で就寝すると口の中が乾きやすくなり、喉を痛めるケースも。マスクをすれば自分の呼吸で湿度が上がるため、寝起きに喉の違和感を覚えやすい方はマスク着用での就寝をするとよいでしょう。
マスクを着用して寝ると、顔周りはあたたかくなるメリットがあります。
冬場は顔周りの冷えが気になり、夜中に寒さで目を覚ましてしまう方もいるでしょう。マスクをすれば顔周りの保温効果が期待できるので、寒さが気になる方もマスクの着用をおすすめします。
マスクの着用は単なる保湿や保温効果だけでなく、ホコリや花粉が体内に侵入するのを防ぐ衛生対策としても有効です。
寝具には目に見えないホコリや花粉が付着しており、就寝中の寝返りで空気中に舞い上がって体内に入り込む可能性があります。しかし、マスクを着用していればホコリや花粉の吸い込みを減らせるため、喉や鼻の違和感、不快な症状を軽減できる可能性があるでしょう。
寝るときのマスクは喉の加湿に有効ですが、人によっては睡眠の質が低下するリスクがあります。また、長時間の着用で肌トラブルが生じる可能性も。夜マスクをして寝るデメリットを知り、快適な睡眠をするための対策を立てましょう。
睡眠中に口呼吸になりやすい方は特にマスクを着用すると息苦しさを感じる場合があり、睡眠の質を低下させてしまう可能性があります。マスク内に空気がこもって息苦しさを感じると、夜中に目覚めてしまうでしょう。また、耳ひもが擦れて痛みを感じたり、寝返りの際にマスクがズレたりして、睡眠が妨げられるケースもあります。
加湿マスクは喉の保湿に効果がある一方で、肌トラブルを引き起こす可能性があります。マスク内部は湿度が高く、温かい空気が留まりやすい状態です。結果として皮脂の分泌が増えてしまうとニキビができやすくなってしまう場合も。
また、マスクの着脱や寝返りによる摩擦が肌への刺激となり、肌が荒れてしまう方もいるでしょう。敏感肌の方は、肌刺激が少ない素材を使ったマスクを選ぶといった対策が必要です。
寝るときに使うマスクを選ぶポイントは、肌触り・呼吸のしやすさ・耳への負担の少なさです。3つのポイントを満たしたマスクを選べば、喉を保湿しながら快適に睡眠できます。マスク選びの具体的な内容を理解し、自分にぴったりのマスクを選んでみてください。
寝るときに使うマスクを選ぶ際は、肌触りのよさを重視しましょう。シルクやコットンなどの天然素材を使用した布製マスクは肌への刺激が少なく、保湿性が高いのが特徴です。
一方で、不織布マスクの多くは合成繊維が使われており、人によっては肌が荒れてしまうケースも。コットンを使用した不織布マスクもあるため、肌荒れが気になる方は素材を確認したうえで購入するとよいでしょう。
呼吸のしやすさは快適な睡眠を得るために重要なので、長時間着用しても息苦しさを感じないマスクを選びましょう。マスク内部に適度な空間があり、顔の形状に合わせて緩やかにフィットするタイプが理想的です。立体型やプリーツ型のマスクは、顔との間に空間を作りやすいため呼吸しやすいでしょう。
また、通気性の高い素材を使用しているか確認するのも大切です。通気性が高ければマスク内の空気の循環が保たれるため湿気による蒸れも軽減できます。
快適に就寝するには、長時間着用しても耳が痛くなりにくいマスクを選ぶのも重要です。耳への負担が少ないマスクを選ぶには、耳ひもの調節機能や素材に注目しましょう。耳ひもを少し長めに調整すると、ひもの圧迫感を軽減でき耳が痛くなりにくくなります。また、耳ひもが太めで伸縮性のあるタイプも、耳への負担を軽減できます。
どうしても耳ひもをかけるのが苦手な方は、鼻から首を覆うネックウォーマー型のマスクを選ぶとよいでしょう。口周りを保湿できるのはもちろん、首元を温められるメリットもあります。
濡れマスクはコンビニなどで購入できますが、家にある材料を使った手作りも可能です。ガーゼマスクを直接濡らす方法と、使い捨てマスクに湿らせたガーゼを当てる方法があります。
なお濡れマスクを作るときは、手をしっかりと洗い、清潔な状態で行いましょう。簡単に手作りできるので、ぜひ試してみてください。
ガーゼマスクを使うと、簡単に濡れマスクを作れます。まずはガーゼマスクを水、またはぬるま湯で濡らし、軽く絞りましょう。着用する際はマスクの上部分を1/3程度外側に折り返すと、就寝中にズレにくくなります。また、行くぐるしい場合は少し鼻を出すなど適宜調整しましょう。
使い捨てマスクでも、加湿マスクの作成が可能です。まずはガーゼ(なければキッチンペーパー)を用意し、水やぬるま湯で軽く湿らせてください。次に、湿らせたガーゼを使い捨てマスクの内側に当てた状態で装着します。
肌に直接ガーゼが触れるのを避けたいときは、ポケットがあるタイプのマスクを選ぶのがおすすめです。また、2枚の使い捨てマスクに湿らせたガーゼをはさむと、肌にガーゼが当たるのを防げます。
喉をケアしたいときは、マスクの他にうがい薬やトローチを使用するのがおすすめです。
うがい薬の中には、殺菌・抗菌作用が期待できるCPC(セチルピリジニウム塩化物水和物)を含む商品があります。喉に炎症を起こす菌を退治する働きがあるため、風邪の流行時や喉に違和感があるときに使用するとよいでしょう。
また、喉の痛みや腫れ、声枯れが気になるときはトローチがおすすめです。トローチに含まれる成分が口内で溶けながらゆっくりと喉に作用し、喉の違和感を緩和してくれるでしょう。
加湿マスクに加え、うがい薬やトローチを適切に使用すれば、より効果的に喉をケアできるでしょう。
空気の乾燥は喉の違和感を引き起こす主な原因の一つです。さらに、乾燥が悪化するとウイルスや細菌などの病原体が喉から体内に侵入しやすくなるため風邪を引きやすくなります。
喉の乾燥予防には今回ご紹介したようにマスクの活用がおすすめです。マスクの着用は呼吸によって発生する蒸気が喉の乾燥を予防、改善効果が期待できます。特に乾燥が強いときは、濡れマスクもおすすめです。
ただし、マスクは素材や使用方法によって息苦しさや肌へのダメージを引き起こすケースも少なくありません。特に夜間など長時間渡って使用する場合は、肌への刺激が少ない素材のものを選びましょう。
また、マスク以外にも空気の乾燥自体を改善する加湿器や濡れタオルなども活用してみてください。
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